《嫁ぎ先の旦那様に溺されています。》一つ屋の下での事4(6)

翌日は、何時も通り境の掃除をしたあと朝食を用意し二人で食事を摂り學校へ行き一日の大半が終わる。

帰宅し巫服に著替えたあとは境の掃除に向かう。

「莉緒、帰ったか」

「総司さん、ただいま戻りました」

さっきは境を通った時には姿を見かけなかったけど、よくよく考えればそこまで意識はしていなかったと思い直す。

「おかえり。それで莉緒の意見を聞きたいんだがいいか?」

「はい。――でも、何でしょうか?」

「実は舞いを踴る舞臺の修繕に関してなんだが――」

「そういう事ですか」

神社の一角には、巫が舞いを踴る舞臺が用意されていて、そこで奉納を行う事になっている。

その場所も、數年間放置されていた事で土臺の部分にかなりガタが來ていたので修繕する必要があるようで、その事に関して々と聞かれた。

「――で、どのくらいで間に合う?」

「そうですね。夏が終わるくらいまでには――」

「夏に巫舞を一度行う行事がある。何とか、それまでに終わらせることは出來ないか?」

「何とかしてみましょう」

「莉緒も、それで大丈夫か?」

「えっと、どうして私が?」

「お前が舞うからに決まっているだろう」

あー。そんな話がありましたね。

てっきり忘れていました。

でも、そうすると奉納の舞を行うまで逆算で4ヵ月も無い事になる。

一度、反復練習をしないと不味いかも。

「分かりました。巫舞の練習をしたいと思いますので本番前に舞臺を用意とかは……」

私はチラリと宮大工の親方の方へと視線を向ける。

すると親方は溜息をつきながら――、「奉納の儀は何時行うんだ?」と、聞いてきた。

何とか奉納の儀を行う一週間前に作業を終わらせられるように手配をお願いしたあと、高槻さんと共に母屋に戻る。

「莉緒」

お茶を用意し二人してテーブルの前に著席したところで、彼から話を切り出してきた。

「はい?」

「奉納の儀まで一週間で調整は出來るのか?」

「それまでに、無駄に広い母屋でも練習をしますので大丈夫です。それよりも巫舞の時には小々と必要ですので用意をして頂けますか?」

「その點に関しては既に手配済みだ。4月末には屆く計算だから、大丈夫か?」

「はい。新生の學式の用意などもありますから丁度いいと思います」

「そうか。あとは、が屆いた時に足りないものがあったら頼む形だな」

「そうですね」

翌日からは普段どおりに家事を行い學校へ通う日々が続く。

ただ、穂や大和とは距離が空いたまま。

そして――、3週間が過ぎ――4月の半ばに差し掛かり新生の學式が滯りなく終わり、2週間が経った頃に巫舞で使用する神楽鈴や裝などが屆いた。

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