《嫁ぎ先の旦那様に溺されています。》一つ屋の下での事4(9)
「とりあえず、一目見てみるか? おかしな部分があれば手直しを頼む必要もあるからな」
「はい」
二人して境から歩いて數歩の所――、舞臺を見ていく。
もうすぐ夏と言う事もあり、日は完全に沈み切っていなかったのが幸いして確認する事はできるけど……。
「やっぱり時間的に全てを確認することは……」
「そうだな。明後日は日曜日だろう? その時に、確認すればいいか」
「はい」
舞臺の確認は後日と言う事になった。
それから二日後の日曜日――、宮大工の親方さんと高槻さん、そして私の3人で舞臺の確認をしていく。
「特に問題は無いと思います」
「そうか。この短期間で、無理を言ってしまい申し訳ありませんでした」
「いえいえ、こちらこそ」
満足そうに頷く宮大工さんは、そのまま帰っていき――、そのあとは巫舞に必要な小道などの確認をしていく。
「裝や小は大丈夫か? 一応、此処ら付近を管理している神社庁に確認して用意したんだが……」
「はい。問題はないです」
「そうか……」
「そういえば総司さん」
「――ん? 何だ?」
「夏祭りで、私は巫舞を披するんですよね?」
「そうだが?」
「夏祭りの用意って出來ているんですか? ここ數年は、神社は使っていなくて廃社扱いでしたよね? きちんと告知とかしておかないと人が集まらないのでは……」
「……そうだったな」
「それに出店の件もありますよね? その辺は、どうしますか?」
「観協會などに掛け合ってみるか」
「――でも、観協會って腰が重いですよね?」
「そこらへんは、何とかするしかないな」
「あとは神社の運営ですよね? 私と総司さんだけでは回らないと思いますので何人か臨時で巫などを雇った方がいいと思います」
「なるほど……。その辺は、考慮しておく」
「はい。早めに募集をしないと他の神社にいい人材は取られてしまいますので急いだほうがいいです」
「そうだな」
「それでは、私は舞の練習をしてみますね」
「ああ、そういえば莉緒の舞いを見るのは初めてかも知れないな」
「母屋の方で練習はしていましたけど、舞臺で踴るのは初めてですので裝を著て行ってみます」
「分かった」
私は、さっそく母屋に戻り巫服に著替えて千早を著たあと、神楽鈴を持ち舞臺へと向かう。
そこには、すでに高槻さんだけでなく――、
「どうして櫟原さんも?」
「ああ、櫟原は何度か高槻神社で巫舞を見たことがあるらしくてな――、それで呼んだ」
「そういうことですか」
二人が見ている中、私は舞臺の上で期に高槻神社の先代巫から習った巫舞を舞う。
そして――、
「どうでしたか?」
「……」
「総司さん?」
「――い、いや、すまない。すばらしかった。それよりも數年、踴っていなかったとは思えないほどだ。どうだ? 櫟原」
「はい。先代よりも素晴らしいと思います。これなら、問題ないでしょう」
「――だ、そうだ」
「ありがとうございます」
練習してきた甲斐があった。
あとは、これを夏祭りの――、奉納の儀の時にキチンと出來るかどうか。
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