《嫁ぎ先の旦那様に溺されています。》一つ屋の下での事4(11)
生徒指導室を出たあと、教室に向かう為に廊下を歩くけど校で殆ど人影を見ることはない。
時期は、すでに5月中旬という事もあり、部活も本格的に新生を向かれいれて稼働しているから、校で何の用事もなく殘っている生徒はないから。
教室には誰もいないと思い、教室にり私は足を止める。
そこには、ここ一ヵ月以上も話をしていない親友の穂が一人椅子に座っていたから。
いつもは教室には誰かしら居たから、お互いに意識することは無かった。
だけど……、二人きりとなるとやはり――、
「莉緒」
穂も、此方を意識したのか話かけてきた。
一瞬、どう話をしていいのか迷う。
けど――、考えてどうにかできる問題ではないわけで……。
「私、帰るね」
自分の席まで小走りで向かい、カバンを手に取って立ち去ろうとしたところで穂が私の腕を摑んできた。
「待ってよ! 無視するつもり!?」
「そういう訳じゃないから――、私……忙しいから――」
「なに……よ……、それ――! 何なのよ! 私とは話をしたくないってことなの!」
「違うから……」
「――なら、こっちを見なさいよ!」
私は、穂が摑んでくる手を振り解く事もせず――、穂から顔を背けたまま口を開く。
「別に、無視とかしているつもりはないから。それに穂から、話はしたくないって言ってきたから……」
「何よ! 何も言わない癖に何を言っているのよ!」
穂が聲を荒げてくる。
だけど、穂が苛立っているように私にだって事があるし、そのことで穂から絶するような真似をしてきたのだから、私が一方的に悪いような言い方をされる謂れなんてない。
「言えないことだってあるの!」
「親友の私にも言えないことなの?」
「言えないから――」
「それって男と同棲しているから?」
「――え?」
「以前に、送ってもらった時に一緒に乗っていた高槻って男と同棲しているんでしょう?」
「穂には関係ないし……」
「関係ないとか関係ある以前に何で一言言ってくれないの?」
「……」
「これ!」
穂が機の中から取り出してきたのは、一枚のコピー用紙。
「高槻神社の7月下旬に行われる予定の夏祭り……? どうして、穂が持っているの?」
「私のお母さんが観相談所に勤めているって言わなかったっけ? お母さんが、高槻神社で、今年は夏祭りをするって昨日の夜に言ってたの!」
高槻さん、手が早すぎ。
すでにいているなんて……、思わなかった。
「それで、ここにアンタの名前が書いてあるの!」
たしかに、穂が指差している部分には、數年ぶりに高槻神社にて巫舞を奉ずる事と舞いをする人の名前が書かれている。
「……」
「ねえ! 一、どういうことなの! きちんと説明してくれないと納得できないんだけど!」
「それは、穂には……」
「ここまで來て関係ないって言うつもりなの?」
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