《男がほとんどいない世界に転生したんですけど》課題テスト
「ふぁあぁぁぁぁぁっ。」
俺は大きなあくびをしながらベットからもそもそと出る。
昨日はお母さんと晝ご飯を食べて、転生して初めての學校で張や不安も沢山あって疲れが出たのか、夜ご飯も食べずにすぐ寢てしまったんだったけ。
あー、お腹減ったな。
夜ご飯抜きは育ち盛りの男子高校生にはまぁまぁしんどい。早く……朝ご飯食べたいな。
俺は腹をりながら思う。
今日から通常授業が始まる。時間割の表を見て、教科書とノートをれる。
そして、制服に著替え自分の部屋から出る。
臺所には大量の朝ご飯が既に作られていてそれを大量に食べて家を出た。
☆☆☆
「……おはよう、優馬。」
「おはよう、雫。今日はいい天気だね。」
家の門を出てすぐの所に雫が待っていた。
もしかして一緒に登校してくれるの!?すごく嬉しいんだけど!
顔にはダサいから出さないけど、心では両手を上げてガッツポーズをとる俺。
「じゃあ行こうか。」
意気揚々と言う。
「……分かった。」
俺と雫は學校に向かって歩き出した。
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「……ところで聞くけど、優馬は今日の勉強はした?」
「え、なんのこと……かな?」
え、今日なんか予定あったっけ?
俺は必死に頭を回転させて、今日の日程を思い出そうとする。
「……だって、今日は課題テストだったはずだけど?」
「え!?そんなの聞いてないんですけど……」
「……學校の日程の紙にしっかりと書いてあったけど。」
「あ、全く見てなかったよ。」
どうやら俺は登校2日目からやらかしてしまったようだ。
課題テストがあるなんて全く知らなかった。ぐっ、テストで失敗なんてしたくない、だけどテスト範囲も分からないし、どの教科が出るかも分から無い、今の狀態の俺は戦えるだろうか?恐らくは難しいだろう。
いくら、転生する前の記憶を持っていたとしてもだ!
「……しょうがないわね。私の教科書見せてあげるからギリギリまで足掻いてみたら?」
そう雫は提案してカバンから數冊の教科書を貸してくれた。
「ありがとう、雫!これで課題テスト頑張れるよ。」
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雫から貸してもらった教科書は全部で5冊で國語、數學、理科、社會、英語だった。
パラパラとページをめくって見ると所々にメモや書き込みがあって雫もかなり勉強しているのが分かる教科書だった。
「あ……でもこれを借りたら雫が勉強出來ないんじゃないの?」
テスト前5分間とかの時間とか案外重要だったりする。これが無いと雫はその時間勉強できないじゃないか!
「……いいわよ。私はもう復習は完璧にしたつもりだから。それにワークとか問題集を持ってるから大丈夫よ。」
なるほどな。雫はワークや問題集を持っていたから、貸してくれたのか。優しいな雫は。
俺は雫の教科書を互に読み容を高速で頭に放り込んで行きながら學校まで歩いた。
課題テストの範囲は中學校の容なのでまぁ勉強してなくても平均點くらいならとれるはずだ………多分だけど。
學校まであとしの時──
「──おっはよ~。雫~ちゃん。テストの勉強はした~~?……って隣にいるのはイケメン男子で學初日でファンクラブが出來たっていう神楽坂 優馬君じゃないですか~!?何で雫と一緒に登校してるのかな~?」
後ろから誰かが走って來て、聲を掛けてきた。
俺はその聲の方向を見ると、薄い紫の髪を後ろに纏めている雫と同じ制服を著たの子が雫の肩に手を回していた。
「……おはよ、由香子。それで、質問に答えるけど、私の家と優馬の家が近いからよ。」
雫は素っ気ない返事をした。雫とこの子は仲がいいということは見るからに分かった。
「えっと……君は……?」
確か同じクラスにいたはずだけど……まだ顔と名前が一致しないので名前が出てこない。
「あ、そっか。優馬君は自己紹介の時にいなくて聞いてないもんね~~。私は同じ3組の作田 由香子ゆかこって言うんだよ~よろしくね優馬君~~。」
俺には分からないけど、中々可いポーズをとってくる。うん……グッドだ!
「あ、うん。よろしく由香子さん。聞きたかったんだけど、さっき言ってたファンクラブって何かな?そんなのが出來たの?俺なにも聞いてないんだけど……?」
「由香子でいいよ優馬君~。昨日ファンクラブを作っていいか優馬君に確認したかったらしいんだけど優馬君が早く帰っちゃうからさ~勝手に出來ちゃったっぽいんだよね~。あ、そう言えば私もファンクラブに會したんだよ~~。」
そう言って由香子は「ほら。」と、會員カードのようなを見せてきた。そこには由香子の顔寫真と會員番號241番と書かれていた。
241番ってどんだけだ1日でファンクラブにったんだよ!?嬉しくもあるけどし恥ずかしい気持ちになる。
「もしかして……雫もってるの?」
「……そんなわけないじゃない。なんか々と面倒くさそうだし。」
「はは、そう……だよね。」
そんな事がありながら學校に到著した。
やっぱり俺の周りにはの子が囲んでいてっぽい目でジロジロと見られた。學校のの子は顔面偏差値がやたらと高く人しかいない。
そのため……俺は肩が狹い。
「おはよう優馬君。」「おはよう。」
教室にると次々にクラスのの子達に挨拶をされたので一人一人に「おはよう。」と挨拶をする。
俺が挨拶をするために近づくとの子は顔を真っ赤にさせてしまって興する。それを見て面白いと思う。
まだクラスのの子の名前を全て覚えられていないと言うか雫と由香子しか知らないからな。早く覚えなくちゃな。
……ってそんなこと考えてる場合じゃない、まずは課題テストに集中しないとやばい。
俺は雫に貸してもらった教科書を見て必死に最後のあがきをした。
この時の集中力は學校の誰よりもすごかったと思う。
そして登校終了のチャイムがなり奈緒先生が教室にってきて1時間目の國語の課題テストが始まった。
☆☆☆
「お、終わったぁぁぁぁぁ。」
俺は手を上に掲げて固まった筋をほぐした。課題テストはそれなりの難しさだったけど雫に貸してもらった教科書と俺が前から勉強していた知識で何とかなったと思う。
集中力が完全に切れた俺は自分の機に上半を預ける。あー、やばいな。眠気もあるや。
このまま寢ちゃいたいけど、今は我慢だ。
「……優馬、どうだったのテストは?」
「あ……雫、うーん。自分的にはまぁまぁかな。でも、本當にありがとう雫。貸してもらった教科書のおかげでまずは何とかなったよ。この借りはいつか必ず返すからね。」
そう言って雫から借りた教科書を返した。
「……別に。その程度の事で借りを返さなくて別にいい。優馬がどうしても……って言うんだったら……まぁ、別だけど……」
雫は顔を真っ赤にしてそっぽを向いてしまった。
はははっ、雫は可いな。
雫を見ていたら眠気なんてどこかに吹き飛んでしまった。
元気になった俺は、自分の席から立ち上がる。
「じゃあ雫、一緒に帰ろうっか。」
「……ええ。そうね。」
俺と雫は一緒に教室を出て家に帰った。
☆☆☆
「くぅぅぅぅ。悔しいッ。雫さんだけ優馬君を獨占しててずるくない?先生も獨占するなって言ってたのに………」
「まぁ……でも優馬君から雫さんの所に行ってるから獨占というわけじゃないんだけどね。」
「確かにそうだけどさぁ……」
2人のクラスの子が自分の隣で話していた。
容は……とてもくだらない事だ。
一何が楽しいのだろう……何でそんな夢中になれるのだろう?たかが男だろう?
私は男なんて心の底から大嫌いだ。
男は我儘で傲慢、頭の中はと金しか無く、常ににイチャイチャされて自分が偉い存在だと錯覚している極めて愚かな生だ。
もう、男を見ているだけで気分が悪くなる。存在自が鬱陶しい。
私だって男がいない學校に行きたかった。それが第一希だった。だが私の親がほぼ強制的にこの學校に決めてしまった。理由は男と関係を持ち、結婚し子をすことだ。
私は男と関係なんて持ちたくもないし、近づきたくも無い。
……でも私のクラスには、たまたま運が悪く、神楽坂 優馬という男がいる。だがその男は、男でも大人しく傲慢ではない、禮儀も弁えていると今の所は評価に値する人間だとは思う。だが、まだ學したばかりで、本當のを表にさらけ出してないだけなのかもしれない。いつ、本を出すのか今は若干興味がある。
それでも話したいとは全く思わない。
──私が中學2年生の時に、初めてあった男はトラウマになるほど最悪だった。ぶくぶくに太り豚のような見た目。服のサイズが無いのか汚いが所々隙間から溢れていて、とにかく臭いがきつかった。
その男はを道のように扱う下衆な奴だった。
それに私を舐め回すかのように見てきた。あの時は鳥がたち二度とこんな奴とは會いたくないと思った。
もう課題テストが終わり、放課後だ。さっさと帰ろう。課題テストは毎日ちゃんとした勉強をしたので完璧なはずだ。
私はすっと靜かに教室を出る。
友達と呼べる存在は數える程度にはいるがそこまで仲が良くも無いし、悪くも無い。はっきり言って普通だ。
なので、1人で颯爽と帰る。多分、これからも常に1人で孤獨。そして、生涯を迎えるのだろう……
それが私。北桜 夜依やよの人生だ。
☆☆☆
もう夕方だ。太が沈みかけて空が徐々に薄く暗くなって來ている。
俺と雫は2人でのんびりと下校していた。
「雫、さっき絶対借りを返すからって言ったよね。」
「……まぁ、そうだけど?別にいいわよ。」
「いや、借りは返すよ。でも、俺じゃあどうやって借りを返すのかわからないからさ、雫が決めてよ。俺ができる範囲での事ならなんだってするからさ。」
「……わかった。じゃあ、今考える。」
雫はそう言ってカバンから手帳を取り出し、何かを確認し始めた。數分経ち、雫はパタンと手帳を閉じた。
どうやら、何か決まったようだ。
「……優馬、今週の……土曜か日曜って空いてる?」
「うーん……どっちも空いてるよ。」
土日は學校も休みだし、まだ1年生は部活にっていない。だから別に何の用事も無い。家の用事も多分だけど無いはずだ。
「……じゃあ日曜日の朝9時に私が優馬の家で待ってるから出かけられる服裝で待ってて。」
「わ、わかった。朝の9時ね。」
そんな會話をしてちょうど俺の家についた。
「じゃあね雫。」
「……ええ、また明日。」
そう言って俺は家の門を潛った。
「…………………っ。よっしゃぁぁ!!!!!!」
俺はしだけ抑えた聲でびガッツポーズをとった。
の子とお出掛け……つまりデート?とは、俺の新しい人生の大きな大きな第1歩だ!
転生する前はの子とお出掛けなんて行ったことない。今からでも張するけど嬉しさの方が勝っている。
俺はかなりのハイテンションで家に帰った。
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