《男がほとんどいない世界に転生したんですけど》部活を決めたいなぁ

「齋藤先生はいいですよね。男の子がいるクラスの擔任で。私なんて保健室に來てくれないと話すら出來ないんですよぉ。」

保健室の先生である池先生言ってくる。

池先生、そんなことないですよ。こっちはこっちで気を使ったりして々と大変なんですよ。」

と、私こと……神楽坂 優馬のクラスの擔任である齋藤 奈緒は、片手にコーヒを持ちながら愚癡る。

これでも教師1年目の新米教師なのだ。

たまたまここが母校で、就職にチャレンジしてみたら、運がよく合格したまたま男の子がいるクラスの擔任になってしまった。

私がこの學校に來てすぐに新一年生の中に男の子がいるということがわかった。初めにその話を聞いた時は、男の存在を生で見ることが出來ると確信し、興を抑えきれなかった。

だけど、私は前のそんな浮かれた自分を正してやりたいと思う。

私は男の人に會った事も、見た事すらも無い。

なので若い私は、そもそも男という存在は、この圧倒的男比社會の若者の的な求によって生み出された架空の存在なのでは無いか?なんて……一時期思っていた事すらある。そのため、誰よりも驚きと興は凄かったと自負している。それに、他の先生方は現在2年生の九重 大地の事を知っていたのだから、それとこれでは大きな違いになるだろう。

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普通、男の子が高校生に學し擔任を任されるのは、學校の大ベテランの先生のはずだ。だが、この學校は歴史が長くベテランの先生が多く揃いすぎているため、現校長は決めることができなかった。

そこで副校長が全教師をくじに含んだ文句なしの1発勝負のくじ引きを提案した。

ベテランの先生含め、まだまだキャリアが若くベテランでは無い先生や、まだクラスをけ持ったことすらない私にも結果的にはそのくじに含まれることになった。

実際は、辭退したかったのが本音だ。

もし……もしも、自分が選ばれてしまったらと思うと自信が無くなってくるからだ。でも、今更1人だけ辭退するという空気でも無く、私はしょうがなく空気を読んだ。どうせ、選ばれる確率は本當の低確率だ。選ばれるわけが無いと思った。

代表の校長が全教師の名前がったくじを引いた。

「──今回。神楽坂 優馬のクラスの擔任を1年間任せる先生は………!?………さ、齋藤 奈緒先生です!」

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 「え……!?ええっ!!??」

あの時……校長が自分の名前が書かれたくじを引いた時は本當に辛かった。

特に、ベテランの先生方の視線が……痛いほど來た。

もう、擔任を任されての喜びなんかよりも、新米で教師の経験が一切無いペーペーの私がベテランの先生方を差し置いて男の子がいるクラスの擔任になるという、とんでもない重圧と罪悪しか無かった。

うーっっ、思い出すだけで胃がキリキリと痛む。

後で胃薬を飲んでおこう……

ベテランの先生達は私の事を応援してくれたが、心は良くは思っていないだろう。そして、悔しいだろう。

言葉には出さずとも行が表していた。

まず、私から話しかけない限り絶対に先生たち側からは話しかけられなくなった。前までは積極的に聲を掛けられて仕事のやり方をレクチャーされていたのにだ。それに殘業がこれまでよりも格段に多くなった気がする。

先輩の先生方がこれまで何も言わずに私の仕事をけ持ってくれていたことが、何となく分かった。すごく嬉しかったのだけどその分悲しくなった。

私はどんどん疲労が溜まっていった。

私は何も言えなかった。もし何か文句を言ったり愚癡を言ったりしたら擔任を降ろされる口実になるかもしれないからだ。

1度運良く選ばれたのだ、こんなチャンスもう二度と無いかもしれないのだ。例え、教師の経験が無いとしても……頑張ろうと決めたのだ!

そんな、々と大変な私に対して何も接し方が変わらず傍にいてくれた唯一が池先生だ。

池先生とは、同い年で研修生の時に1度だけ會ったこともあり、その時から話の馬が合ったので一緒にご飯に行ったりもする仲だった。

前からの流もあったがこの件で更に仲が深まり、今では良き親友だ。

もし、池先生がいなかったら、私は擔任を辭退していたかもしれない。そう思う。

今では仕事にも慣れ、殘業もへっちゃらになった。

それに、先生として生徒を持ち、尊敬されるという事はなんともやる気に満ち溢れるものなのだ。

これからも私は先生を頑張って行きたいと思う。

☆☆☆

雫と一緒に學校を出る途中、俺の下駄箱を開けるとそこには溢れんばかりの用紙がれられていた。

「うおっ、なんだこれ。」

俺は一つ一つ取って見てみる。

あー、これ部活の勧の用紙じゃん。

あはは……それも、全部活から勧されているみたいだ。さらに、研究會や同好會などからも勧が來ていた。

必死さがすごく伝わってくる。

でも、これはこれでやめてしい。

明日は、南京錠を持ってくるか。

「……すごいわね。」

雫が苦笑いで言う。

「ははは……そうだね。あー……どうしようかな部活。全然決められないなぁ。」

皆から勧されてしまうと迷ってしまう。

第1希のサッカー部も不の希では無い。揺らぎそうだ。

「……そうね。私もよ。

それとる部活を決めてもの子には口外しない方がいいわよ。噂で聞いたのだけど、1年の優馬の熱烈なファンクラブの子達は、全力で優馬が部する部活を調べに來るらしいわ。」

「そ、そうなの……!?」

雫は奈緒先生と同じ事を言ってくれた。それほど、俺のる部活は慎重に選ばなければならないという事だ。

「……皆必死なのよ。あなたとしでも近付きになりたいからね。」

「でも、雫はもう俺の隣にいるね。」

「……そうね。」

既に雫は俺の中で大きな存在となっている。

今の所、の子の中で唯一信用できるし、一緒にいると楽しい。

「……もし相談とかしたいなら親とか、上級生。そして何より、信頼できる人にするのはありかもね。」

「うん。そうするよ。いつもありがとうね雫。」

雫にはいつも助けて貰っている。本當に謝している。俺は笑顔で謝の言葉を伝えた。

──ある日、[男の笑顔は最大の武だ!]とかすみさんに教えて貰った事がある。なので、これから沢山使う機會があるだろうと思い、高校生になる前から鏡の前で練習をしていた。

「………っ。そんなこと無いわよ。って、いつまでも立ち話なんてしてないで早く帰りましょ。」

雫は俺の顔を見てすぐにそっぽを向いてしまった。

反応も特に……分からなかったし……ダメだったのか?

お母さんとかすみさんには相當高評価だったんだけどなぁー。し自信を無くす俺。

雫はそのままそっぽを向いたまま歩いていってしまった。

「ちょっと待ってよ、雫!」

俺は、下駄箱に沢山れられた部活の勧用紙を全てカバンに無理やりれ、急いで靴を履き替え、小走りで雫の後に続いて學校を出た。

明日からは午前授業では無く、午後の授業も始まる。ようやくちゃんとした學校生活が始まるのだ!すごく楽しみだ。

「ところでだけど、雫は中學校では何部にってたの?」

下校中、唐突にだけど聞いてみた。一応俺の部活決めの參考にするため、という理由だけどそれは建前で雫が高校で何部にるかどうかを確認するためだ。

「……私は中學では式テニス部にってたわ。これでも一応個人戦で全國5位なのよ。それと由香子は私とダブルスでペアを組んでいたのよ。」

「え。すごいな。それだったら雫はテニス部にるの?」

迷う必要なんてない、雫は絶対にテニス部にった方がいいと思う。それに由香子もいるのだったら孤立することはないと思うだろうし。

全國5位まで行ったんだその才能をこれからも活かしてしい。

「……別にいいの。だってテニス部にったら忙しくて優馬と一緒に帰れなくなるかもだし……」

「え、何?」

最後の方は雫の聲が小さくて聞こえなかった。

「………なんでもない。」

そこからし気まずい雰囲気になってしまい、雫は結構早歩きだったのでついて行くのが大変だった。

あ、家に著いてしまった。

「……じゃあね優馬。」

素っ気なく雫は言う。

「あ、うん。それじゃあまた、明日ね。」

雫は手をヒラヒラとさせて歩いて行ってしまった。

俺は門をくぐり抜けて自分の家の中にった。

結局雫は何部にるんだろう?テニス部か?なんか曖昧になってしまった。

テニスはやらないというじだったけど……

うーん、じゃあ雫は何部にるのだろう?

もう、分からなくなってしまった。そのため、俺は考えるのをやめた。

☆☆☆

家の中では、誰にも會わなかった。いつもはお母さんが走って出迎えに來るのに今日は來なかった。

靴は1足だけあったから誰かはいるとは思うんだけど……誰だろう?

あ、かすみさんかな?

でも、かすみさんはほとんどお母さんの傍にいる人だからお母さんがいない=かすみさんがいないと考えてもいい。

ということは……茉優か……?

でも、茉優はまだ學校の時間だろうし……

まぁ、いいや。誰かがいるんだろう。

「ふぅぅ。どうするかなぁ。」

俺は自分の部屋に行き、制服をいで、普段著に著替えてベットにダイブした。

「まずは宿題を終わらして、それから考えようかな。」

俺はゆっくりとベットから重いを起こし、カバンから數學のワークと筆箱を取り出して機に座った。

今日出された課題は多くもないしなくもない。だけど、早めに終わらせておいた方がいいだろう。

數分取り組んだ。

宿題の容は、俺には簡単ですぐに終わってしまった。

一旦頭を整理するためにも宿題をしたのだけど、全然頭を整理することが出來なかった。

俺は無意識に、スマホを取り出して適當にコトダマを開いた。

「そうだ、部活の相談をする人を決めようかな。

確か雫は信頼できる人にしろって言ってたっけな。」

俺に親以外で信頼できる人っているだろうか……

雫を除くとまだいなくないか……?

うーん。

俺は頭の中でこれまで會って話した人の事を思い出していく。

あ、いる。信頼出來て相談できる人がいるかもしれない。

それは大地先輩だ。大地先輩は男だからの子よりも信頼できる。それに、大地先輩は2年生だからもう部活は決まっていてその事について參考に出來そうだ。

そうと決まれば早速連絡してみよう。

俺はコトダマで大地先輩のアイコンをタッチして電話のボタンをタッチした。

一応、初電話だ。

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