《男がほとんどいない世界に転生したんですけど》弁當
久しぶりの家族の団欒の一時を楽しみ、その日は終わった。
茉優とは、なんとも弊害無く普通に話せる様になった。
これなら、今週に雫と出かける時に何を著たらいいか?の服の事について相談することも楽に出來るはずだろう。
俺は朝起床し、朝ご飯を食べにキッチンに降りて行った。
キッチンに近づくに連れて、いい香りがした。 
キッチンにると中學校の制服にピンクのエプロンというなんともくるしい姿で茉優が朝ご飯を作っていた。
「おはよ!お兄ちゃん。朝ご飯出來てるよ!」
俺に気が付いた茉優は笑顔で言ってくる。
朝からこんな満面の笑みを見られて俺は心がポカポカと暖かくなる。今日一日はいい日になりそうだな。そんな気がして來た。
「あれ?今日は朝練は無いの?」
確か、いつも茉優は朝練があって俺が起きて來る頃の時間にはもう家を出ていたはずだ。
「無いよ!これからの朝練は自主練にしたんだ。だから、毎日お兄ちゃんの朝ご飯を作ってあげられるんだよ。」
「本當か!?ありがとな茉優。お兄ちゃん嬉しいよ。」
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そう言って俺は茉優の頭をでる。これから茉優とは家族として流出來るのが嬉しいと思った。
「えへへ!!」
茉優は嬉しそうに頬を赤くした。
例え、好きな相手がいたとしても俺にはただ1人の妹として振舞ってくれるのが嬉しい。
俺は、まだその茉優が好きな男を完全に認めた訳じゃないけど……それはそれ、これはこれだ。
はぁ……それにしても、茉優のご飯をずっと食べ続けられるかもしれない茉優の好きな男を俺は羨ましいと思う。
まだキッチンには俺と茉優しかいない。
お母さんは昨日の仕事疲れが殘っているのか、まだ寢室で寢ているようだ。かすみさんは……うん……分かんないや。
ってそう言えば、時間があんまり無かったんだっけ。今日はし寢坊してしまったのだ。なので、すぐに茉優が作った朝ご飯を食べるため椅子に座り、茉優がテキパキと用意してくれた朝ご飯をすぐに食べる。
今日の朝ご飯のメニューは真っ白の炊きたてホカホカのご飯に味噌の香りがほんのりと漂うワカメの味噌。この味噌は深いコクがありいいダシがとれている。ちょうど良い甘さの卵焼きに、焼き合が完璧な紅鮭。それに漬も程よいしょっぱさで朝の食がない時でもどんどん食べれる。
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そういえばよく考えてみると、俺がいつも食べているご飯ってどれもレストランみたいに本格的で、何より味しいく、口がとろける。
それを中學生である茉優が1人で作っているというのは凄いことだと思う。
茉優の料理の腕だったら、飲食店を開けるかもな。
なんて、想像をしながら今日の朝ご飯を味しくいただいた。
「茉優、今日も朝ご飯、すごく味しかったよ。ありがとう。」とだけ伝えて俺は家を出ようとした。
「──ちょっと待って、お兄ちゃん。確か今日からお弁當が必要でしょ。はい、これ。作っておいたよ。」
茉優がそう言って俺を追いかけて來た。弁當を渡したかったらしい。
そう言えば、今日から普通授業で授業が午後まであるんだ。それで弁當が必要だということを忘れていた。
茉優は弁當箱を渡してきた。
「これって弁當!?ありがとう茉優。大事に食べるよ。」
すごい嬉しい。もうしそうだ。
でも、そんな事を妹の茉優に見せる訳には行かないのでグッとそのを堪える。
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茉優は玄関まで來てくれて「いってらっしゃい、お兄ちゃん。」と言ってくれた。
俺は元気よく「いってきます!」と言って家を出た。
今日の天気は晴れていて気持ちのいい朝だ。
茉優のいってらっしゃいという言葉もあり、俺のテンションは最高まで達している。
「おはよう雫!」
「……おはよう、優馬。今日はやけに元気ね。」
いつも通りに雫は門の前に待っていて俺は元気よく挨拶をした。
俺は久しぶりに妹と話したことを雫に歩きながら話した。誰かに、この嬉しさをしでも共有したかったのだ。
雫は完全に俺の家族の話なのに、靜かに聞いてくれていた。
「……ふーん。優馬には妹がいたのね。」
「うん。茉優って言ってね。まだ中學生なんだけど……」
「……え?茉優?それって確か………………あの?
神楽坂 茉優……のこと?」
「え?雫は茉優の事を知ってるの?」
なんで?俺は疑問に思う。
「……知っているというか、聞いたことがある名前だったから。」
そう言って雫はスマホを取り出し、數秒後に雫はスマホの畫面を俺に見せてきた。
雫のスマホの畫面はあるスポーツニュースだった。
そのニュースには青いサッカーのユニホームを著た茉優が大きく一面に取り上げられていた。
茉優はサッカーボールと金のトロフィーを持ち、仲間達と笑顔で笑っている…寫真だった。
そして大きな文字で大々的に《神楽坂 茉優率いる日本子第8中學が全日本新人大會で日本一に 》 と書かれていた。
「何だこれ……」
茉優がサッカーをやっている事は知っていた。だけど、ここまですごい選手なのは知らなかった。
俺は驚き、揺が隠せなかった。
「……これって優馬の妹さんで合ってるの?
それとも同姓同名?」
「間違いなく俺の妹の茉優だよ……」
どんなに見たって……茉優だった。
「……そうなのね。優馬の妹さん、すごいわね。」
「うん、ほんとだよ。俺も正直驚いてる。」
今日帰ったら茉優と話をしてみようと思った。
それで一緒にサッカーをしてみたいなと思った。元サッカー年である俺はすごくワクワクした。
「……そろそろ時間が危ない。立ち止まってないで早く行こ、優馬。」
「あぁ、うん。そうだね。」
いつの間にか俺は立ち止まっていたようだ。
スマホを見るともう後數分で學校の門が閉まる時間だった。さすがに學校が始まってすぐに遅刻はダメだと思うのでし小走りで學校まで行った。
☆☆☆
晝休み。
「はぁぁっ。疲れたぁな。」
俺は手を上に上げ下げして、授業で固まった筋をほぐした。
ようやく晝休み。弁當の時間だ。 
俺はこの時間を心待ちにしていた。何故なら、この弁當は茉優が作ってくれただがらだ。
俺はカバンから弁當箱を取り出し、機に置く。この弁當は木製のプリントがされているなぁ……なんて思ってたけど、よく見てみると本の木製の弁當箱のようで高級がにじみ出る弁當箱だった。
俺が弁當箱のフタを開けようとした時だった。
「──おーい、優馬。今日、一緒に弁當食べないかい?」
突然聲を掛けられ、びっくりした俺。急いで聲のした方に視線を送る。
「え?って……、大地先輩じゃないですか。」
クラスのの子だと思ったら、予想外の大地先輩だった。
大地先輩は片手に弁當箱を持っていた。
というか全く気がつかなかった。頭の中が茉優が作った弁當の事でいっぱいで周りの狀況が全く摑めていなかったようだ。
「はい!もちろんいいですよ。えっと、ここで食べるんですか?」
「いや、ここだと多くの目があって食べづらいからね。それにあの相談も一緒にしようと思ったんだけど。」
大地先輩はチラッと周りのの子達を見て小さな聲で俺にだけ聞こえるように言った。
周りのの子達は俺と大地先輩が一緒にいるせいか誰も近寄ってこず、俺と大地先輩を熱い目で眺めていたり、隣のの子同士で抱きついてきゃきゃしておそらく俺たちの話をしていたりとさまざまだった。
それでも雫や、夜依とかは普通に弁當を食べていた。興味が無いのだろうか気にしていない様子だった。
相談とは部活のことについての事だ。このことはの子に聞かれてはダメだ。二人っきりで話すついでに弁當を食べるのはいい提案だと思った。
「分かりました。」
俺は弁當箱を片手に持ち立ち上がった。
「じゃあ行くか。」
「はい。」
俺は、大地先輩の後について行った。
☆☆☆
「さっきはすごかったね~~。まさか優馬君と大地先輩が一緒にいる所を見られるなんてね~~」
由香子は興しながら、雫の席まで自分の椅子を持って來て雫の向かいに座った。
中學の時もこんなふうに一緒に弁當を食べていた。
「……そう。別に私は興味無いけど。」
「え~~?何で?毎日優馬君と一緒に登下校してるから~~?」
由香子は、し聲を大きめに言った。クラスの視線が雫に集まる。
完全に嫉妬の視線である。
「……由香子、余り大きな聲を出さないでよ。」
そこまでクラスの人達と関係が築き上がった訳では無い雫は、今の由香子の失言でクラスの人達とのが深くなってしまった。
「うん。ごめんごめん~~。」
まったく、由香子はたまに周りが見えなくなる短所がある。その短所が男の話になるとよく表れる。
いつもは空気の読める良い子なんだけど……
「前から聞きたかったんだけどさ~~優馬君と雫の関係ってなんなのかな~~」
由香子の質問はクラスの人達も聞きたかったようで、クラスがやや靜かになる。
恐らく、さり気なく聞こうと思っているのだけど、雫にはバレバレだった。
別に、言って損のような話でも無いため気にしない事にした雫。
「……そうね、はっきり言った事は無かったね。」
「うんうん~~!聞かせて~~」
一呼吸置き、由香子が落ち著いたのを確認してから雫は話を始める。
「……私と優馬が出會ったのは──」
そこから數分。雫は優馬との出會いを語った。
その話はクラスのほとんどの人間が耳にし、そんな雫と優馬の奇跡的な出會いを羨んだ。
「いいなぁ~~羨ましいな~~」
けた顔で言う由香子。
なんとも、みっともない顔だ。
「やっぱり~~雫は優馬君の事~~気になってるの?」
「……まだ分からない。だけど、つい優馬の事を見ちゃうのは確かね。」
「うんうん~~その気持ち分かるよ~~」
雫の言った事に由香子は共する。
でも、すごくニヤニヤしているのが癪に障るけど……
「でも、雫は優馬君の婚約者候補なんじゃないの~~?」
「……なんでそう思うの?」
「だってさ~~雫と話している時と他のの子と話している時を見比べるとね~、どう見ても態度が違うんだよ~~
他の子と話している時は確かに優しいんだけど完全にけなじで余り楽しくは無さそうなんだよね。だけど、雫と話している時は本音を言ったり、楽しそうで、明らかに心を許しているじがするんだよ~~」
「……そうなのかな?余り変わらないような気がするけど?」
「絶対そうだよ~~だから雫ちゃんは優馬君にとっての特別な存在として認識されつつあるんじゃないのかな~~?」
由香子の言葉を聞き、微だにしないように見せているが、雫の心の中では凄く喜んでいた。
「あれ~~雫ちゃん~~顔赤いですよ~~」
どうやら、嬉しさがれ出してしまったようで、顔が赤くなっていたようだ。
「……っ、そ、それは由香子があんな事言うからでしょっ!」
恥ずかしさを堪えながら由香子を怒る。
「……もう!弁當食べよ!この話はもう終わり!」
これ以上、赤面して恥を曬したくなかった雫は、ほぼ強制的に話を閉じ、自分の弁當を食べ始めた。
「はいはい~~分かったから雫。今日はやり過ぎたよ~~
ほら、雫の好きな弁當の、あげるからさ機嫌直してよ~~」
「……うっ、私が食べなんかで機嫌が直るとでも?」
「ほらほら~~雫の大好の塩コショウたっぷりのおさんだよ~~」
「……っっ!しょ、しょうが無い。今回は許す。
今回だけ、だからね!」
雫はそんなことを言いながら由香子から好をけ取り幸せそうにそれを頬張っていた。
雫ちゃんは、相変わらずチョロいな~~
なんて……由香子は心の中で思ったのであった。 
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