《男がほとんどいない世界に転生したんですけど》部活を決めた。

授業が終わり、次は育の授業の時間だ。

育の時間はすごく楽しみにしていたので、育の日程だけは暗記していた。

確か今日は育測定をするはずだ。

育の前の授業の授業終了のチャイムが鳴った瞬間、俺は教室を飛び出した。

──俺は測定の件で學んだのだ。

クラスのの子達が俺の目の前で、服をぎ始める前に教室を出れば誰の著替えは見ずに済むことに。

…………ふぅ。

なんとかの子達の生著替えを見ないですんだ。

「…………」

いや、俺だって本音は“見たい”だよ。そんな、自ら見せてくれるのならば凄く嬉しいし、興する。

だけど、それはなんかずるいって言うか、俺の恥心が勝てないのだ。

そんなヘタレなのが俺なのである。

はぁ……思うけど。なんで俺の前での子達は著替えるのだろう?それも、隠す仕草は一切せずに、躊躇いもなくぐ。もう、清々しいほどに。

恥心は無いのだろうか?普通は異を見せるのは躊躇うと思うんだけど……

もしかして、あえて見せてるのか?

まぁ……いっか。別に俺は何も悪い気はしてないし、の子達から訴えられたりもしないだろう。

じゃあ、いっか。今の事に気を付けていればこれから何とかやって行けるだろう。

そういう結論に至った俺であった。

それで、男の俺ってどこで著替えるんだろう?教室なんかでは著替えられないし、男子更室とかってあるのかな?

俺は、男子更室を探すor男子トイレで著替えるかで迷ったけど、學校探索も兼ねて男子更室を探すことにした。

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──が、數分必死に探し回ったけど結局、時間も無く男子更室は見つからなかった。

そのため、俺は仕方がなく男子トイレで長袖長ズボンの育著に著替えた。運をしたら熱くなるかもしれないので中には半袖半ズボンも一応著ている。

男子トイレは數が學校にない分、かなり広い造りになっていて利用する人も2人しかいないため新品同様みたいで使い心地がとてもいい。この男子トイレは大地先輩が教えてくれた屋上の次に落ち著ける場所かもしれない。

々と思う所があった授業間の晝休みの時間だった。

☆☆☆

育館には一度行ったことがあったので迷わずに行くことが出來た。

俺が育館に著くと、もうクラスのの子達は既に集まっていて先生も來ていた。

どうやら若干の遅刻かな?

と、思いながら先生に斷り列に並んだ俺。

列にってすぐに、クラスの子達に聲を掛けられた。どうやら、俺の育著姿がとてもカッコよかったそうだ。

お世辭かもしれないけど、なんとも嬉しいことである。

クラス全員が揃ったのを確認した育の先生は、授業を開始させた。

始めのオリエンテーションと育の先生の自己紹介が終わり、今日やる育の容を育の先生が説明した。

今日の育の授業は俺が暗記していた通り、力測定のようだった。

2人1組を作り、握力測定や反復橫跳びなどの育館で出來るものをする。

どうやら今日は力測定の前半で簡単に出來るものをするらしい。

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俺のクラスは40人ピッタリで、今日は休みもいない。そのため、誰も余ることも無く2人1組のペアを組むことが出來る。

さて、俺は誰と組もうか。

俺はクラスの誰とペアを組もうか悩む。

別に誰でもいい。の子と組めるだけで萬々歳だからだ。

だけど、強いて言うのならば、良く知っている子が好ましい。だって、その方が俺もカッコイイ所を見せようと頑張れるしね。

という事なので組みたい人の候補は雫や由香子、夜依と……あ、それと春香かな。

 

って、ペアの事を考えていると、いつの間にかクラスのほとんどのの子の視線が俺に固定されている。

え……なに?

俺はに睨まれた草食のようにけなくなる。だって……視線がまさにのそれだったからだ。

──と、思った瞬間。

「じゃあ、各自ペアを組むように……」

育の先生が唐突にペアを組む時間をスタートさせたと同時に──

「「「「優馬君、私とペアを組もう!」」」」

そりゃ無いぜ……先生。

俺が思った通り、クラスのほとんどの(雫や由香子、夜依などは除く)の子達は一斉に俺の元に群がり、俺を飲み込んで言った。

「ぐっ………っっっ。」

の子達はそれぞれ大きな聲で言う。何とかして自分の存在をアピールしたいのだろう。だけど、いっぱい言われすぎて誰が何を言っているか分からないし、そんな選んでられるほどの余裕は俺には無い。

って……言うか。呼吸がしづらい。 それに、しでも俺にれたいのか知らないけどすごくられてるがする。それに…………押し付けすぎ。マジで……の子の甘い香りと、がやばいッッ。

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俺の本能のスイッチがそろそろ起されてしまう。それはまずい。何とかして、この場から逃れなければ……でも、どうやって?

くっ……どうしようもないのか!?

「────えいっ♪」

そう聞こえた瞬間。俺はの子の集団から救出されていた。

「え!?」

俺は何が起こったのか分からず、驚きの聲を出す。

數秒後にようやく狀況を理解した俺は頭を整理する。

どうやら俺は誰かに助けて貰ったみたいだ。

「大丈夫だった、優馬君♪」

助けてくれた子から聲を掛けられる。でも、その聲のじは聞いた事があった。

「あ……ありがとう助かったよ、春香。」

 

どうやら助けてくれたのは春香だった。

「いやー、優馬君は々と大変だねぇ♪」

ニタニタと笑いながら愉快に春香は言う。

「まぁ、そうだね。でも、まず本當に助かったよ。この借りはいつか返すよ。」

「えへへ♪じゃあさ、その借りを今ここで使って、私とペア組んでよ♪」

お、おぉ。このでその権利を使うのね。

「あ、うん。いいよ。組もうか。」

春香ならばペアを組んでもベストなプレーを行う事が出來ると思う。俺が組みたかった候補にもっていた訳だし。

それに、早々にペアを組まないと俺のに危険が及びそうだった。それぐらいの凄みと覚悟が何故かクラスのの子達からはじられたのだ。

どうやら、俺の判斷は正しかったようで俺がすぐに春香とペアを組まなかったら、正直何をしでかすか分からなかった。

の子の本能って……怖いんだね。

心の中でそう恐怖した俺であった。

「やったぁっ♪」

春香は周りの目も気にせずに大喜びする。

腕を大きく掲げ、ガッツポーズだ。

俺で良いのなら全然いいんだけどさ……

春香が大喜びしている中、俺とペアを組めなかった周りのの子達は悔しそうにしていた。恨めしそうに春香を見る子もいた。

えっと……俺のせいで不仲になるのはやめてしいな……ちょっと、これからのクラスの事を心配する俺だった。

「じゃあ、早速力測定をしょっか、優馬君♪」

春香はノリノリで言う。でも、目は真剣で何かの競技のアスリートみたいだ。

「OK、じゃあ行こうか。」

春香となら、最善なプレーが出來そうな気がする。

そんな気がした。

☆☆☆

俺と春香は2人で力測定を開始した。

まずは準備だ。

俺は春香と一緒にを押してばしたり逆にばしてもらったりと、真剣にを慣らす。

………っ。

うん。春香は至って真剣だ。表を見ればそれは分かる。

こんなにも春香は真剣なのに、俺はこんな邪な気持ちになっては行けないという事は分かっている。だけどこれはしょうが無いのだ。

春香は目の前でをいっぱいいっぱいばす。準備には大切な事だ。だけどその分のラインとか谷間とか々な部分が見えてアウトだし、目のやり場にものすごく困る。

それに、2人でをする時だって、無意識に春香が自分のを俺の背中に押し當ててきたりとかもしてくるのだ。それに、距離が本當に近い時は春香のスポーティな香りが鼻を刺激してくるし……

もう、耐えるしかないのだ。顔が真っ赤になってしまうのは気付かないでしいと願うだけだ。

俺はドキドキしながらを続けた。

しして、ようやく準備が終わり、これでやっと力測定に取り組める。

でも春香とのなどで相當神力と集中力、力を使用したためベストを盡くせるかが正直不安である。

でも、後悔は無い。そう思えるほどの私服の時間だったからだ。

よし……まず、切り替えよう。

今回の力測定では時間効率を考え、ペア同士空いている方に行って各自で測定するようにとの事だ。

2人で相談した結果、まずは握力測定をする事にした俺と春香。

握力測定なんてかなり久しぶりだ。確か俺はあんまり握力は強く無かったんだよなぁ。あの時は、サッカーばっかりやっていたらな。

こればっかりは仕方がないと毎回許容してたっけ。

育の授業の時や部活の時とかなどにカッコイイ所を皆に見せられたらめちゃくちゃモテるんじゃないか!

……なんて単純な事を考えていた、まだかった俺は家でコソコソとお母さん達にバレないように腹筋、腕立て、スクワットなど自分で考えられるトレーニングを毎日コツコツと継続して長年やってきていた。今ではシックスパックで中々のいいを作れたと思ってる。

的には部活をガツガツやっていた全盛期ぐらいはあると思う。あくまで予想だけど。

「いくよ。」

俺は春香に合図をして握力測定を本気で握った。

うおらァァァッッ!!!

心の中でめっちゃくちゃんだ。

その方が力が出る。

……ピピッ。

結果は男子高校生の平均ぐらいの數字だったけど、俺的には新記録だった。

 「おー、優馬君すごい力だね♪」

俺の結果に春香はそれなりに驚いていたようだ。近くで見ていたの子達の反応も同じようなものだった。

あれ……もしかしてだけど、この世界の価値観では男って運が出來ないのかな?

まぁ、確かにケガをしないようにとかで俺もそこまで運をさせてくれない。部活だってそうだ。

だから家でコソコソとトレーニングをやっていたのだ。

そう考えると、男は運をしなくなる=運音癡になる、という結論に至るのか。

春香は俺に対して更に好度を上げたようでデレデレになったような気がする。

次に反復橫跳びだ。反復橫跳びはサッカーにも使えるきなので転生する前も今もそれなりに頑張っていた。

一応自信はある方だ。で、結果は転生する前よりし多く回數が出來ていた。疲れているはずなんだけどなぁ。

俺の結果は他のの子よりも圧倒的に良く、俺の結果を見ての子達は驚きの表を浮かべる。

でも、俺から言わせてもらうとこの結果は當たり前である。まず、男とでは運能力に差がある訳だし。俺みたいに鍛えてもないだろうし。

「春香、お疲れ。」

俺は反復橫跳びを今終えたばかりで息を切らしている春香に聲を掛ける。

「うん……もうクタクタだよ♪」

若干汗だくになりながらも春香は言う。

「あ、そうだ。これ使ってよ。」

そう言って俺は持ってきていたタオルを春香に渡す。

「え?どうしたの……これ♪」

「俺が予備で持ってきてたタオルだよ。良かったら使ってよ。」

俺が使ったやつなんて死んでも渡せないしな。

予備を持ってきて置いて本當によかった。

「ありがとう♪大切に使うよ♪」

春香はタオルに顔を埋め幸せそうな表を浮かべる。嬉しそうでよかった。

──あ、そうだ。

春香の笑顔をみて、俺はいい事思い付いた。

「春香、ちょっといいかな?」

2つの力測定が終わり、クラスの皆の測定が終わるまでの時間、暇になった。その時を見計らって俺は春香に聲を掛けた。

「ん、何かな、優馬君♪」

「俺はこれからは育の授業の時にペアを組むってなった時は、春香と組みたいんだけど、いいかな?」

「え………………っと?すごく唐突だね、私はとーっても嬉しいんだけど、一どういう風の吹き回しなのか

な♪」

「えっと………ね。春香とペアを組んだ方が楽しいかなーって思ってさ。」

これからペアを組む時とかに、いちいちの子に襲われそうになるのは怖いからね。

もう、ペアを作るという約束をしておけばいいのだ。

「ありがとう、優馬君。すごく嬉しいよ♪」

春香は顔を真っ赤にさせながら言ってくれた。斷られたらどうしようかと思ったけど、了承してくれてよかった。

そんなこんなで、心拍數がんな意味で上がりっぱなしな育の時間は終わったのだった。

☆☆☆

放課後。

俺は事前に渡されていた部活用紙を持ち、奈緒先生のいる職員室に向かった。

部活を決めたので今日は部活用紙を提出しに來たのだ。

俺の部活用紙は誰にも書くところは見られてないし、誰にもる部活は言ってない。

なので、奈緒先生から前に言われた事は大丈夫だろう。俺もこの部活にるのだったら真剣にしたいしな。

俺は職員室にり奈緒先生の機の前まで行った。

奈緒先生の機はやはりで溢れかえっていて、仕事の大変さが伺える。

やっぱり先生という職業って大変なんだなぁ。でも、やりがいがあるんだよなぁ。なんて思った。

「奈緒先生。ちょっといいですか?」

「あ、優馬君。ちょっと待ってね。ここまでで區切りがいいから。」

奈緒先生はババっと手際よく何かの書類を書いていてとても大変そうだった。

數秒待って「お待たせしました。」と言って奈緒先生は俺の方を見た。

「今日は部活を決めたので部活用紙を提出しに來たました。」

そう言って俺は部活用紙を奈緒先生に手渡す。

「えっと期限は來週までだけど……いいの?もうし、悩んでくると思いましたけど。」

「はい。正直、すごく悩みました。だけど、やっぱり俺はこの部活がしたいんです。もう決めた事です。」

俺はキッチリと言い切る。

「そうですか……でも、勿論この部活ではマネージャーになるんですよ。それでも構わないんですか?」

「はい。大丈夫です。」

「それと、最後に。この事はにしましたか?もし、誰かに話してしまったのならばこの部活の事は再思考になってもらう事になるんですけど?」

「はい。誰にも言ってませんよ。」

の子や家族は勿論、大地先輩にも相談をしただけで部活の名前とか特徴とかの報は一切らしていない。なので、俺が何の部活にるかは誰にも分からないはずだ。これは斷言出來る。

「そうですか。分かりました。それでは、この部活の顧問の先生に説明をしてきます。」

「何から何までありがとうございます。」

俺はちゃんとお禮を言う。

「!?……ふふっ。」

それが、何だかおかしかったのか、クスッと口元を手で押さえながら笑う先生?

「え?何か俺、しましたか?」

先生の仕草を見て揺する俺。

「いえ、ごめんなさいね。何だか私が知っている男のイメージがあなたを見ていたらおかしく思えてしまえてね。」

そうなのか?じゃあ改めてこの世界の男について考えてみると、男ってこういう事すらしないのか?挨拶とか謝とかは人間としての基本だぞ!?

この世界の男(大地先輩を除く)に若干、失した俺。

「では、さようなら奈緒先生。」

「はい。さようなら優馬君。気を付けて帰ってくださいね。」

俺は奈緒先生に頭を下げて職員室を出た。

「ふぅ……」

俺は大きく息を吸い、吐いた。

やっぱり俺はこの世界でも“サッカー”がしたいんだな。沢山迷った、先輩にも相談した、見學もしだけど隠れてした。だけどやっぱり……俺はサッカー部なんだよなぁ。

なんかね、毎日ボールを蹴らないと無にボールを蹴りたくて蹴りたくてしょうが無くなる。

サッカーを心から大好きな人あるあるだ。

いくら、マネージャーで試合に一切出れなくたとしても通常練習とかでしはボールがにれる機會があるはずだ。

俺はボールを蹴れさえすればいいのだ。

転生する前のようなガチでは無い。この世界で青春を謳歌すると心に決めてからはサッカーよりも青春を優先させるのだ。

悩みから開放された俺は開放に見舞われていた。

今から部活が楽しみだ。

俺はそんなことを考え、若干の笑みを零しながら、雫の待っている教室に戻ったのだった。

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