《男がほとんどいない世界に転生したんですけど》子バンク
小林さんの後をついて行き、何回かの厳重な扉を潛り施設の奧へ奧へと進む。
その道中でだけど、小林さんから名刺を貰った。
その名刺には小林さんの電話番號や、この施設の電話番號などその他よく分からない電話番號が々と書いてあった。
まぁ、使う事は多分無いだろうけど一応保存しておくか……
途中で職員の人とすれ違ったが………なんて言うんだろう。対応が普通だった。まるで転生する前の男比が平等だった時かのように……
「…………………?」
だってこの世界は男がほとんどいない世界。
なので普通、男を見るとの人は興味深々な目で見てきたり、的な目で見てきたりと何か大きな反応を見せるのが普通だった。
だけど、この施設に限ってそれは無かった。
「えーっと、やっぱり気になりますか?」
「えっと?何が……ですか?」
「疑問の顔をしていらしたので、どうして“男の自分に會ったにも関わらずは普通でいられるのか?”と思っているのかと思いまして………」
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え、バレてた?
「…………はい。そうですね。そう思ってました。」
「やっぱりそうなんですか。
初めてここに來る男の人の殆どは、そう質問してくるんですよ。
それで疑問に答えますと、ここで働いている職員は近に男の人がいるんですよ。
夫、父親、叔父、兄弟、従兄弟、親戚、クラスメイトなど々です。つまり、ここのは男に対してある程度の耐があるんです。男の人と會ったぐらいでは揺しない程度には……ですけど。」
だからここの職員の人達は俺に対しても平常心を保っていられたのか……
「へぇー。なるほど。」
「はい、そういう耐が無いとこの施設で働く事も許されないんですよ。」
ほぉ……
じゃあ、俺と関わった人達で男に揺しない人ならばこの施設で働けるということか。
「この施設で働ける人はないですけど、その分就職出來ますし、収もいい方なんですよ。更に1番重要視されるのは耐なので學歴などもあまり気にしないでいいんです!これがすごい事ですよね。」
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へぇ……じゃあ、男と関わっていれば利點しかないという事か。まぁ、この世界の男は酷い事をいっぱいしそうだし、そのお詫び?みたいなものなのか?上手い合にそのシステムができてるんだな。
「私にも弟がいるんですけど、そのおかげでここで働く事が出來ています。落ちこぼれの私を救ってくれたんです。い頃は々と酷い事もされましたけど、今となっては謝というもあるんです。」
しだけ悲しそうに言う小林さん。
「そういえば優馬さんにも妹さんがいるんでしたっけ?」
「あ、はい。いますよ。」
「神楽坂さん……あなたは心優しい青年です。恐らく妹さんも大事にされているんでしょう。」
「ええ、勿論。」
「なら、いいんですけど。不幸にだけはしては行けませんよ?1度離れてしまった心は二度と修復しませんから。」
「えっと……はい。肝に銘じときます。」
俺は素直に従った。
でも、茉優と心が離れる?そんな事はまず起こらないだろう。
「長話をしてしまいましたね?すみません。」
「いえいえ、黙って歩いててもつまらないだけでしたので……」
「そうですか、なら良かった!」
會ってまだ間もないけどこの人とは長い付き合いになりそうだと思った。何となく……何となくだ。
「それでは説明を行っていきますね。それなりに大事なルールなのでしっかり聞いておいて下さい。」
「はい、了解です。」
俺の了承を確認した後、小林さんが説明を始めた。
まとめるとこうだ──
・男は1年に12回以上子を提出しなければならない。つまり1ヶ月に1回。
・男の子は年金のようなもので提出をしないと國から警告があり、それを無視し続けると罰金や強制徴収などがある。←注意が必要。
・子は一定量、つまり12回以上の提出から、その量に応じてのお金がもらえる。
・これは、が盡きるまで行わなければならない。
・これは男としてのやらなければならない最大の義務だということ。
「…………………わかりましたか?」
「はい。大わかりました。」
覚えるのもがそれなりに多いし、忘れてはならないものもある。しっかりと頭の中にれておかなければ……
「なら、今からここの施設の場所の案をいたします。私の後ろに付いてきてくださいね。」
「はーい。」
なんか、旅行とかで案をしてくれるガイドさんと客みたいな覚で俺と小林さんは進む。
そうだ!この施設の人ならちゃんと答えてくれるかもしれない。
「──やっぱり男ってに當たりが強いのって當たり前なんですかね?」
「うーん。まぁそっちの事の方が多いですね。
ですから神楽坂さんのような男はからモテまくりますし、國からの評価もものすごく高いんですよ。いつか國のお偉いさんから聲がかかるかもですね。」
俺は転生したから価値観が違う。なので初めから強気にはなれなかったし、自分がすごいのだと優越にも浸らなかった。
そう考えると、大地先輩は凄い。
男だからと言って決して調子に乗ってないし、強気な態度も取らない。の子を無下にも扱わないし……差別もしない。
そう考えると、大地先輩はすごいのだと分かる。
「さて、そろそろ目的地に到著しますよ。」
「そうですか。」
ふぅ……隨分とデカイ施設なんだな。
茉優にマッサージをしてもらって今は歩けているが、疲労は完全に抜けてはいない。気を抜かないように気を付けて歩かなければな。
そんなことを思いながら、一際大きい扉を抜けると、數人の職員が何か顕微鏡などを見たり、ビーカーを使っていたり、注でなんかをしていたりと、しだけ怖い実験を行っているような場所に來た。
「ここは、國の最重要研究施設です。
ここで男についての研究をしているんですよ。ここで世紀の大発見、大発明をすればこの世界は大きく変わるかもしれませんし、とにかくすごい施設なんです。それで、私もたまにここで研究をしています。ここで功すれば、國民栄譽賞なんて貰えたりもするんですよ!」
へぇ……じゃあ、この研究施設は未來への希なのか。すごいものを見れたな。
「頑張ってください。俺、応援するんで。」
「はい。その言葉だけで勇気を貰いました。では行きましょうか。目的地はここの隣ですから。」
そう言って、隣の部屋に移する。
隣の部屋と言っても、それなりに距離はある。
その道中で隣の部屋の簡単な説明をする、小林さん。
「次の部屋は職員でも清掃か男に呼ばれた時くらいでしかることが出來ない特別でデリケートな部屋です。」
そう短く説明し、今まで通ってきた中で1番頑丈そうな扉の前まで行く。
「それでは、行ってらっしゃいませ。この部屋には誰もいません。それに部屋は完全防音、監視カメラもありません。プライバシーは保護されていますので……」
「へぇー。そうなんですか…………?」
それってどういう事なんだ?と思いながら部屋にった。
小林さんは著いては來なく、頑丈な扉が閉じられた。
「んーと?何ここ……」
至って普通の部屋…………
「…………!?」
普通の部屋だと思ったら……全く違う。どう見てもこの部屋はおかしい。
俺は部屋の中心まで頭を抱えながら進み、部屋全を見渡す。
「はぁっっ………」
大きなため息と共に近くにある棚に綺麗に整頓されて置かれている1冊の本を手に取る。
パラパラとページをめくる。
「──うぅ。これってやっぱりエロ本じゃんっ……」
そう、この部屋はエログッズがいっぱい置いてある部屋だった。種類は様々、どんな癖でも満足できるように大量にある。○○○や○○○○などの、えぐいものもあった。
「何なんだよ?この部屋は!」
すぐに部屋を出て、小林さんに文句を言ってやろうと思い扉の方に歩いていくと、扉に何かのポスターがってあった。
「…………………いやいや、何でちっちゃいの子の水著ポスターなんてってるんだよっ。」
それは中學か?いやそれよりも下か?
そのぐらいのロリロリの小學生ぐらいのの子が際どい水著を著ていて々とモザイクなポーズをしていた。
これって?何?全く意味が分からないんだけど。
それに、どういう趣味なんだよ!? 
かなり特殊な癖の持ち主という事か?
「ガガガ………神楽坂さん聞こえてますか?小林です。この部屋には慣れましたか?では、簡単な説明をします。」
この聲……小林さんか、この部屋にれないと言っていても放送は出來るのか。
「それでは、説明が書かれた紙を部屋にれますから見てみてくださいね。」
そう小林さん言って放送は切れた。
放送が切れて5秒後くらいにガゴっと天井が開き紙とのようなものが降ってきた。
「え、何この?何に使うんだ?」
はタッパーのような開け閉めが簡単にできるで、全が黒く塗られていて中には何もっていなかった。
この容の使い方とかその他諸々がよく分からなかったのでとりあえず紙に目を通す。
紙には4つのことだけ書かれていた。
・ここは男が自ら子を出すための神聖な、そして特別な場所。
・提出が遅れたりしている男はここに強制送還される仕組みになっている。その時は子を提出するまで出るのことは不可。
・この部屋にあるものは好きに使ってくれて構わない。だが壊すのは止。もし壊したら弁償。
・自分の趣味を共有するのは有り。
「は?なんだよそれ?」
じゃあこのって……俺のをれるなのか!?
「えっ……や、やだよ。恥ずかしいし、俺はそういうことはしたくない。」
それに趣味の共有が有りって絶対にこのポスターは誰かの趣味って事になるじゃん。
そう思うと、気持ちが悪くなる。
「ガガガ………一通り紙に目を通しましたか?
今日は施設の紹介でしたので子を提出して貰う必要はありません。今、鍵を開けましたので、いつでも出てきてくださってOKですよ。」
そう小林さんは言って放送が切れた。
「ふぅ……出よ。」
俺はすぐに部屋を出た。なんか、この部屋に居続けると変な気持ちになりそうだったからだ。
「おかえりなさいませ。どうでしたか?」
放送が終わってすぐ部屋から出たはずなのに、もう既に小林さんが待っていた。
「えっと、神的に疲れますね。」
「そうですか、でも義務なので慣れてくださいと言うしか職員の私には言えません。」
「はい……」
俺は恥ずかしかった。そういう話は今まで誰ともしてこなかった。だから尚更に。
「では、本日の日程は全て終了です。お疲れ様でした。」
「はい、ありがとうございました。」
そうお禮を言って俺は小林さんと別れた。
そして、お母さんとかすみさんがいるところに戻った。
お母さんは長椅子で睡中のようだった。
その隣にいたかすみさんが俺に気付き、立ち上がる。
「えっと…………お母さんは?」
「お母様は疲れてしまい寢ています。結局、男は現れませんでした。」
「そうですか。」
いらない報だな。
俺は睡中のお母さんをおんぶする。おんぶをしても起きないなんて相當深い眠りだ。
「帰りましょう。」
「わかりました。」
エレベーターに乗り、駐車場の車まで戻り、お母さんを車に乗せ俺も乗る。
ふぅ……しんどかったな。
今日は、々と男は大変なんだなぁと実出來る日だった。
 
「寢よ……」
現実逃避のため、俺はお母さんの隣で眠りにつく。
もやや疲れていたし、神も疲れていたので案外早く眠りにつけた俺であった。
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