《視線が絡んで、熱になる》episode3-6
一瞬、遅れてしまったのかと固まったが
「お疲れさまでーす」
「お疲れ様です」
涼の軽い挨拶を聞いてそうではないことを悟りほっとをでおろした。
男が二人、が一人、それぞれコの字に並べられている長機に腰かけている。彼らと正面になるように琴葉と涼がパイプ椅子を引いて座る。
涼は三人と仲がいいようで(三人とも二十代に見える)他のない會話をしだけするとすぐに琴葉に目を向ける。
目が合った瞬間、小さく頭を下げた。
「今月から営業第一部に配屬になりました、藍沢と申します。よろしくお願いいたします」
「はじめまして。僕は企畫に來て三年目の藤宮です」
「はじめまして、私は去年から企畫で働いています。武藤朱里です」
「こんにちは、丸井です。僕も去年から企畫に異してきました。でも今年で8年目なのでこの中では年長者かな」
それぞれが挨拶をする。若いように見えたけど丸井が琴葉よりもずっと年上だということに驚く。
藤宮は縁なし眼鏡が印象的な知的そうな男で、武藤はおっとりしているように見える癒し系のだ。そして丸井は涼と似たような雰囲気を持ったイケメンだった。
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軽い挨拶をして、本題にった。
「理道の件はメールした通りです。次回までにある程度企畫案を提示したいなと思っていて」
「そうですねぇ、今回の新ブランドの件ですが…価格設定的に年齢層は高めなんですよね」
「ええ、理道の擔當者は30代以降と言っていました。ただし別や年齢に囚われないブランドを意識しているとのことです」
武藤が唸ってキーボードから手を離した。おっとりした雰囲気から一変して急にぴりつく雰囲気を纏う。
「商品コンセプトを見たんですが…ちょっと象的だなぁ。特にニーズです。ここがふわっとしているとこっちとしてもやりにくいんですよね。あと技面ですね、新ブランドと言っても、他社と差別化できないといけないと思うんですよね。その辺ってどうなってますかね?」
琴葉はメモを取りながらなるほど、と心の中で頷いた。クライアントに対して商品の口出しをするのではなく、あくまでもクライアントの意向を汲み取って広告を作っていく必要がある。しかし、意向を汲み取るということが意外にも難しいことを知った。本當に自分は理道の意向を汲み取ることが出來ているのだろうか。
一時間半の打ち合わせはあまりにも報量が多く終わる頃には一日分の力を消費した気分だった。
「…あぁ、疲れたね」
「そうですね。すみません役に立たなくて」
「営業初めてなのにいきなり俺よりも仕事してたら驚くって」
涼は得意の爽やかな笑みを琴葉に向ける。
それでも強張る顔がほぐれることはない。
結局、企畫の方には予算やどういったで広告を打ち出していくのが効果的か、市場向調査をお願いした。
また企畫部の意向もあり制作部との打ち合わせもれていくことになった。
午後からはまた別の打ち合わせがあり、気づくと既に19時を過ぎていた。
…―…
…
「お疲れ、はいこれ、コーヒー」
「ありがとうございます!」
殘業をしている最中、涼がコトン、とデスクの上に自販機で買ったコーヒーを置く。琴葉はすぐにお禮を言った。
制作との打ち合わせの資料作りをしていた。隣の涼は驚くほど速いスピードで資料を作っていく。
涼がくれたコーヒー缶を開けて飲みながら一休みをする。
(…そういえば、不破さんはどうしているのだろう)
気になってマネージャーのデスクへ目を向けると何やら電話をしているようだった。
「マネージャー?に何か用だった?」
「い、いえ!」
「そうなんだ。不破マネージャーはいつも忙しいのに全然顔に出さないよね。普段帰宅するの遅いのに昨日は早く帰ったよなぁ。なんでかな?」
「…」
不思議そうにそうつぶやく涼の言葉を聞こえなかったフリをしてパソコン畫面に集中した。
(…今日は、自分の家に帰っていいんだよね)
無に柊のあの優しい聲をしている自分がいた。
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