《視線が絡んで、熱になる》episode0-2

と、言ってもただ勉強しているだけで何もないのだが。

柊自も、専門書を読みゼミの発表に備えるため勉強をする。

と、ようやく彼が顔を上げた。疲れたのか、首を左右にストレッチするようにばし、背びをした。

新たなきに凝視してしまいそうになるが、よく考えると彼の行はいたって普通なのだ。

「…はぁ、」

小さな聲を出して參考書類を相変わらずデカいリュックへ詰める。

詰め終わると、柊の方を見ることなく帰っていく。

その日から柊は時間があれば彼の近くで勉強するようになった。

合コンの日も、飲み會の日もそれらを斷ってまで彼の近くで彼を観察しながら勉強する。

よく考えなくても、自分の行は意味不明だし下手をすると“ストーカー行為”と認定されそうなのにも関わらず、それでも彼について知りたいと思うようになった。

それだけではない。あの微妙な距離の中、勉強する空間が好きだった。

居心地がいいとはこういうことを言うのか、と思ったくらいだ。

一週間が過ぎた。

流石にほぼ毎日、柊が近くに座ってくることに疑問を持たない彼が鈍を通り越して人間としてのあるべき覚がないような気がして心配した。

この日は、あえて彼の目の前に座った。

傍から見ると、付き合っていると思われるだろう。しかしそんなことはどうだってよかった

それでも彼はこちらを見ようともしない。

(俺のこと、見えてないのかよ)

そう思ってしまうほど、彼は柊には興味がない、いや、自分以外の人には興味がないようだった。

どうしても會話をしてみたくなった柊は、わざと消しゴムを彼側に転がした。

「…あれ、」

「すみません、それ、俺のです」

コロコロと転がっていくそれは彼のノートの前で止まった。

が顔を上げた。

初めて目が合った。彼は想像していた以上にかわいらしい顔をしていて、分厚い丸眼鏡の奧に覗く驚きに満ちた瞳が柊のそれと絡む。

意外に高くて可い聲をしていた。

「…これ、あなたのですか?」

(そりゃそうだろ、しかも今俺そう言った)

と、思ったが顔一つ変えずにそれをけ取った。

「ありがとう」

「いえ」

しかし、そういうと彼はまた顔をノートへ向けて勉強を始めた。

明らかにこの広い図書館で、個人スペースも開いているし他の機もガラガラなのに彼の前に座る自分をおかしいと思わないのか不思議でしょうがなかった。

一向に琴葉の視線の先には柊はいないようで、でもこの時間が楽しみになりつつあった。

が変わったのは、これからさらに數週間が経過してからだ。

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