《視線が絡んで、熱になる》episode6-5
個室へ戻ると、涼も鎌田も、幸も隨分酔っているようで皆が最初と比べられないほど聲も大きく楽しそうに顔を綻ばせている。
涼が柊と琴葉が戻ったのを確認すると隣に座った琴葉に耳打ちをした。
「長かったね?」
「いえ、別に」
濁すがもしかしたら涼は琴葉と柊の関係を知っているのかもしれないと思った。
勘のいい彼のことだ、ある程度理解したうえでの発言ととらえた方が納得がいく。
「不破さん遅かったですね」
「ええ。藍沢が調悪そうだったので」
「そうなんですか?大丈夫ですか」
幸の顔が琴葉へ向けられて咄嗟に笑顔を作った。
上手く笑えているか後で涼に聞きたいくらいだ。
「大丈夫です。全く問題ありません!」
「そうですか。無理なさらないようにしてくださいね」
心配してくれているのが伝わってくる口調に嫉妬している自分が小さくじた。社會人としても、幸の方が何段も上にいるようだ。個人的なに流されるようではだめだ。
「じゃあ、そろそろ締めますか~」
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鎌田の聲に、そうですね、と幸も相槌を打つ。鎌田を先頭にぞろぞろと個室から出ていくのを確認しながら最後に殘った琴葉は、忘れがないかもう一度チェックする。
涼が會計はやってくれているだろうから、最後のチェックをして店のり口まで向かう。
ちょうど涼がカードを出して會計をしていた。
「すみません、ありがとうございます」
「ううん。だって會社用のカード、持ってないでしょ?」
「持ってません」
「多分もうししたらもらえるよ。ただし、私用は止だけどね。當たり前だけど」
茶目っ気たっぷりにそういうと、琴葉に柊は店の前にいることを教える。
琴葉はとりあえず店を出る。すると、そこには鎌田の姿はなく、何故か幸と柊だけが立っていた。
二人とも何やら親し気に話している。
柊が琴葉に気づくと、すぐに駆け寄ってきた。
「あの、鎌田部長は?」
「飲みすぎたようで、今タクシーを拾って帰った」
「そうですか…」
「調は大丈夫なのか」
「大丈夫です」
(橋野幸さんと柊さん…どういう関係なのだろう)
柊が私を挾まないことは知っていた。知っていたが、あの幸の柊に向ける目はただの仕事関係者へ向けるそれではない。涼が戻ってくると、幸が再度お禮を言った。
「実は、これから二次會に行こうかなって思ってまして。あ、経費申請なしですよ!個人的に、です」
幸の提案に、涼と琴葉の瞼が大きく見開かれる。
帰れる、と思ったのに二次會があるとは思ってもいなかった。時間を確かめると、21時を過ぎていた。
涼が「わっかりましたー!じゃあ、今から店探してみますね」と言ってスマートフォンを鞄から取り出した。
「あ、そうだ。藍沢さんは…調悪そうだったら無理しないで帰ってくださいね。二次會なので」
「…いえ!大丈夫です!」
行きたいか行きたくないか、そう問われれば確かに行きたくはない。しかし、柊と幸が行くというのにこのまま帰るわけにはいかない。
柊が仏頂面で琴葉を見下ろし、言う。
「ダメだ、帰れ。調が悪いのならば尚更だ」
「…っ、い、嫌です。行きます。これも仕事です」
「だから二次會は経費申請しないんだから仕事じゃない。プライベートだ」
「だから!…行きます…」
「まぁまぁ、琴葉ちゃんが帰れなくなりそうなら俺、送りますから」
琴葉の頑なに帰宅しないという選択を柊は嫌がっている様子だった。それが幸と一緒にいたいという意思表示なのでは、と思い苦しくなる。
し前までならば、一緒にいてご飯を食べ、抱かれて…それで幸せだったのに。
人はをすると、強になるのかもしれない。
涼が電話をした店は、近くのバーだった。
琴葉にとってそれは初だが、話を聞くと琴葉以外は皆、結構行っているようで話にっていけないであろうことはわかっていた。
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