《視線が絡んで、熱になる》episode9-5
♢♢♢
「おはようございます」
次の週に出社すると何やら廊下が騒がしい。一瞥して営業部のフロアへ行く。
「だから!見たのよ!不破マネージャーと…!!」
途中、柊の名前を耳にしたが何かあったのだろうか。
気にしないで自分のデスクに來ると既に出社していた奏多と涼が目を輝かせて言う。
「先週、不破マネージャーと一緒に帰りました?手繋いでいた二人を見たって人がいて」
「っ…」
「あらら~意外にバレるの早かったな」
「え、涼さん知ってたんですか!」
「智恵さんも知ってましたよね?」
「ええ、バレバレよ。そんなこともわからないようじゃまだまだね」
琴葉抜きで勝手に盛り上がる現場。立ち盡くす琴葉に視線が集中する。
他の部署の人たちからの視線も同様だ。
「えっと…それは、その」
社は悪いことではない。しかし突然のことに頭がついていかない。
琴葉が言葉を濁していると柊が出社してきた。
「おはよう。藍沢、これ忘れ」
「おはようございます。はい…って、え?!」
普段通りに出社した柊が琴葉の脇を通り過ぎる際に、自宅に腕時計を忘れていたようでそれを皆がいる前で平然と手渡す。
「不破、マネージャー…」
顔を引きつらせながら、名前を呼ぶと「なんだ」と不機嫌そうな聲が返ってくる。
「あの!琴葉さんと付き合ってるんですか?!」
奏多の好奇心と野次馬がり混じる表でそうぶように言う。
どうしてか琴葉ではなく柊に聞きたいようだ。
柊は、鞄をデスク下に置くと顔を変えずに言った。
「付き合ってる。何か問題でも?」
「いえ!みんなが噂してたんで」
「そうか。付き合ってる。私を挾むようなことはしないから安心してくれ。以上」
「…はい!」
涼がニヤ付きながら親指を立ててウインクをした。
どういう顔で返したらいいのかわからないから、數回頷いた。
柊は何一つ困ってなどいない様子だし、それがどうした、という顔をしている。一気に注目の的になったことに関しては想定外だし困ることもあるが、柊が自らの口からそう言ってくれたことが何よりも嬉しかった。この部署で仕事もも頑張っていきたいと強く思った。
「よーし、今日は朝から理道に行くよ」
「はい、資料もばっちりです」
「流石だね~」
涼と會話をした後、柊に目を向ける。絡まる視線に心臓が早鐘を打つ。
彼の視線の先にも、自分の視線の先にもお互いが映っている。
これからも、ずっと。
END
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