《異世界戦國記》第二十二話・包囲と藤左衛門家
「お、おい。あれって…」
「織田軍だ…。織田軍が攻めて來た…」
「う、氏興様もいるぞ!」
「縛られていると言う事は、負けたのか?」
「ひ、ひぃ!」
那古野城から俺と氏興の姿を見た留守兵たちは氏興が負けたと言う事と俺が目の前まで來ていることを知り恐怖と混に陥っていた。
「絶対的な能力の持ち主がいなくなった途端この様か」
「仕方ないだろ。あんたは強すぎたからな」
なんてったって一人で戦線を崩壊させるんだからな。戦場で最も會いたくない敵だよ。味方ならこれほど心強いはないが。
「…で?どうするんだ?このまま降伏してくるのを待つか?」
「ああ、とは言え敵もそう簡単に降伏はしないだろうからな。信康、半分を率いて城の周りに防陣地を築け。城門の所を厚くしろよ?」
「はっ!」
俺は長期戦に備えて敵を包囲する陣形の作を命じた。何も城全を囲む必要はない。そうなれば萬単位で兵が必要だがそんな兵力を俺は保有していないし現狀千しかいない。故に城門付近を固め敵が城から出られないようにして包囲する。
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「…通安。ここの指揮は任せた。俺は百を率いてここを離れる」
「…殿はどちらへ?」
「決まっているだろう?藤左衛門家の吸収だ」
藤左衛門家の當主織田良頼は現在那古野城にて捕まっており藤左衛門家の保有する三つの城ではそれぞれ良頼の息子の良宗、頼伴、信繁が熱田城、古渡城、笠寺城に籠りにらみ合っていた。特に長男でありながら庶民の出故に後継者から外された良宗と次男で後継者とされた頼伴が激しく爭っていた。
そんな狀況の中、俺は良宗でも頼伴でもなく、笠寺城の織田信繫の元を訪れていた。同じ織田一門で弾正家の當主である俺を信繫は快く迎えれてくれた。
「わざわざ某の様な者のところまで足を運んでいただき謝します」
対等に座る俺に信繫は軽く頭を下げる。どうやら律儀な格の様だな。
「単刀直にお聞きします。藤左衛門家の當主となるつもりはありませんか?」
俺の問いに信繫は目をつぶり黙ってしまう。しして、目を開けた信繫は口を開く。
「當主になりたくない、と言えば噓になります。某とて武士の端くれ、當主になり家を継ぎたいと思ってはいます。しかし、藤左衛門家の當主は父織田良頼で嫡男は兄織田頼伴です。これは変わる事はありません」
無理だったか?と俺が心で思っていると「ですが」と信繫は続ける。
「この戦の世で突然死ぬ事も多いですし分家の者が當主となる事もあるでしょう」
…ほう、どうやら信繫も戦國世の武將と言うわけか。
「我々は五百を率いて兄頼伴に援軍に行くつもりです。既に話は通してあります。更に信秀殿が援護すると分かれば良宗も焦りましょう。先ずは良宗を叩きます」
「分かった。俺も微力では協力しよう」
ふう、上手く行ってくれて良かった。最初は良宗でも頼伴でも良かったんだが噂があまりにも酷くてな。良宗は戦下手で嫉妬深く頼伴も戦は下手ではないが民を顧みずに重稅を課しているようだ。特に良頼が捕まってからがひどすぎる。それに加えて癖も酷いのであまり近づきたくはない。その辺もあって信繫もそうであったら遠慮したがダメな兄を二人持ったことで有能な三男となったわけか。これならこちらの策も上手く行きそうだな。これからが楽しみだ。
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