《異世界戦國記》第二十八話・戦後処理

「弱い…弱すぎる…」

氏興は地面に倒れ二つに分かれた良宗の死骸を見る。本陣から逃げようとしていた良宗を見た氏興は敵兵にい構わずすり抜けるとあっという間に本陣にたどり著き持っていた刀を投げたのである。結果は良宗に當たり崩れ落ちた。それを確認した氏興は呼びの刀を取り出し本陣の兵を殺しながら迫り首を取ったのである。

しかし、氏興はあっという間に死んだ良宗に興味をなくし良宗の頭を刀で差すと掲げてんだ。

「織田良宗、討ち取ったぞぉ!」

しかし、周りに人がいなかったため空しく響くだけであった。

それでも良宗の撤退命令は既に本陣の兵に伝わっておりまた、撤退を指揮できるものは氏興が殺したり接近に伴い個々で逃げていたりするため良宗軍は事実上崩壊した。

これにより現狀良宗軍と頼伴軍は崩壊、両武將とも死亡したため藤左衛門家を信繫が継ぐこととなる。勿論良頼には緒だ。とは言え一部家臣が騒いだりしたため現狀當主不在と言う事で當主代理となり正統後継者となる事だけが決められた。

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また、今回藤左衛門家の騒解決の手助けをしてくれたと言う事で弾正忠家に良宗が所有していた熱田群が弾正忠家のとなった。

信繫と信秀が約束については重臣たちの反発もあり屬國と言う立場で落ち著いた。

藤左衛門家の騒を解決した信秀は信繫の兵五百を連れて二千の兵で那古野城へと向かった。那古野城は既に千の兵で包囲されておりくにけない狀態であった。更に氏興の敗北もあり那古野城の士気は低く信秀の降伏勧告だけで落ちそうなほどになっていた。

そんな狀態の所へ信秀が率いる二千の兵が現れた事で那古野城の士気は崩壊。信秀の降伏勧告に従い那古野城は無開城される事となったのであった。

那古野城に捕らえられていた織田良頼に今川氏。ほかにも連歌會に參加していた者たちは解放されそれぞれ帰路についていた。良頼と氏を除いて。

「ようやく戦後処理か。長かったな」

俺は那古野城の一室で呟く。実際那古野城から逃げてきてからすでに五日くらいは経っているからな。普通戦でもそこまでかからないからな。俺はこれから氏と良頼と今後について話し合う。現狀氏が領有していた稲沢城に羽鳥城は信友の手に落ちている。那古野城の兵も半分以上がいない。せいぜい二千が限界だろう。藤左衛門家はもっと酷い。良宗、頼伴が率いていた兵のほとんどがいなくなり信繫が保有していた兵と降伏した兵の合計千しかいないからな。今後苦労することになるだろう。

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俺も被害はけたが両家ほどではない。その兵の被害の殆ども氏興だからな。よくよく考えるとあいつは化けか何かか?たった一人で百近い兵を殺しそのまま軍を崩壊させ大將を討ち取る。…信康がいなければ今頃俺も氏興の手柄となっていたのか…。恐ろしいな。

「殿、準備が出來たようです」

「分かった。直ぐに向かう」

小姓の言葉に返事をして俺は立ち上がり評定の間へと向かう。そこには既に集まっていたようで今川家から氏と氏興が、藤左衛門家から信繫と良頼がそれぞれ出席している。対する俺は一人だ。護衛として信康や利昌、信晴が外で控えているが渉するのは俺だけだ。俺は用意された席に座る。今回は全員対等と言う事で上座も下座も用意はされていない。それじゃあ茶番・・を始めようか。

まず口頭を切ったのは俺だ。

「氏殿、良頼殿ご無事で何よりでした」

「ええ、今回は大変お世話になり申した」

「…」

まずは氏と良頼の無事を祝うが氏は普通にお禮を言うが良頼は何も言わずただただ俺を睨みつけていた。それも仕方がないか。自分が幽閉されている間に嫡男と長男は死に三男の信繫が當主となり俺の支配下にってしまっているんだからな。

「さて、都合上某が司會を務めるが問題ないですな?」

「無論です」

「…ああ」

二人は頷く。両者とも幽閉されており解決させたのは俺だからな。

「さて、まずは今回の元兇である今川氏興についてですが…何か意見はありますかな?」

俺はまずは氏興の処遇について話し合う。すると真っ先に氏が意見を出した。

「私としては即刻首を刎ねるべきです。我が今川家のみならず他家にまで害を及ぼしたのです。斬首が妥當でしょう」

「某も賛だ」

の言葉に良頼が肯定する。二人とも氏興によって捕まっていたからな。それも仕方がないか。そう思っていると信繫が意見を出してきた。前に話し合った通りに頼むぞ。

「私としては斬首は賛しますがそれは當家で行わせていただきたい。氏興によって當家は尋常ではない被害をけている」

確かに良頼がいきなり捕まった事で良宗が當主の座を狙い現狀未來が安泰の頼伴は領民から大量の稅を取るなどの暴走があったからな。

「當家も同じである。それに氏興は當家の人間。の処罰はで行います」

「いや、それでは死んでいった者たちに示しが付きません」

の言葉に信繫が反対し言い爭いに発展しそうになっている。よし、予定通りだ、信繁。そこへ俺がりゅしゃを宥め間にる。

「まあまあ、両家とも氏興が憎いのは承知しております。それで、どうでしょう?氏興は當家が預かりましょう」

「なっ!そんな事は許されない!氏興は當家で処罰する!」

俺の言葉に氏は反論する。黙っている良頼も俺の意見には反対の様だ。しかし、

「…分かりました。信秀殿の意見に従いましょう」

「なっ!?」

まさかの言葉に氏は驚愕する。まさか了承するとは思っていなかったのだろう。まあ、信繁は最初からこちらの指示に従っているからな。

「信繫…、どういうつもりだ?」

「どうもこうも藤左衛門家は弾正忠家の傘下にっているのです。主に従うのは當然でしょう?」

流石に我慢できなくなったのか良頼が信繫を睨みつける。それに対し信繫は臆することなく自分の意見を言う。氏は藤左衛門家が俺の傘下にっていることを知らなかったのか驚愕しているがその隙に俺が続ける。

「それでは當家で氏興殿は預からせてもらいます。では、次に參りましょう」

俺は多強引だが氏興の話を終わらせ次に移った。氏は何か言いたそうだが俺は無視した。氏には悪いがあんたには既に発言権はないのでな。

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