《異世界戦國記》第四十三話・驚愕

結局あの後夜通しで城の改修を行った。その結果いろいろな問題が浮上してきた。例えば櫓が微妙に傾いていて偏っている方に人が行けばそのまま崩れるくらいには傾いていた。

これはまだいい方で酷いところだと城攻めの際に崩れたのか機能を果たさずに瓦礫の山となっている塀や埋まって行き來できるくらいになっている堀、更には歩くたびにきしむ城で所々床が抜けて下半が床に埋まってしまっているものもいた。これではちょっとした遊園地だ。命の保証はなく北には殺そうと襲ってくる侍がいる。…直ぐに潰れそうだなそんな遊園地。

とまぁ、そんなところに寢泊まりなどできないので総出で改修をしている。しかし俺は重臣を集めて今後の展開を話し合っていた。

「ここに信康を大將として三千の兵を置く。俺は五百の兵を率いて信友に止めを刺してくる。土岐軍は確かに退けたがその兵には斎藤利政の兵はいなかった。最悪の場合斎藤利政が攻めてくる可能もある。十分に注意せよ」

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「「「「「ははっ!」」」」」

重臣たちは俺の言葉に頷いた。

城の改修もあり翌日に出発すると言ったがそれを取り消して五日の猶予を持たせることにした。ここまで兵は戦い漬けでそろそろガス抜きが必要だからな。付近の農村から食材を買いあさりちょっとした宴を開くことにした。厳格な宴ではなく多の無禮講も許し酒を振る舞い食事を提供した。俺も足軽の者たちを軽くだが見て回った。こんなことが出來るのは俺が未來から來た記憶があるからだろう。

そして日が明けるまで騒いだ俺たちは十分に休憩をとり翌日から城の改修を再開した。酒の量もそこまでではなかったため二日酔いになる者もおらず作業は順調に進み四日目は再び休憩を取らせ五日目に城を出発した。その間俺は忍びを通して信繫との連絡を怠らなかった。あちらも城を囲んでいるが目立った事は起きていないそうだ。俺は合流してから城攻めを行う事を伝え兵に休息を取らせるように伝えた。

北進した時とは違い今回は余裕をもって進んだため北進の時よりも倍以上の日數が経ったが無事に清州城に到著することが出來た。俺は到著すると直ぐに信繫と會った。

「現狀はどうだ?」

「前回の報告通りきは恐ろしいほどありません」

信繫の言う通りのようだな。兵の間に慢心が広がりつつあるからな。

「某も気を引き締めさせているのですが城を囲んでから全くと言っていいほど反撃をする様子がないのです」

「信友が城を捨てて逃げたという可能は?」

「某もそう思い既に調べさせています。信友は自室にこもっておりその姿も確認させています」

「ふむ、俺たちが撤退するのを待っているのかそれとも何か手が殘されているのか…」

「しかし手を組んでいたと思われる土岐軍は既に退けたのでしょう?それならもう手は殘されていないと思うのですが」

「…土岐家だけ・・と手を組んだわけではないとしたら?」

「…まさか!」

「申し上げます!」

俺がそう考え信繫が何か気付いた時であった。伝令兵が相を変えて本陣にって來た。旗から見て信繫の所だろう。

「三河より松平清康が攻めてまいりました!その數凡そ五千!現在笠寺城を包囲しております!」

やはり東だったか!織田家は現在全軍を用いて信友を追い詰めている。その為他家からの介があれば簡単に崩れるほどになっていたがその前にケリをつけるつもりだったが今では土岐家に攻められ今も松平家から攻められている。なぜこんな事になったのか。そう思っていると更に伝令兵がって來た。

「申し上げます!北部より斎藤利政の兵が攻めてまいりました!その數大よそ三千!」

「西部より伊勢の豪族たちが攻めてまいりました!その數大よそ六千!」

計一萬四千の大軍勢が攻めて來たと言う事か。対する此方は五千…。三倍の兵を相手にしろと言うのか。これが信友一人の謀略なら恐ろしいな。三河、伊勢、濃を巻き込むとはもし俺が倒されてもお前が前ほどの権威を手にれることは不可能だぞ。信友!

俺は心の中で信友を罵倒した。最くの狀況を想定しながら。

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