《異世界戦國記》第六十二話・勝幡城攻防戦~決戦4~
追い風が織田家に吹いているのをじる。このままいけば晴を討ち取る事だって出來るだろう。そうなれば確実に連合軍は崩壊するしそうでなくても晴の本陣が崩れれば必ずそうなる。
「ハッハッハッ!信秀殿!無事かぁ!?」
「忠政殿!」
大男に張り付く氏興を中心に兵がく現狀でさらに頼もしい味方がやってきた。水野忠政だ。勝幡城の南側で敵と戦していたはずだが抜いてここまでやってきてくれたのだろう。この場においては突出した力を持つ者はとても頼りになる。
「忠政殿は晴を討ち取ってしい!こっちは氏興を援護する!」
「任せろ!さっさと討ち取ってやるぞ!ハッハッハッ!」
忠政殿は豪快に笑ってさらに奧の方へと向かって行く。俺はそれを見送る暇もなく刀で近くの敵兵を切りつける。あまり武勇はない俺だが雑兵程度に負けるほど弱くはない。一人、二人と切り捨てていくがそれ以上に敵兵が襲い掛かって來る。どうやら氏興を殺すより大將を討ち取る方を優先する兵が多いようだ。それはそれで厄介だがここは正念場だ。なんとしても氏興の支援をしないと……!
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「殿!これ以上は持ちません!」
「耐えろ!ここで退けば俺たちの負けは決定するんだ!なんとしても耐えるんだ!……ぐっ!」
「殿ぉ!」
俺はんでいる最中に刀で切りつけられうめき聲をあげた。幸い左腕を淺く切られた位だが運悪く甲冑がない場所であった上に雑兵の刀がボロボロだったようで切れ味の悪いノコギリで一太刀浴びせられたような形になって凄く痛い。
切りつけて來た兵は周囲の味方が倒してくれたが劣勢には変わりない。むしろ負傷兵が増えている為最初よりも悪化している。
そう思った時だった。遂に氏興の方できが起きたのだ。氏興に首を絞められていた大男が遂に膝をついたのだ。顔を見れば青くなっておりが巡っていないのが分かった。口からは泡を吹き目は白目一歩手前になり抵抗する力も殘っていないのか両腕はだらんとなっている。
「ぐ……ぅぅ……」
「中々良かったぞ大男!今楽にしてやるよ!」
意識もないであろう大男に氏興はそう言うと力を更に込めた。ゴキ!と言う音と共に大男はうつ伏せに倒れ込んだ。首をへし折ったようで大男は白目をむいたまま二度と立ち上がる事はなかった。
「し、茂康様……」
「噓だろ……」
大男が死んだことで北畠兵の間に揺が広がっている。中には剣をその場に落としてしまう者もいた。ちらりと忠政殿の方を見れば晴を守る兵と戦しているが直ぐにでも首を落とせそうな勢いがあった。
つまり今は反撃の機會であり北畠軍を瓦解させるには打ってつけと言う訳だ。俺はそう考えると大聲を上げた。
「敵の大男は今川氏興が討ち取った!我が兵たちよ!あとしだ!もうひと踏んばりである!」
「「「おおぉぉぉぉぉっ!!!」」」
俺の聲に周囲の味方は最後の力を振り絞る。どうやら敵の大男は北畠家の中でも有名で、指揮を保つのに一役買っていたのだろう。圧倒的に數が多いのにも関わらず本陣から逃げだす兵が見える。それも徐々に多くなっており近いうちに本陣としても保つ事はできなくなるだろう。
それを抑えられる晴は忠政殿と相対してそれどころではない。指揮を行える兵がいない北畠軍は目に見えて瓦解していく。俺も左腕を庇いつつ刀を振るっていく。痛みは不思議とじなくなっていった。アドレナリンが大量に出ているのだろう。戦いが終わったら痛みで倒れそうだな、とじつつ俺も兵を切り捨てていく。
約一時間後、勝幡城付近に伊勢連合軍の姿はなく、勝幡城には堂々と織田木瓜の旗が翻るのだった。
【1章完】脇役の公爵令嬢は回帰し、本物の悪女となり嗤い歩む【書籍化&コミカライズ】
公爵令嬢のアサリアは、皇太子のルイスに婚約破棄された。 ルイス皇太子が聖女のオリーネに浮気をして、公爵令嬢なのに捨てられた女として不名譽な名がついた。 それだけではなく、ルイス皇太子と聖女オリーネに嵌められて、皇室を殺そうとしたとでっちあげられて処刑となった。 「嫌だ、死にたくない…もっと遊びたい、あの二人に復讐を――」 処刑される瞬間、強くそう思っていたら…アサリアは二年前に回帰した。 なぜ回帰したのかはわからない、だけど彼女はやり直すチャンスを得た。 脇役のような立ち振る舞いをしていたが、今度こそ自分の人生を歩む。 「たとえ本物の悪女となろうと、私は今度こそ人生を楽しむわ」 ◆書籍化、コミカライズが決定いたしました! 皆様の応援のお陰です、ありがとうございます! ※短編からの連載版となっています。短編の続きは5話からです。 短編、日間総合1位(5/1) 連載版、日間総合1位(5/2、5/3) 週間総合1位(5/5〜5/8) 月間総合2位
8 66【電子書籍化】退屈王女は婚約破棄を企てる
☆2022.7.21 ミーティアノベルス様より電子書籍化して頂きました。 「婚約を破棄致します」 庭園の東屋で、フローラは婚約者に婚約破棄を告げる。 ほんの二週間前、「婚約破棄してみようかしら」などと口にしたのは、退屈しのぎのほんの戯れだったはずなのに――。 末っ子の第四王女フローラは、お菓子と戀愛小説が大好きな十五歳。幼い頃からの婚約者である公爵家の嫡男ユリウスを、兄のように慕っている。婚約は穏やかに続いていくはずだった。けれど、ユリウスが留學先から美しい令嬢を伴って帰國したその日から、フローラを取り巻く世界は変わってしまったのだった――。 これは、戀を知らない王女と不器用な婚約者の、初めての戀のお話。 *本編完結済み(全20話)。 *番外編「婚約者は異國の地にて王女を想う」(全3話)はユリウス視點の前日譚。 *番外編「『綺麗』と言われたい王女と『可愛い』と言いたい婚約者」(全3話)は本編から約2ヶ月後のフローラとユリウスを描いた後日譚です。
8 132【電子書籍化決定】わたしの婚約者の瞳に映るのはわたしではないということ
わたしの婚約者を、わたしのものだと思ってはいけない。 だって彼が本當に愛しているのは、彼の血の繋がらない姉だから。 彼は生涯、心の中で彼女を愛し続けると誓ったらしい。 それを知った時、わたしは彼についての全てを諦めた。 どうせ格下の我が家からの婚約解消は出來ないのだ。 だからわたしは、わたし以外の人を見つめ続ける彼から目を逸らす為に、お仕事と推し事に勵むことにした。 だいたい10話前後(曖昧☆)の、ど短編です。 いつも通りのご都合主義、ノーリアリティのお話です。 モヤモヤは免れないお話です。 苦手な方はご注意を。 作者は基本、モトサヤ(?)ハピエン至上主義者でございます。 そこのところもご理解頂けた上で、お楽しみ頂けたら幸いです。 アルファポリスさんでも同時投稿致します。
8 76チート能力を持った高校生の生き殘りをかけた長く短い七日間
バスの事故で異世界に転生する事になってしまった高校生21名。 神から告げられたのは「異世界で一番有名になった人が死ぬ人を決めていいよ」と・・・・。 徐々に明らかになっていく神々の思惑、そして明かされる悲しい現実。 それら巻き込まれながら、必死(??)に贖い、仲間たちと手を取り合って、勇敢(??)に立ち向かっていく物語。 主人公の嘆き 「僕がチートって訳じゃない。眷屬がチートなだけ!僕は一般人!常識人です。本當です。信じて下さい。」 「ご主人様。伝言です。『はいはい。自分でも信じていない事を言っていないで、早くやることやってくださいね。』だそうです。僕行きますね。怒らちゃうんで....」 「・・・・。僕は、チートじゃないんだよ。本當だよ。」 「そうだ、ご主人様。ハーレムってなんですか?」 「誰がそんな言葉を教えたんだ?」 「え”ご主人様の為に、皆で作ったって言っていましたよ。」 「・・・・。うん。よし。いろいろ忘れて頑張ろう。」 転生先でチート能力を授かった高校生達が地球時間7日間を過ごす。 異世界バトルロイヤル。のはずが、チート能力を武器に、好き放題やり始める。 思いつくまま作りたい物。やりたい事をやっている。全部は、自分と仲間が安心して過ごせる場所を作る。もう何も奪われない。殺させはしない。 日本で紡がれた因果の終著點は、復讐なのかそれとも、..... 7日間×1440の中で生き殘るのは誰なのか?そして、最後に笑える狀態になっているのか? 作者が楽しむ為に書いています。 注意)2017.02.06 誤字脫字は後日修正致します。 読みにくいかもしれませんが申し訳ありません。 小説のストックが切れて毎日新しい話を書いています。 予定としては、8章終了時點に修正を行うつもりで居ます。 今暫くは、続きを書く事を優先しています。 空いた時間で隨時修正を行っています。 5月末位には、終わらせたいと思っています。 記 2017.04.22 修正開始 2017.02.06 注意書き記載。
8 61異世界に転生したので楽しく過ごすようです
俺は死んだらしい。女神にそう告げられた。しかしその死は神の手違いによるものだと言われ、さらに生き返らせてあげるとも言われた。 俺は、元いた世界ではなく、楽しく生きたい為だけに剣と魔法の世界を望む。すると何を思ったのか女神は、面倒なスキルと稱號を俺に渡して、転生させた。 あの女神は絶対に許さん!いつか毆ってやる! 俺はそう心に誓い、旅を始める。 これは、剣も魔法も有る世界に転生した男の苦労と苦悩と沢山楽しむ話である。 ※主人公の名前は出てきません。お話の最後あたりに出る予定です。 小説家になろう様でも投稿をしています。そちらもよろしくお願いします。 ※追記 第186話にて主人公の名前を出しました。
8 101転生したらロボットの中だった(ただし、出る事はできません)
自分が目覚めたらわけわからない空間にいた。なんか半身浴してるし、変な聲聞こえるし……更には外が囂々してる。外の様子がわかるようになると、なんと魔王と勇者が最終決戦してた。その場にいる自分ってなんなんだ? って感じだけと、変な聲の話では二人の戦闘でこの世界がヤバイ!? 止めなくちゃ――と動き出す自分。それから事態はおかしな方向に進んでいくことに!?
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