《異世界戦國記》第六十九話・濃攻め

答えを出した俺は直ぐに教景に伝えた。しかし、俺がれると思っていたのか「ほっほっほ、予想していた通りですな」と笑っていた。食えない爺さんだ。

その後、教景が返って一月くらいすると朝倉家がき出した。その數はおおよそ三萬。今の織田家の総兵力を軽く超える軍勢だ。流石は大國朝倉家と言った所か。対する斎藤家は六千の兵を向かわせている。戦力差は五倍だ。加えて、指揮を執っているのはあの教景さんだ。簡単に、とは言わないが斎藤家が勝てるとは思えないな。

朝倉家の様子を見てこちらも準備を行う。既に斯波義統の下には使者を送っている。清州城を直接統治する彼だが織田家との戦力差ははっきりしている。よほどの事でもない限り無下に扱ったりしないだろう。

「殿、義統様より書狀を預かってきました」

使者として出向いた道安が書狀を差し出してくる。中を確認すれば『守護家を蔑ろにする斎藤利政を討伐せよ』と書かれている。何処まで本気で言っているのか分からないがこうして書狀としてもらった以上お墨付きは貰えた。

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俺は水野家に聲をかける。『共に濃に攻めないか?』と。それに対する水野家、というか忠政殿の答えは『行くぞ!』とだった。領土拡大先がない水野家としては絶好の機會なのだろう。それと、藤左衛門家は留守だ。今川がいてもいい様に備えさせておく。今川家が本気で攻めてくればひとたまりもないだろうがそれはこちらも分かっているし何より尾張の勢力を全部足しても兵力差は埋まらないだろう。

織田信安に聲をかけるかは悩んだが結局聲をかける事はせずに待機を命じた。従屬している訳でもない獨立勢力の彼らを連れて行っても不測の事態に対応できない可能がある。それならかないでいてくれた方が助かる。

そうしてこちらが用意した兵力は織田家六千に水野家二千。留守を守っている斎藤家四千の兵の二倍だ。そして、斎藤利政は朝倉家との戦いをするべく北部に向かっており稲葉山城には息子である高政が指揮を執っているらしい。この高政、かなり暗愚らしく父である利政に大分冷遇されているようだ。その為、実質的に四千の兵の指揮を執るのは留守に日野弘就や不破治などの若い家臣たちらしい。

「若手を置いて老將と共に朝倉家を迎え撃つか……。これはいけるな」

俺は現在の斎藤家の様子を聞いて確信した。とは言え敵が防に回られれば斎藤家が戻って來る可能がある。そうなれば織田家と言えど負ける可能がある。迅速に、確実に倒さないといけない。その為には最短で濃、特に稲葉山城への道を作らなければいけない。

「殿、先ずは加納城を全力で落としましょう。ここを落としておかないと後々厄介になります」

俺は主だった家臣を招集し軍議を開いている。先程、その様に進言したのは林道安だ。彼が差す加納城は濃の國境部に位置する城で加納衆と呼ばれる國人衆が収めている。斎藤利政とはほぼ対等な関係にあり南からの、つまり俺たちから侵攻を防ぐ役割を與えられていた。それだけ彼らの防衛能力は高いのだろう。こちらから濃に攻めった事は無い為分からないが確実に濃攻略のカギになりそうな城だな。

「それから、稲葉山城より東の土田城の城主土田政久殿からは書狀を預かっています」

「書狀だと? 一何なんだ?」

正直敵の増援として來られては厄介、程度の位置にいる彼が俺に一何ンお様なのだろうか?そう思いつつも広げた書狀にはとんでもない事が書かれていた。

容は俺に従う旨が書かれており濃侵攻時には挙兵し稲葉山城を攻撃すると書かれていた。更にその際に発生する功績は全ていらないと書いており、本領安堵をしてくれれば問題ないと書かれている。ここまで・・・・なら特に問題ない、むしろし主張が小さい人だなで終わる。しかし、次に書かれている容がそれを帳消しにしていた。

『なお、某がこの通りにく條件として我が娘を貴殿の側室においてしい』

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