《異世界戦國記》第七十二話・加納城落城
黒田城に到著した翌日、六千と六百の兵で俺たちは加納城を包囲した。加納城を領地とする加納衆は八百ほどの軍勢で篭城を決め込んでいる。予想よりないがその理由は直ぐに分かった。
「迎え撃て!」
「「「おおぉぉぉぉぉぉっ!!!」」」
佐久間信晴の言葉に従い兵たちが迎撃を開始する。加納城の東側に生い茂る林より三百ほどの兵が出てきたのだ。恐らく城の兵と共に挾撃を狙ったのだろう。しかし、員できると予想した兵數をはるかに下回る兵しかいないのならどうくのかある程度予測できる。
その結果、三百の兵は奇襲すら上手く行かずに東側で指揮を執っていた佐久間隊五百に返り討ちに遭ったのである。それと同時に城攻めが始まり門に木製の破城槌が打ち込まれている。その破城槌のきを阻害しようと城壁や城から矢が降り注ぐが破城槌は天井があるため上からの矢は防げる。城壁からの矢はこちらも矢を放つ事で撃てないようにしている。
加納城は古い城で門はそこまで強固ではない。その為十回ほど打ち付けると元の方が持たずに門が側に倒れ込んだ。門を抑えていた兵が下敷きになるが門の上から織田家の兵が踏みつけて圧死させていく。門さえ破る事が出來れば後は楽だ。加納城は城壁が一つしかない為門の側にれば後は野戦と変わらない。數で勝るこちらが有利だ。
Advertisement
実際、攻城戦を始めてから僅か數時間で加納城は落城した。加納衆の大半は討ち死にし、生き殘りは捕虜となり尾張に移送する。彼らは普請や城の改修で労働する事になるだろう。売りに出さないだけありがたいと思ってしい。戦國時代は意外と人売買が橫行している。あまり詳しくは知らないがあの上杉謙信だって行っていたらしいからな。というか敵に塩を送るの語源の人だけどあれだって塩が高く売れるから行っていたらしいしな。
そんな訳で加納城を奪い取った事は土田政久にも伝わるだろう。今は夜の為兵はこのまま休ませる。明日か明後日に出発し稲葉山城への攻撃を行う。今回の戦で百人程が死んだがそれでも數の差は大分ある。稲葉山城への攻撃前には忠政殿も到著するだろうし數の差は覆らないだろうな。
「兄上! 某の活躍は見てくれましたか!」
「ああ。凄く活躍してたな」
信康は気づいたら城攻めに參加していた。信康は本陣の手前、中衛の位置にいたはずなのに破城槌を打ち込んでいたし門が倒れた時には一番乗りしていた。そして信康は加納衆十人ほどの首を取り雑兵もその倍は討ち取ったとの事だ。信康から自信満々に言われた時は正直ドン引きした。半ば信康の家臣になりつつある林道安も呆れたのかため息を吐いていたな。
「明日には出陣するだろう。今のうちに寢て英気を養うといい」
「はい! そうします!」
信康はそう勢いよく返事をして出て行った。加納城は六千もの兵がれる程広くはない為稲葉山城などからの奇襲を防ぐ目的も兼て加納城の周りに兵が配置されている。信康も自軍の陣地に戻っていくのだろう。
しかし……、前哨戦とは言え加納城の城攻めは案外早く終わったな。この調子で稲葉山城も落とせればいいんだけど……。四千の兵で籠ったままらしいしし不気味だな。俺としては利政の息子、高政が兵を引き連れてやって來る可能も考えたがそう言うきは一切なかったようだし。高政は稲葉山城に籠って決戦を避けているのか?分からないが兵數的にも油斷はだな。明日、改めて家臣たちに伝えないとな。
そして、斯波軍含む織田信秀率いる約六千の兵は稲葉山城に到著した。その翌日、水野忠政率いる二千の兵も到著した。その結果、稲葉山城東に展開していた土田政久率いる五百の兵と合わせて総勢八千五百の兵が半包囲する形となるのだった。
そんな織田軍に対して、斎藤家にきはなかった。
【書籍化・コミカライズ】竜神様に見初められまして~虐げられ令嬢は精霊王國にて三食もふもふ溺愛付きの生活を送り幸せになる~
魔法王國フェルミ。 高名な魔法師家系であるエドモンド伯爵家令嬢ソフィアは、六歳の時に魔力判定でゼロを出したことがきっかけで家族から冷遇される日々を送っていた。 唯一の癒しはソフィアにしか見えないフェンリルの『ハナコ』 母にぶたれても、妹に嫌がらせを受けても、ハナコをもふもふすることで心の安寧を保っていた。 そんな彼女が十六歳になったある日。 ソフィアは國家間の交流パーティにて精霊王國の軍務大臣にして竜神アランに問われる。 「そのフェンリルは、君の精霊か?」 「ハナコが見えるのですか?」 「……ハナコ?」 そんなやりとりがきっかけで、何故かアランに求婚されてしまうソフィア。 家族には半ば捨てられる形で、あれよあれよの間にソフィアは精霊王國に嫁ぐことになり……。 「三食もご飯を食べていいんですか?」 「精霊國の皆さん、みんなもふもふ……幸せです……」 「アラン様と結婚できて、本當によかったです」 強制的に働かされ続け、愛も優しさも知らなかった不器用な少女は、精霊王國の人たちに溫かく見守られ、アランに溺愛され、幸せになっていく。 一方のフェルミ王國は、ソフィアが無自覚に國にもたらしていた恩恵が絶たれ崩壊への道を辿っていて……。 「君をあっさり手放すなぞ、エドモンド家は判斷を誤ったな。君の本當の力がどれだけ凄まじいものか、知らなかったのだろう」 「私の、本當の力……?」 これは、虐げられ続けた令嬢が精霊國の竜神様に溺愛され、三食しっかり食べてもふもふを堪能し、無自覚に持っていた能力を認められて幸せになっていく話。 ※もふもふ度&ほっこり度&糖分度高めですが、ざまぁ要素もあります。
8 135魔滅の戦士
悪魔。それは人間を喰い、悪魔の唾液が血液に入った人間は感染し、悪魔になる。ある日突然家族が悪魔に喰われた少年は、悪魔を殺すために、戦士へとなった。少年は悪魔を滅ぼし、悲しみの連鎖を斷ち切ることが出來るのだろうか?
8 66異能があれば幸せとか言ったヤツ誰ですか??
理系の、理系による、理系の為の異能バトル。
8 95雪が降る世界
高校一年生の璃久は両親に見捨てられた不治の病をもつ雙子の弟、澪がいる。偏差値の高い學校で弓道部に入り、バイトもたくさん。どれだけ苦しくても澪には言えるはずもなく。そして高校生活に慣れた頃、同級生の瑠璃に會う。戀に落ちてしまうも瑠璃はつらい現実を背負っていた…。 他方、璃久は追い討ちのごとく信じられない事実を知る──
8 149女神の加護を持つ死神
主人公は女神に、自分の知らぬ間になってしまった神が掛かってしまう持病を治すさせるため異世界へと転移させられる……はずだった。 主人公は何故か異世界へ行く前に、神の中でも〝最強〟と言われている神の試練を受けることになってしまう。その試練の間で3人(のじゃロリババアと巨乳ロリと人工知能)を仲間に迎えることとなる。 仲間と一緒にさあ異世界という気持ちで行った異世界では、先に來ていた勇者の所為でほとんど地球と変わらないという現実を見せられてしまう。 女神には「魔王とか魔神とかいるけどー、勇者いるし倒さなくて良いよー」という感じで言われていたので、〝最強〟の神へと成り上がった主人公には満足出來る様な戦闘という戦闘は起きない。 ーーそして思ってしまった。 「もう好き勝手にやっちゃって良いよな」と。 それで生まれてしまった。 ーー後に死を司る〝黒の死神〟と言われることに ※現在不定期更新中です
8 143じゃあ俺、死霊術《ネクロマンス》で世界の第三勢力になるわ。
「お前は勇者に相応しくない」 勇者として異世界に召喚された俺は、即行で処刑されることになった。 理由は、俺が「死霊術師/ネクロマンサー」だから…… 冗談じゃない!この能力を使って、誰にも負けない第三勢力を作ってやる!! ==================== 主人公『桜下』は十四歳。突如として異世界に召喚されてしまった、ごく普通の少年だ。いや、”だった”。 彼が目を覚ました時、そこには見知らぬ國、見知らぬ人、見知らぬ大地が広がっていた。 人々は、彼をこう呼んだ。”勇者様”と。 狀況を受け入れられない彼をよそに、人々はにわかに騒ぎ始める。 「こやつは、ネクロマンサーだ!」 次の瞬間、彼の肩書は”勇者”から”罪人”へと書き換わった。 牢獄にぶち込まれ、死を待つだけの存在となった桜下。 何もかもが彼を蚊帳の外に放置したまま、刻一刻と死が迫る。絶望する桜下。 そんな彼に、聲が掛けられる。「このまま死を待つおつもりか?」……だが牢獄には、彼以外は誰もいないはずだった。 そこに立っていたのは、一體の骸骨。かつて桜下と同じように死を遂げた、過去の勇者の成れの果てだった。 「そなたが望むのならば、手を貸そう」 桜下は悩んだ末に、骨だけとなった手を取った。 そして桜下は、決意する。復讐?否。報復?否、否。 勇者として戦いに身を投じる気も、魔王に寢返って人類を殺戮して回る気も、彼には無かった。 若干十四歳の少年には、復讐の蜜の味も、血を見て興奮する性癖も分からないのだ。 故に彼が望むのは、ただ一つ。 「俺はこの世界で、自由に生きてやる!」 ==================== そして彼は出會うことになる。 呪いの森をさ迷い続ける、ゾンビの少女に。 自らの葬儀で涙を流す、幽霊のシスターに。 主なき城を守り続ける、首なし騎士に。 そして彼は知ることになる。 この世界の文化と人々の暮らし、獨自の生態系と環境を。 この世界において、『勇者』がどのような役割を持つのかを。 『勇者』とは何か?そして、『魔王』とはどんな存在なのか?……その、答えを。 これは、十四歳の少年が、誰にも負けない第三勢力を作るまでの物語。 ==================== ※毎週月~土曜日の、0時更新です。 ※時々挿絵がつきます(筆者ツイッターで見ていただく形になります)。 ※アンデッドが登場する都合、死亡などの殘酷な描寫を含みます。ご了承ください。
8 105