《異世界戦國記》第七十九話・加納口の戦い5
「うむ、頃合いだな」
稲葉山城最南端を守る妻木広忠はそう呟くと兵に指示を出す。すると鏑矢が放たれ”真の味方”に指示が行き屆く。しして門の周辺が騒がしくなったことをじた妻木広忠は満足げに頷く座っていた床幾より立ち上がった。そしてそのまま本丸のある方向に向かって歩き始める。
「広忠様。殿は現在朝倉家相手に優勢に事を進めているとの事です。このままいけば計畫通りに進められるかと」
「分かった。一部を除き兵は稲葉山城から出せ。高政様暗殺・・はお前の素っ破にやらせろ」
「かしこまりました」
妻木広忠は家臣にそう指示を出すと稲葉山城の本丸を見る。そこには斎藤高政が居り総大將として君臨しているだろう。
「……高政様。貴方は実力もあり若手を中心に慕われてもいる。利政様の能力と利政様にはなかった人徳を持っている。貴方がこのまま長すればいずれ利政様を超える當主となられたでしょう。故に、利政様は貴方を警戒し、嫌っておられる。恨むなら生きた時代と、優秀な父の下に生まれてしまった事を恨むと言い」
Advertisement
誰に聞かせるでもないその言葉を吐き出すと妻木広忠は十數名の側近と共に姿を消した。そして、妻木広忠の息のかかった者により門は開けられ周囲の兵は切り殺された。柴田権六は都合のいい狀況に訝しむも門周辺を確保し稲葉山城への侵に功するのだった。
さらに、それから間を置かずに林道安が門の破壊に功し城へと雪崩れ込む。事ここに至っては守り切れないとふんだ不破治は岸信周や加藤景泰、妻木広忠に使者を出すがそれと同時に妻木広忠が擔當していた門が破られた事が分かる。その後、加藤景泰が殿となり本丸への撤退を斎藤家側は開始した。城を出て土田政久と戦っていた岸信周も事態を察すると土田政久に猛攻をかけた。唐突の出來事に土田勢は混しその隙に岸信周は逃げる事に功した。
こうして妻木広忠の行と林道安による門の破壊が合わさり斎藤家側は本丸までの撤退を余儀なくされた。織田家もそれに伴い前進。最後の本丸を落とすべくその兵力の大半を城にれるのだった。
斎藤高政は天守から見える織田家の陣地を見て息を吐く。日は沈み始めており両者ともに寢る準備を始めていた。高政も日野弘就を始めとする家臣たちをねぎらい一人自室に籠っていた。
ふと、高政は腰に差した刀を抜くと天井に向けて突き刺した。
「ぐっ!?」
津t期刺した天井が崩れそこから一人の男が落ちてくる。全を黒い服に包んだ素っ破らしき男は刀が刺さったのか左の脇腹を抑えている。そこからは軽くが滲み始めていた。
「父上の手の者か」
「くっ! 覚悟!」
素っ破は答える事無く短刀を握り高政に襲いかかる。しかし、高政は敵の攻撃を避けると渾の力を使い素っ破を上下に真っ二つに切り裂く。心臓よりし下の位置から切られた素っ破は悲鳴すら上げる事無く絶命した。刀に付いたを振るう事で落とし鞘に戻すと音に気付いたらしく日野弘就が慌てた様子でってきた。
「若!? どうされまし、これは!?」
「弘就、確か妻木広忠は行方不明だったのだな?」
「は? ……は、はっ!その様に伺っています」
「確か奴には忍を配下に持つ家臣がいたな?」
「まさか……! 妻木広忠の仕業だと?」
「間違いないだろう。妻木広忠は明智の家臣。明智は、父上への忠誠が高い」
「……妻木広忠が擔當していた門は奴によって開けられた可能が高いです。治の所は予想外でしたが」
「父上はどうあっても俺を殺したいらしいな……」
高政はそう呟くとし考えるそぶりを見せた。そして、考えがまとまったのか弘就の方を向き言った。
「弘就、主だった者全て集めよ。我らはこれより夜襲を仕掛ける!」
「は、はっ!?」
唐突の指示に驚きつつも弘就は主君の言葉を伝えるべく部屋を後にするのだった。
たとえ夜を明かすのに幾億の剣戟が必要だとしても【Web版】(書籍版タイトル:幾億もの剣戟が黎明を告げる)
【書籍版①発売中&②は6/25発売予定】【第8回オーバーラップ文庫大賞『銀賞』受賞】 夜で固定された世界。 陽光で魔力を生み出す人類は、宵闇で魔力を生み出す魔族との戦爭に敗北。 人類の生き殘りは城塞都市を建造し、そこに逃げ込んだ。 それからどれだけの時が流れたろう。 人工太陽によって魔力を生み出すことも出來ない人間は、壁の外に追放される時代。 ヤクモは五歳の時に放り出された。本來であれば、魔物に食われて終わり。 だが、ヤクモはそれから十年間も生き延びた。 自分を兄と慕う少女と共に戦い続けたヤクモに、ある日チャンスが降ってくる。 都市內で年に一度行われる大會に參加しないかという誘い。 優勝すれば、都市內で暮らせる。 兄妹は迷わず參加を決めた。自らの力で、幸福を摑もうと。 ※最高順位【アクション】日間1位、週間2位、月間3位※ ※カクヨムにも掲載※
8 193真実の愛を見つけたと言われて婚約破棄されたので、復縁を迫られても今さらもう遅いです!【書籍化・コミカライズ連載中】
【雙葉社様より2022年8月10日小説3巻発売】 番外編「メルティと貓じゃらし」以外は全編書き下ろしです。 【コミカライズ連載中】 コミックス1巻発売中 漫畫・橘皆無先生 アプリ「マンガがうがう」 ウェブ「がうがうモンスター」 ある日突然マリアベルは「真実の愛を見つけた」という婚約者のエドワードから婚約破棄されてしまう。 新しい婚約者のアネットは平民で、マリアベルにはない魅力を持っていた。 だがアネットの王太子妃教育は進まず、マリアベルは教育係を頼まれる。 「君は誰よりも完璧な淑女だから」 そう言って微笑むエドワードに悪気はない。ただ人の気持ちに鈍感なだけだ。 教育係を斷った後、マリアベルには別の縁談が持ち上がる。 だがそれを知ったエドワードがなぜか復縁を迫ってきて……。 「真実の愛を見つけたと言われて婚約破棄されたので、復縁を迫られても今さらもう遅いです!」 【日間総合ランキング・1位】2020年10/26~10/31 【週間総合ランキング・1位】2020年10/29 【月間総合ランキング・1位】2020年11/19 【異世界(戀愛)四半期ランキング・1位】2020年11/19 【総合年間完結済ランキング・1位】2021年2/25~5/29 応援ありがとうございます。
8 55オーバーロード:前編
未來に存在するVRMMO『ユグドラシル』のサービス終了の日。最強クラスのギルドの一角である『アインズ・ウール・ゴウン』のギルドマスター『モモンガ』は、メンバーと共に作り上げた居城の玉座に、臣下たるNPCたちにかしずかれながら座っていた。たった1人で、もはやいないかつての仲間達を思いながら。 そしてサービスが終わり強制ログアウトが生じるその瞬間、異変が起こった。ログアウトできず、そして何より話すことの出來ないはずのNPC達がまるで生きているかのように忠誠を示しだしたのだ。さらには外の世界は未知の世界。モモンガは混亂しながらも、絶対者(ギルドマスター)として行動を開始する。 これはアンデッドの肉體を得た絶対者たるモモンガが、己の(頭のおかしい)目的のために、異世界を蹂躙していく物語である。 この作品はarcadia様の方でも公開しております。
8 189闇墮ち聖女の戀物語~病んだ聖女はどんな手を使ってでも黒騎士を己のモノにすると決めました~
闇墮ちした聖女の(ヤンデレ)戀物語______ 世界の半分が瘴気に染まる。瘴気に囚われたが最後、人を狂わせ死へと追いやる呪いの霧。霧は徐々に殘りの大陸へと拡大していく。しかし魔力量の高い者だけが瘴気に抗える事が可能であった。聖女は霧の原因を突き止めるべく瘴気內部へと調査に出るが_______ 『私は.....抗って見せます...世界に安寧を齎すまではッ...!』 _______________聖女もまた瘴気に苛まれてしまう。そして黒騎士へと募る想いが瘴気による後押しで爆発してしまい_____ 『あぁ.....死んでしまうとは情けない.....逃しませんよ?』
8 69天才と煩悩
小さい頃から天才と稱されていた泉信也 怪我によって普通へと変わってしまう そんな泉信也にある出來事をきっかけに 自分への考えなどを変える 新たなスタートを切る泉信也 そんな中、煩悩であった木下と出會う 天才と煩悩の二人が協力し兇悪なテロリストに向かう 天才と煩悩が作り出すストーリー 初めての小説です 掲載は毎週月曜日更新です よろしくお願いします
8 132天使と悪魔と死神と。
杏樹(あんじゅ)は小さな頃から孤児院で育った。孤児院の日々はつまらない。どうにか抜け出したいと思っていたある日、孤児院のブザーがなって……
8 125