《異世界で始める人生改革 ~貴族編〜(公爵編→貴族編》間話 公爵の悩み

今から半年前、妻ソフィーのお腹が膨れた事に気付いた。

最初は、太ったのかとつい失禮な事を考えてしまったが、ダイエットや食事制限もしている事を思い出しすぐに別の理由に思い當たった。

(もしかして子供か?)

1度考えてしまったらいてもたってもいられなくなり妻の所に行き、「お前最近お腹が膨れてきてないか?」と聞いてしまった。

今思えばもうし言い方があっただろうと反省している。

當然、

「し、失禮ですわよ。これでも食事制限を怠った事はありませんわ‼」

と怒られた。

(ダイエットはあるんだな)

「いや、そ、そうではなくもしかして子供でも出來たのではないかと気になってな……。

いや勘違いならいいんだ。すまなかった」

「いえ、そういえばしお腹周りがきついなと思ってた所ですわ……。

も、もしかするかもしれません」

「お、おお!そうだよな!

私もお前が食事制限を怠っていない事は知っておる!太るわけがない‼

子供だ!そうに決まっておる‼

こうしてはおれん!マリアナを呼べ!」

「ハッ」

「私とお前の子か……楽しみだなー、どんな子であろうか?男の子であろうか?の子であろうか?」

「あなた、まだ気が早いですわよ」

「し、しかしだなお前との初めての子であるぞ。やはり気になるものは気になる」

「そうですわね。男の子との子どちらがよろしいですか?」

「うむ、やはり跡継ぎという面で見れば男の子が早いに生まれるに越したことはない。

だがまだ私たちも若いのだ。どちらでもしっかりするよ」

「はい、私も何処に出しても恥じない子供に育てますわ」

そして軽くキスした後、公務に戻る。

そして半年が経ち、妻が突然腹痛を訴え出し、とうとう來たかと思った。

(おお、あ、あんなにが出て……ど、どうすれば良い、私は何をすればよいのだ……)

想像以上にが出ている事から焦ってしまい、結局マリアナに叱咤されて妻の手を握り聲をかける事しか出來なかった。

(ああ、こんなことならもっとレベルの高い水と聖を併せ持った魔導師を呼んでおくんだった……)

今回ここにいる魔法師は、レベル6の水屬魔法持ちである。決して実力の低い魔法師ではない。

そしてそんな時間がどれだけ経ったか分からなくなっていた頃に、

「旦那様!おめでとうございます!お世継ぎがお生まれになりましたよ!」

と、いう聲を聞きホッとした。

正直、今は男の子だろうがの子だろうがどっちでもよかった。

とりあえず子供が無事産まれたことが何よりも嬉しかったからだ。

そして我が國では侯爵以上の位のものが子供が生まれた時は、必ず行う伝統の儀式通稱魔眼の儀を執り行った時事件が起きた。

「な、なんということだ……」

(ありえない‼スキル五個持ちだと‼そんな馬鹿な‼しかもレア度7が2つもあるだと!それに聞いたことのないスキルもある!

な、何がどうなっているのだ⁈)

本來なら1人に2つスキルがあれば幸運と言われるのだが、それが5個もあるのだ。

しかも公爵として當然それなりの數のスキル名と効果は頭にっているはずなのに聞いたことがないスキルがある。

そして気付く。

(こ、これだけのスキルを持っておきながら魔法の才能が1つもないだと……。

夢か?夢なのか?)

そしてついつぶやいてしまった。

ミスクリエイト

「神の過失」と。

ミスクリエイトとはごく稀にある、スキルと能力が一致していない者の事を言う。

例えば魔法威力増大のスキルを持ちながら魔法の才能がなかったり、土屬強化のスキルを持ちながら土魔法の才能がなかったりといった使い用のないスキルを持つ者の事を言う。

「あなた‼」

ビクッとして我に返り今の行を反省する。

そして部下達に釘を刺した後、逃げる様に部屋を出て、自室に一人でこもると、

「フウゥゥゥ〜〜〜……。

とんでも無いことになったな。

これからどうしようか。

とりあえず話し合いはしなければならんな」

そう頭を悩ませるのだった。

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