《異世界で始める人生改革 ~貴族編〜(公爵編→貴族編》第15話 無限ループになってしまう
また今日も目が覚め、昨日の出來事を思い出し反芻していた。
(ハアァ〜……、やっちまったかな……)
人生という水面に石を投げ込み、波紋を生んだ。
これがどう出るのかがさっぱり分からない。
メイドは恐らく喋らないだろうし、そこは信用しているがやはり心配である。
(まあ、悩んでても仕方ないしな……。
まだ俺には魔法が使えるというアドバンテージがある!
カードを一枚使ったのは痛手だがまだまだ俺は立て直せる。
いずれ無くなるものだし気にすんな)
と、無理やり自分をい立たせ別の事を考える。
(ていうか土下座、あったのね。
危うく「お前は武士かっ!」ってつっこんじゃうとこだったよ!
日本の古き良き時代の文化だと思ってたけど、よくよく考えたら謝罪の態度を追求したらこんなじになるよな……。
赤ん坊に土下座するなんて聞いたことがないからビックリしたぜ)
それ程深くこの家庭のことを考えてくれているのだろう
(全くすごい人材を雇ってくるな〜お父様は)
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一通り考えたところで本を読みに書斎に行く。
正確には抱っこしてもらうのだが、これがまた気まずいのなんのって。
気まずい時間も終わり書斎に著いたので何を読むか考える。
(やっぱ魔法書だよなぁ。
他にもいろいろ使いたい魔法がたくさんあるし水魔法レベル2の魔法も覚えたいし)
そう思い魔法書に手をばそうとすると、
「申し訳ございませんがレイン様。
魔法書の類は読ませることを止されているため読ませる訳にはいきません」
とメイドが俺の手をやんわりと摑み本への進行を止めさせる。
「?」
俺は驚いて無言でメイドの顔をみる。
(うん、あったねそういう約束。
というかそれが原因であんなことになっていたわけだしね
てっきりよくあるいつの間にか有耶無耶になっている系のじかと思ったけどそこはちゃんと仕事すんのね)
そんな不満そうな俺に対し、追い打ちをかける様に、「命令は解除されておりませんので」と念押しをしてきた。
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三秒ほど睨み合い(俺の方は見つめていただけだが)俺が先に目をそらす。
勝てるわけがなかった。
(いやいや無理だから。
すんげー眼差しで俺のこと見つめすぎだから。
ただでさえ常にどもってる俺が勝てるわけがない)
と言うわけで仕方がないので、別の本を見ることにする。
神様は本の普及率は日本より悪いと言っていたが流石公爵家だ。
無茶苦茶って程ではないが大抵の種類の書は置いてある。
まだ読んでない本はたくさんあるため、そちらを見ることにした。
そのおかげで々この世界の報がたくさん集まったのだが。
魔の階級や種類、派生など冒険者をやるのに役に立つ報はたくさん集まった。
後は前世の趣味から軍事関係の本を見るようになった。
こっちは趣味:真剣度=七:三位の割合だがまあまったく役に立たない事もないだろう。
言いたい事はいくつかあるがまあいい。
このポルネシアは海に面しているので當然水軍もいる。
この水軍に割く軍人の割合など前世ではまったく知らなかった。
大全の三割ほどでポルネシアだと三萬ほどの海軍がいるらしい。
前世とちょっと違う軍事知識を見ることはなかなか楽しい時間だった。
そんなこんなで四ヶ月が経ち、俺も話す事ができ、この世界に來て初めて人と話す心の準備もできた。
因みにお母様はあれから三日後に俺に顔を合わせ、ギュッとした後、謝っていた。
(別にもう怒ってないのだが……)
とりあえず赤ちゃんなりにはしゃいでみた。
と言う事で仲直りをするという出來事があった。
一ヶ月前から「マンママンマ」と言う布石を打ち今日、ちゃんとした? 言葉を喋ってみる。
お母様とお父様がいる時に勇気を振り絞って聲を出してみた。
「お、おかあ、おかあちゃま」
(……素で噛んだ、なんかはずかしい)
と言う出來事があり、両親共に喜んだのは想像に難くないだろう。
今やっと喋れましたよ、だから四ヶ月前は何を言っていたのか分かってなかったよ、という様な事を伝えたかったのだが分かってくれたかな?
できるなら笑っていてほしい。
俺は彼らに俺の事で悩んでほしくない。申し訳なく思うからだ。
あの時出て行った理由は、あの後よく考えてやっと分かった。
失言したのだ。
言った後に後悔したのだろう。
誰にでもあることだった。
こんなの誰でも気づくだろって、そんな悩む事じゃないだろって思う。
だからそれが分かったときまた落ち込んだ。
「そんなこともわからないのか」と。
だって俺はただでさえ彼らに負い目があるのだから。
だから俺は彼らに笑っていてしいのだ。
悲しい顔をしてしくないのだ。
今の上下の縦社會であるこの國で、この家のようなところは非常に大切だと思う。
メイドの話を聞いた事もあるが、お父様はすごい人間だと思う。
尊敬している。
だからこの家を自分なんかが継いでいいのかと、異世界人であるこの俺が。
最初は思っていたのだ。
この家は他の兄弟に任せて俺は冒険者でもやって生きていこう、と。
因みに今更だがこの世界にはやはりというかなんというか魔を狩るいわゆる冒険者がいる。
冒険者のランクはEからSSSまである。
そして魔のランクは下級から神級までいるらしい(參考文獻「冒険者になろう!」より抜粋)
それでも俺としては一向に構わないのだが、そうすると第二夫人が気になるのだ。
あれはダメだ。奴にだけはこの家は渡せない。
あんなのにこの家が渡ったらめちゃくちゃになってしまう。
この土地は荒れるだろう。
使命とかではなく、俺が嫌なのだ。
オリオン家の長男として、あいつには渡したくないのだ。
そんなことをするくらいなら手っ取り早く俺が継ぐ。
だが、そうすると確実に暗殺とかめんどい話になってくる。
それもなんか嫌なのだ。
ただ、俺が居なくてもどうせ一波あるんじゃね? と、思っているから結局俺の知らないところで面倒くさい事になると思う。
それもなんか嫌なのだ。
何言ってんだ? って?
わからん!
簡単に言うと
異世界人で子供になりきれてない(々な意味で)奴がこの家継いでいいのか?
なら冒険者やるか
→だが第二夫人が気になる
→手っ取り早いのは俺が継ぐこと
→だが確実に暗殺とかある、それはめんどい
→どうせ俺が居なくても一波ある
→結局この家は崩壊の兆しが見える
→兄弟を手伝う? え? 俺に言ってんの? 人と協力とか無理だけど……
→なら俺が継いだ方が早くね?
という流れになってしまうのだ。
(……何でだよ!)
いや誰に突っ込んでんの? って? 俺にだよ!
ただ考えれば考えるだけこんな結末になってしまうのだ。
殺せばいいとかは考えない方針で。
いや、人を殺したくないとかよりも、そんな簡単に言ってしくはない。
殺した人間が繁栄できるとは俺は思わない。
織田◯長だって兄弟を殺してから荒れたって聞くし、いや本當のところはわからんけどさ・・・
兄弟と名前も知らない赤の他人はやっぱ別だぜ? って話だ。
俺はこの家に繁栄してしいのだ。
例えば冒険者になって頑張って珍しいものを手にれたらこの家に優先的に回すとか出來る。
だがそうなるとやっぱり第二夫人が邪魔なのだ。
という無限ループにはまる。
まあまだ時間あるし、これからも考えるけど、そんなこんなだから、々大変なのだ。
というわけで戦力アップ(主に魔法面で)したいのだが、そうするとメイドが邪魔してくるのだ。
これ今一番の問題。
両親に魔法書の止を解除してもらいたいのだがそうすると、また悲しい顔をするのだろう。
なら聞けない。
だがメイドを突破できない。
(くっ攻撃魔法が使えれば……。
手攻撃でメイドのきを止めるのだが)
半年ほど前に魔法書を初めて見た時、適當にペラペラっていた。
その時見つけたのだ。
闇魔法レベル3のところにあった手を……。
俺は手プレイが好きなわけではないがそれでも一度試してみたかった。
だから! だから俺は一言一句間違いなく覚え、レベル3になった瞬間に呪文を唱えたのだ!!
「◯◯◯◯◯!!!」(自己規制)
と!
だが! だがしかし……魔法が発する事はなかった……。
手は攻撃魔法らしい。
その時つい「何でだよチクショォォォーーー!!!」と、ついんでしまいメイドが夜に跳ね起きたのはである。
やべー、話が逸れたな。
まあとにかく魔法がこれ以上覚えようが無いため、仕方なく別の本、主に戦本とか、魔百科とか冒険者の心得とかを何度か読んで頭にれている。
それと、同時進行で魔法とのレベ上げをし続けている。
因み今の俺のステータスがこちら。
{レイン・デュク・ド・オリオン/LV .13}
{2035/4500}(晩型)
{男/AB/6533/7/8}
{人族/オリオン公爵家}
{HP 56/56}
{MP 2450/2450}
{STR 48}
{VIT 45}
{AGI 52(+104)}
になっていた。そして、神眼で、魔道王をもう一度見ると
火屬魔法Lv3
水屬魔法LV3
土屬魔法LV3
風屬魔法LV3
屬魔法LV3
闇屬魔法LV3
と、なっている。
魔法レベルはやってるとわかるけど3と4には絶対な壁がある。
しばらく使ってても一向に上がる気配無しであるため心が折れた。
なら、とりあえず全部3にしてみた。
それで気付いたことがあるのだが、なんと魔法レベルが上がるとMPが10上がる。
俺の場合80も上がるのだ。
そうすると俺のMPがヤバイくらい増えるという寸法だ。
レベルについては、経験値一しか手にらないのに本當俺よくやったと思う。
いやマジで寢る間も惜しんで魔法使ってたからね?
ゴブリン一匹で経験値千とか手にったら俺はその瞬間からこの世界に対して宣戦布告してやる。
革命してやんよ! 今日から俺は革命家レインだ!
俺の努力は無駄じゃなかったって知らしめてやろう。
……まあ、冗談は置いておいて、そんなじで時が過ぎていったのだった。
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