《異世界で始める人生改革 ~貴族編〜(公爵編→貴族編》第23話 王都に向かう一行
正直に言えば行きたくない。
人がいっぱいいるところに行きたくないのではない。
街を見たりするのは結構好きだし、そもそも俺は引きこもりではない。
まあ引きこもりにさえなれなかったのだが。
そうではなく、話し掛けられたくないのだ。
そして話したくないのだ。
自分の発言に自信が持てない。
うっかり相手を傷つける可能さえあるのだ。
あの場でそんな発言をしたらうっかりでは済まない。子供だけに話し掛けられるならまだしも大人に話し掛けられる可能がある。
俺は公爵家の長男でお父様ももう俺が跡を継ぐことを確信している。
そろそろ冒険者になる事を言うべきだ。
遅くなれば遅くなるほどこじれる。
まあそれは置いておいて、そうなると次から次へと挨拶されるだろう。
あと、ぶっちゃけ面倒くさいっす。
名前覚えるのも苦手だしな。
俺の覚としては自分が公爵という覚はない。
俺の心は未だ平民以下なのだ。
そんな所に次から次へと貴族に頭を下げられたりしたら吐くと思う。
Advertisement
(途中で抜け出す算段を整えないと)
そう思い、今から張する俺だった。
そして出発の日がやってきて、馬車數十臺と、騎士が50人近くがついての大名行列だ。
子供は俺と第2夫人の長男と次男と第3夫人の長の四人だ。
第2夫人の次男は本來まだなのだが、(敵だらけの)家に置いておけないという第2夫人の発言で連れて行く事になった。
あとはお父様とお母様、第2夫人と第3夫人が來る。
奴隷はスクナとアイナを連れてきた。
パーティは毎回王都で行われるので、街をぶらつくのにきてもらうためだ。
そうこうしている間に準備が終わり、いざ出発の時間となる。
後ろで第2夫人が
「跡取りは公爵家の次であるこの私の長男であるプロウスと周りにおっしゃってくださいまし!!」
と、お父様言い寄っている。
因みに、プロウスというのは第2夫人の長男である。
お父様は鬱陶しそうに
「オリオン家を継ぐのはレインだ!
結婚する時にもちゃんと説明しただろう!」
とお怒り気味だ。
(まあ、俺じゃなく俺同腹の弟か第4夫人の男の子に任せるがな)
お母様は1年と半年前には弟を産んだ。
この國というか大陸全で貴族というのは風當たりが強い。
いないわけではないし実際この國にもいない事はないが、やはり口はある(らしい)。
それに苦しめられてきた人間としては妹達にそんな想いはしてしくない。
いい加減イラついたようで早々に自分の馬車に乗りこむ。
因みに俺はお母様と第3夫人とその娘レイシアと同じ馬車だ。
(と3人に囲まれてラッキー!!
な訳が無いだろうー!!)
すごい居づらい。
3人は桃の空気を振りまきながら、お喋りに花を咲かせている。
(迂闊だった。お父様が怒ってなかったらあっちの馬車に行っていたのに・・・
第2夫人、許すまじ)
と仕方ないので、しばらく窓の外を神眼で見ていると、
「〜〜」
「ねー!レインお兄様ってば!!」
と意識を無理やり馬車に連れて來させられる。
「な、何ぞや!?」
「ぞや?」
「あ、いや何?」
「レインお兄様はどんながオコノミなのですか!!」
と目を輝かせて俺のことを見てくる。
(ま、眩しい!おじさん溶けてしまいそうだよ!!
ゴホン、冗談はこれぐらいにしておませなレイシアにはなんと言えばいいのか・・・)
「そうだね、やはりお淑やかで可い子がいいかな」
と、無難に答えておく。
「レイン、もうし的な好みはないのかしら?」
とお母様が橫槍をいれてくる。
「まだ5歳ですので、それに同年代のとはまだほとんど會った事がありませんからね」
「あら、それもそうね」
とまた3人で話を再開させるので俺も神眼での周辺探索を開始する。
すると、150メートルほど先に本に書いてあったゴブリンみたいな生がいた。
(ウオーーーー!!!初めて見たーーーー!
まさしく緑っぽい表と歪んだような顔をした生がそこにいるーーーー!!!)
と初めて見たゴブリンに興してしまった。
そうすると、
「レイン、レイン!凄い汗かいているじゃありませんか!大丈夫なの!馬車酔いでもしたの?」
「い、いえ、大丈夫です!本當に大丈夫ですから」
ゴブリン如きで何興してんだよ、と思われるかもしれないが
(いや、リアルで見るとマジで興する!!)
ついうっかり手に汗を握ってしまったらしい。中も汗びっしょりだ。
ゴブリンはこちらに気づいたようだが人數が多すぎるため諦めてさっさと逃げてしまった。
また暫くして一度休憩になって馬車を降りることができたので、次はお父様の馬車に乗る。
すると、王様方の名前と王子様方の名前、それに対する諸注意というか失禮の無いようにだとかを言われ、
最後に、
「私と同じ様に最後は好きなを選べ、私はそれを応援する」
といっていた。
それからは、妻たちに対する愚癡を聞きながら、王都を目指していた。
【書籍発売中】【完結】生贄第二皇女の困惑〜敵國に人質として嫁いだら不思議と大歓迎されています〜
【書籍版】2巻11月16日発売中! 7月15日アース・スターノベル様より発売中! ※WEB版と書籍版では內容に相違があります(加筆修正しております)。大筋は同じですので、WEB版と書籍版のどちらも楽しんでいただけると幸いです。 クレア・フェイトナム第二皇女は、愛想が無く、知恵者ではあるが要領の悪い姫だ。 先般の戦で負けたばかりの敗戦國の姫であり、今まさに敵國であるバラトニア王國に輿入れしている所だ。 これは政略結婚であり、人質であり、生贄でもある。嫁いですぐに殺されても仕方がない、と生きるのを諦めながら隣國に嫁ぐ。姉も妹も器量も愛想も要領もいい、自分が嫁がされるのは分かっていたことだ。 しかし、待っていたのは予想外の反応で……? 「よくきてくれたね! これからはここが君の國で君の家だ。欲しいものがあったら何でも言ってくれ」 アグリア王太子はもちろん、使用人から官僚から國王陛下に至るまで、大歓迎をされて戸惑うクレア。 クレアはバラトニア王國ではこう呼ばれていた。——生ける知識の人、と。 ※【書籍化】決定しました!ありがとうございます!(2/19) ※日間総合1位ありがとうございます!(12/30) ※アルファポリス様HOT1位ありがとうございます!(12/22 21:00) ※感想の取り扱いについては活動報告を參照してください。 ※カクヨム様でも連載しています。 ※アルファポリス様でも別名義で掲載していました。
8 73モフモフの魔導師
ある森の中、クエストの途中に予期せぬ出來事に見舞われた若い2人の冒険者は、白貓の獣人ウォルトと出逢う。 獨り、森の中で暮らすウォルトは、普通の獣人とは少し違うようで…。 ウォルトは、獣人には存在しないとされる魔法使いだった。 魔法好きで器用な獣人と、周りの人々が織り成す、なんてことない物語。
8 95無能魔術師の武器 ~Weapon Construction~
10年前、突如誰にも予測されなかった彗星が世界を覆 った。その後、彗星の影響か、人々は魔法を使えるよ うになった。しかし黒宮優は魔法を使うことができな かった。そして、無能と蔑まれるようになった。 そして、彼はある日、命の危機に襲われる。 その時彼はある魔法を使えるようになった……。
8 77幼女に転生した俺の保護者が女神な件。
何気ない退屈で平和な日常を過ごしていた主人公。しかしそんな日常もほんの一瞬で絶望へ変わってしまった。 大きな2度の地震で不幸にも死んでしまった主人公は、女神の元で異世界へ転生する事となった。自分の人生を決める重要なカードを引いた主人公は幼い女の子の姿に。その姿に惚れた女神は自分の仕事を忘れて主人公の保護者として一緒に異世界に転移してしまう。 幼女に転生した俺の保護者が女神な件。始まります。 /初心者作者による作品の為過度な期待はNG /誤字・構成ミス多め /16萬アクセス達成 /30000ユニーク達成 /毎日晝12:00更新!(多分) Twitter @Novel_croquis
8 82世界一の頭脳を持つ母と世界一力が強い父から生まれた雙子
かつて、世界最強の頭脳を持っていると言われた母 とかつて世界最強の力を持っていると言われた父の 息子の主人公と、その妹 主人公とその妹は、世界最強夫婦の子供(雙子)ということもあり、普通じゃないくらいに強かった。 主人公が強いのは力ではなく頭脳。 そして、殘念なことにその妹が強いのは當然頭脳ではなく、力。 両親は、それを僕達が14の時にやっと気づいた そして、15になったその瞬間、僕達は異世界にいた... 最後までお付き合いいただけると嬉しいです!!
8 116Licht・Ritter:リッチ・リッター
ここは日本、生まれてくる人間の約90%は魔法・能力をもって生まれてくる時代。 そんな日本で生活する主人公、耀 練(かがやき れん)は様々な騒動に巻き込まれ、それに立ち向かう。 彼自身にも色々謎が多いなか、一體どうなっていくのか。 魔法の世界がやがて混沌にのまれる時...全ての謎が明かされる。
8 68