《異世界で始める人生改革 ~貴族編〜(公爵編→貴族編》第110話 釈然としない

(どうしてこうなった……)

そう思わずにはいられない。

お父様が、俺と緒話をしようとしたところ、突如としてプロウス君が參加を表明してきた。

プロウス君の顔にはただならぬ決意の意思が見て取れる。

しかし、お父様はバッサリとその決意を切って落とした。

だが、プロウス君は負けじと俺を理由に參加を強く希する。

俺はその間でオロオロする。

そんな一即発の空気の中、「プロウス!何してるの!?」とのかきなり聲が響く。

聲のした方を向くとヒルダさんがこちらにツカツカとやってくる。

そして、プロウス君の前にやって來て突然右手を振り上げる。

「危なっ!」

何をしようとしているのか気づいた時には既にヒルダさんの手は振り下ろされていた。

「!?」

振り下ろされたヒルダさんの手が途中で止まる。

「やめなさい。ヒルダ」

振り下ろした手をお父様がしっかりと握っていた。

「ロンド!私の子どもの教育に口を挾まないでちょうだい!」

ヒスイック気味にそうぶヒルダさんにお父様はしっかりとヒルダさんの目を見ながらこう言った。

「私の子どもでもある!」

「うっ……」

お父様の強い眼にヒルダさんの剣幕も収まり、たじたじになっていた。

そして、「ふぅ〜……」と軽いため息を吐いた後、今度はプロウス君に向き直り目線を合わせるために屈む。

「まだ早いのだ。わかってくれ」

「……わかり、ました」

プロウス君が頷いたのを見て一度頷くと、立ち上がり、執事などの城に仕えている者達に挨拶をしながら城に戻っていった。

俺はそれを呆然と見守る。今からどうけばいいのかさっぱりわからない。

しかし、そんな空気の中、最初にいたのはヒルダさんだ。

「プロウス。お願いだから私の言うことを聞いて」

「……申し訳ありませんでした。お母様……」

そう言いながらプロウス君の手を取り、一緒に城の中にっていった。

「……どうしたんだ?」

プロウス君達が見えなくなってやっとの事で俺はそう呟く。

それを聞いたレイシアは俺の腕に抱きつきながら答える。

「きっとレインお兄様に嫉妬してるのよ!」

「んおぃ!突然抱きつく……うぉふん!突然抱きつかれたらびっくりするではありませんか」

思わず素が出てしまった。

「んふー。お兄様のたまに出る雑な言葉、私結構好きよ?」

誤魔化せるはずもなく、レイシアは平然と俺の痛いところをついてくる。

「レェイシアァ、き、君もの子ならもうしお淑やかさが必要だと思うよ?」

(え?俺、そんな雑な部分表に出してたのか!?)

心ドギマギしながら冷靜を裝う。

しかし、張と驚きで聲が震えて上ずってしまう。

「ふふふ」

俺の言葉にレイシアはただ笑っていた。

兄の威厳がダダ下がりだ。

なんとかこの狀況を打破しようと口を開こうとした瞬間、お母様に聲をかけられる。

「レイン、中にりましょう」

今の景を靜観していたお母様が、他の夫人達を連れてこちらにやってくる。

「……はい、お母様」

釈然としないままお母様の手を握る。

本來の要件について聞きそびれてしまった。

プロウス君の事を聞こうとお母様の方に首を向け、ジッと見つめる。

その視線に気付いたお母様は俺にだけ聞こえる聲で「貴方は気にしなくていいわ。私達大人の問題なんだから」と言った。

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