《異世界で始める人生改革 ~貴族編〜(公爵編→貴族編》第139話 魔法戦

ポルネシア北部にてーー。

「何だあれ?」

「レイン様?」

神眼で帝國軍を見ていた俺の目に映ったのは、またしてもフレッグスのゾンビ兵だった。

しかし、先日の貴族や平民や奴隷を合わせたごちゃごちゃしたゾンビとは違う。

數はないものの一人一人がきちんとした裝備を與えられた鋭というべきゾンビだった。

とりあえずステータス確認しとくか。

[リーブベルト/Lv. 63]

[男/AB/6393/10/8]

[元人族/ゾンビ化]

[HP 2856/2856(ー285)

MP 4995/4995(ー499)

STR 325(ー32)

VIT 321(ー32)

AGI 228(ー22)

[魔法]

火魔法 レベル8

土魔法 レベル8

[スキル]

レア度4 火魔法の威力中アップ

レア度6 土魔法の威力上アップ

レア度7 無詠唱

[マキャベラル/Lv. 67]

[/AB/6350/9/1]

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[元一角族/ゾンビ化]

[HP 3656/3656(ー365)

MP 7856/7856(ー785)

STR 536(ー53)

VIT 495(ー49)

AGI 386(ー38)

[魔法]

水魔法 レベル8

闇魔法 レベル8

[スキル]

レア度2 ステータス上昇率極小アップ

レア度4 水魔法の威力中アップ

レア度5 闇魔法の威力中アップ

レア度5 詠唱短

レア度7 MP回復率超上昇

[ナキータ/Lv. 71]

[/AB/6256/2/16]

[元竜人族/ゾンビ化]

[HP 9685/9685(ー968)

MP 10265/10265(ー1026)

STR 1630(ー163)

VIT 850(ー85)

AGI 950(ー95)

[魔法]

水魔法 レベル9

[スキル]

レア度2 魔法攻撃力小アップ

レア度5 魔法耐中アップ

レア度6 水魔法の威力上アップ

レア度7 無詠唱

レア度8 竜眼

竜眼

対象の全ステータスを一割下げる。(範囲:視界)

[メラク/Lv. 75]

[男/AB/6086/9/23]

[元山森人族/ゾンビ化]

[HP 8355/8355(ー835)

MP 13869/13869(ー1386)

STR 1330(ー133)

VIT 650(ー65)

AGI 1025(ー102)

[魔法]

火魔法 レベル9

[スキル]

レア度3 魔法耐

レア度4 火魔法の威力中アップ

レア度6 火魔法の威力上アップ

レア度7 無詠唱

エクストラ 火の加護

火の加護

火魔法を使うことができる。また、火魔法レベルを上げるための経験値取得が2倍になる。

ざっと見たが、このレベルのゾンビが十人近くもいる。

「うっわ……」

全員が魔法を扱えて、しかも無詠唱か詠唱短を持っている。やばすぎて引く。

「レイン様、如何なさいました?」

側近のスクナ、それに周りの參謀や將達も俺に注目している。

し相手からヤバそうな雰囲気をじましてね」

と、し濁す。俺の神眼はスクナすら知らないだ。とはいえ何も言わないわけにはいかない。

「ヤバそう……ですか。的にはどうヤバイのでしょう?」

「うーん、ウィンガルド並みにヤバイですね。しかも複數人の気配をじます」

「六魔將級……しかも複數ですか……」

俺の言葉に耳を傾けていた周りの將兵達の士気がし下がる。

「確かフレッグスのゾンビ兵団にはそういう英雄級の実力を持ったゾンビがいるという話を聞いたことがあります」

「しかしあれは滅多に表に出さないと聞きましたが」

「今回は出す価値があるってことなんでしょうね」

まあこんな話をしててもしょうがない。

「陣形はどうされますか? 突撃隊形から魔法防陣に切り替えますか?」

「うーん……」

英雄級ゾンビ達のステータスは全部確認したが、レア度8のスキルとエクストラスキルなるものを持っている化けがいる。

ナキータとかいう元竜人のとメラクとかいう元山森人の男だ。

レア度8。

魔眼で確認することのできない存在しないとされる神話の領域。

しかももう一人も火魔法特化。中と上重ねんなよ。しかも火魔法レベル9の無詠唱とかチートもいいところだ。MPも一萬超え。なにそれ。やっていいことと悪いことって口に出さないと分からないですか。

俺は天を仰ぐ。

「レイン様……?」

「魔導將?」

スクナとレボリアが聲をかけてくるが無視する。

雲一つ無い青空。丘の下を見下ろせば突撃隊形に整列し終えているポルネシア軍と、昨日とは逆に防陣を敷いている帝國軍。

帝國はくことはないだろう。フレッグスの英雄級ゾンビ兵に全て任せるであろうから。

この世界には魔法使いのレベルに応じた強さを表す言葉としてこんな格言がある。

天才は隊列を壊し、準英雄は部隊を壊し、英雄は軍を壊す。

あの中の誰か一人でも野放しにすれば俺らの敗北は避けられない。

「レボリア將軍」

「は、はっ!」

突然名前を呼ばれたレボリアが慌てて応える。

「今日一日、私とスクナなしで帝國を抑えられますか?」

「は、は? 魔導將はどちらに?」

「英雄級ゾンビ達とウィンガルド、フレッグスを抑えます」

「え……」

そこまで言ったときだった。

突然魔力の奔流をじそちらを見ると、帝國の後方から巨大な火の玉が出來上がっていた。

そして次の瞬間、噴火のような音と共に分裂し、ポルネシア軍に降り注ぐ。

レベル9水魔法「大海領域シールール」

直前、俺がポルネシア王國軍上空に水魔法のを張り防ぐ。

俺の魔法と敵の魔法がぶつかり、蒸発して水蒸気が出る。

天を一気に曇らすほどの水蒸気を切り裂くように真っ黒な雨が降ってくる。

レベル10・風・水複合魔導「天蓋ヴァルハラ」

の薄い幕が真っ黒な雨を浄化し、単なる水の雨へと変え、上空の海に降り注ぐ。

「あれは何の魔法でしょう?」

「……申し訳ございません。分かりかねます」

レベル8以上の魔法はバラエティに富んでいて俺の知識にも殆どない。過去に使われた例もないし、使える人間も自分が使える魔法を一々後世に殘したりしないからな。

俺も殘す気ないし。

そんなことを言っていたら次が來た。

上空の水蒸気が渦を巻いており巨大な臺風のとなり轟音を鳴らしながらゆっくり落ちてきた。

ちょうど上空にいいのがあるから使おう。

レベル10火・水・闇複合魔導「絶対零度コキュートス」

上空に配置されていた水が一瞬にして凍り付く。その氷に暴風がぶつかり、激しい音を鳴らしながら霧散していった。

「これが、神々の戦いか……」

レボリアが空を見上げながら呟いている。

殘念ながら敵に神話級はいない。だからまだ、神々の戦いとは程遠い。

それにいい加減ウザくなってきたところだ。英雄級ゾンビ達には退場願おう。

レベル10火・水・複合魔導「天上門ウリエル」

天上門ウリエル。浄化の炎により帝國軍本陣が燃え上がる。

死者やレイスなどの幽霊系モンスターだけを浄化する炎。

生者には一切ダメージを與えず、蟲一匹殺せない防魔法。

相変わらず俺は攻撃魔法を放てない。そんな俺がこんな攻撃魔法みたいな使い方をするとは。

英雄級ゾンビ達はただ立ったまま、浄化の炎に焼かれ、塵となって消えていった。

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