《一兵士では終わらない異世界ライフ》トーラ學舎にりまして

この世界に生をけてついに六年が経過した。俺のはすくすくと育っていって、背はずっとびたけど、前世でいう稚園児くらいの大きさなのには変わりなかった。

さてさて、六歳になったってことはどうなるかお分かりではないでしょうか?そう!學校に通うことになりましたのよ!おほほほほほっげほ!?

俺がこれから通うのは、ソニア姉と同じトーラ學舎という學校だ。トーラ學舎は我が家の付近に立つ町、トーラにある學びの場だ。

ここでトーラの町について説明しておこう。この町はまず、イガーラ王國に屬する町で、貴族の領主が治めている。地方支配は分権的なもののようだ。

トーラの町は俺の最初にじた印象と同じで、やはりかなり大きい町だ。たくさんの貴族がいて、商人がいて平民がいて……と、そんなトーラの町に一つだけあるトーラ學舎には様々な子供が學してくる。

それは貴族であったり商人であったり平民であったりと多岐に渡る……が、平民にしろ商人にしろ裕福層に限られるけど。

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俺は平民の子供だ。父さんは軍人だから普通の平民よりも権力はあるが、普通の平民となんら変わらない。まあ、何事も普通が一番だ。トーラの町は大そんなじだ。學舎もとくに言うことはない。

俺は今日からトーラ學舎へ通うこととなる。まず、制服である學校指定の黒を貴重としたローブを著て、俺は支度を整えた。張するなぁ……前世じゃあ高校中退だったからな。この気分を味合うのは本當に久しぶりだ。

俺は朝ごはんを食べ終えると、ソニア姉と送りに來た母さんと一緒に學舎に向かった。そのとき、俺たちは並んで歩いた。

「學舎って楽しい?」

俺が聞くとソニア姉は鼻を鳴らし、笑顔でいった。

「うん、きっと楽しいよ」

得意気である。

ソニア姉は十二歳だ。小學校六年生……そうとは思えないくらい、ソニア姉はらしい魅力を持っていた。家族の俺が言うんだ、間違いなくソニア姉は可い。やっぱり學舎とかじゃモテモテなんだろうか?

もしかしてもしかして、変な蟲とかがソニアに変なことしてないよね?そんな変な蟲は変なことする前に俺が処分しよう……。

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俺が暗いことを考えているソニア姉が不思議そうに首をかしげたので俺は誤魔化すように咳払いした。

まったく……俺はとんだシスコンだな。悪い気はしないけど。

「大丈夫だよ。グレイならいっぱい友達ができるからさ!」

ソニア姉はニカっと笑っていった。母さんもその隣でニッコリ笑って頷いている。盛大な誤解をしているようです。ちょっと、良心が痛むなぁ……まる。

それにしても、友達ねぇ……。

ふと、前世での友達というのを思い浮かべてみた。世間一般でいうところの友達というのと俺にとっての友達というのは違ったな。

それはネトゲ友達という存在だ。ネッ友ネッ友ぉ〜。ほら、友達ってついてるし、友達ってカウントしても、俺はいいと思う。

もちろん、現実の友達なんていませんでしたよ。えぇ、だって私はニートだからっ!!ドヤァっ!

しかし、友達が……そうだな。友達沢山作ったら、きっと母さんも父さんも安心できるだろう。うむ、そうしよう。

そういうわけで、俺の當面の目標は友達百人つくることです。そして富士山の頂上で、みんなでおにぎり食べよっと。

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「そういえばグレイはなんの科目とるの?」

母さんが首を傾げてきいてきた。そう聞かれても困る。まだ、どんな科目があるのか詳しく知らないからだ。

「まだどんな科目があるか分かんないと思うよ?お母さん」

ソニア姉が言うと母さんは、「あ、そうだった」といって笑い、ソニア姉もクスクス笑った、いいなぁーこういうのいいなぁー。

町にって學舎の前まで來て、母さんとはそこで別れたふのまま、母さんはお仕事に行くのだろう。確か、軍人の父さんと違って、治療魔師という……前世で云う醫者?みたいなものだった気がする。治療魔って呼ぶくらいだから回復魔法的な……?まあ、詳しくは知らない。

母さんと別れて、殘った俺とソニア姉の目の前には學舎の門があった。

「ほら、いくよ」

「あ、うん」

言われるがままについていき、門を潛る。そして俺は中の景を見て思わず嘆の息をらした。

さすがに貴族の子供が通うところだけあって綺麗で、そして大きな造りだ。ぶっちゃけ學校っていうか、お屋敷のような外観をしていた。

俺がほけーっと眺めているとソニア姉が微笑みながら頭に手を乗せてきた。ソニア姉の方を見てみるとどこか誇らしげだった。

「すごいでしょ?」

「うん」

確かにすごいけどお姉ちゃんがすごいわけじゃあないよ?でも、それを言うと不機嫌になってしまうかもしれないのでのどのおくに飲み込んで、黙って笑った。

學式は學舎の大きな庭で行われた。庭で整列……はせず學生達はおのおの自由なところに立っている。そういう概念が無いのだろう。

俺は適當に目立たないところに立った。すると壇上の方に誰かが歩いていくのをみて、くっちゃべっていた學生達は、一瞬でシンっと黙り込んだ。

學舎長と名乗る老齢の人が壇上に上がると學生からザワザワとした聲が広がった。

はて?どうしたんだろうか。

壇上に上がった老齢の人は男だ。白髪で顔には老斑點と皺があっていかにも年寄りといった風だ。しかし、人とは違ったところがある。耳だ。耳が尖っている上に長い。

これは異世界特有のあれですね?エルフっ!

つまりこの世界にはエルフ娘こがいるわけか〜いいねぇ。やっぱりエルフっていうと可いんだろうなぁ……ウヒョぉぉぉ!

とまあ、それはとりあえず置いておいてだ。學舎長は壇上に上がってから暫く、學生を見渡した後に咳払いを一つ……それだけでザワザワしていた學生達は皆んな黙った。

「私はトーラ學舎で學舎長をしているエドワード・ネバースです。まずは學おめでとう…それから–––––––––」

やっぱり、どこの世界でも校長の話というのは長い。やっと終わったかと思ったところで俺達は移させられた。

先は學舎のだだっ広いところだ。円形の……そう屋付き闘技場のようなところだ。そこに百人近くの學生達が集められた。

これから學試験なるものをするらしい。學の合否を決めるものではなく本人の力を見るものらしい。

この學試験は実技と筆記があり、筆記はこの後にやるそうだ。まずはここで実技。なんの実技かというと、ここで自分の選択科目を選んでその科目ごとの実技だそうだ。

俺は選択科目一覧から何があるのかをまず確認した。ちなみに、既に決まっている奴らは実技試験にっている。

俺はノンビリとやるかね……お、まずは剣だな當然のことだけど。あとは……野営?なんか面白そうだな。ん、弓?俺は選択科目が記載されたリストの一番下にあった科目に目が止まった。弓っていうと弓か……。

ふと、俺は前世でやっていたモンスターをハンティングするゲームを連想した。よくやってたなぁ……オンラインプレイとかあったし。

思えば、あれでネトゲ友達も増えたな。

俺はそのゲームでは弓を使っていた。何故かっていうと何となくとしか答えられないけど……。

うむ、弓をとってみるのもいいかもしれないな。あとは魔だな。

そんなこんなで俺は野営、魔、弓、剣の四つの科目をとった。それぞれの學試験の容はこうである。

まず剣だが、これは剣の先生達と簡単な模擬全をするというものだった。俺は剣の稽古をパパンにやってもらっていたこともあり最初は善戦していた。まあ、手加減してもらっていたってのもあるけどな。後半はら力がなくなって力盡きてしまった。結果はよかったし、先生には褒められたからよしとしよう。

野営は実に面白かった。この科目は、つまりサバイバルの知識をにつける科目だった。というか、野営の先生がとっても人さんなうえにボンキュッボンなだったので、この科目にろうと思います。

え?下心なんてないですよ?全然ないですよ?

野営の試験は火おこしだ。魔を使わずに火をおこせって言われた。材料は用意されており、俺は木と木をこすり合わせる古代技をつかって試験をクリアした。

ちなみにここでも先生に褒められた。人の先生に褒められてホクホクしました。ホックホック!

その先生というのが、ギシリス・エーデルバイカ……ギシリス先生というのだが、この方は俺たち人族とは違って獣耳や獣尾などを生やした、所謂獣人族の先生だ。

ギシリス先生は褐で、し撥ねた長い銀髪、スラリと長い手足で、長も高い。何よりも、頭頂部から生えたフサフサな犬耳と、おから生えているフサフサな尾が可いのだ。

そう、可いのだ。大事なことなので二回言いました。まる。

ギシリス先生はどちらかという格好良い。褐戦士、アマゾネス……そんな印象をける方だ。筋もあって、それでいて的なの彼は、その犬耳と尾によってギャップ萌えが発生しているわけだ。

しかも、この犬耳と尾……時折、ピクピクとくのだ。この格好良さで、このらしさ……これで萌えない奴はケモナーじゃないから帰れ。まあ、小さいもの好きのケモナーなら仕方ないでしょう。

(閑話休題)

続いて魔の試験だ。魔の試験は的を破壊するというものだった。的を破壊する魔は指定されており、初級の基礎四元素……地水火風の四屬の攻撃魔だ。指定魔は一覧で、紙に張り出されており、詠唱するために用いるルーンも載っていた。とても良心的ですね!

いつかの日に話した得意屬……俺は地屬であり、相反する屬は火屬だ。そういうわけで、俺は初級地屬【ロックボール】を選択した。多分、巖の弾丸とかそんなところじゃねぇかなぁ……。

順番が俺に回ってきて、的から數メートルほど離れたところに立った。先生や、他の験者達が見ている中で、俺は【ロックボール】の詠唱を始めた。

「〈我が腕かいなより・放たれよ〉【ロックボール】」

詠唱の開始とともに、俺の手のひらにソフトボールくらいの巖の球が生される。イメージ通りな、質そうなそれは、俺の手のひらで溜めを作ってから、宙を直進した。

直進した巖の弾丸は、確かな質量と速度を以って、的に向かっていく。そして、的の中心からし右側を直撃して、的を破壊した。

周囲から、しのどよめきが聞こえた。別に凄いことをしたわけではないんだが……初級魔なら初めてでも、詠唱さえ出來れば誰でも簡単に発できるんじゃないかな。実際、今やったし。初級って言ってるし。知らんけども……。

ここでも何だか先生達に褒められたので、とりあえず良いかな。

最後は弓。弓をつかってどれだけ正確に的をることができるかの試験だ。現実に弓を持ったの初めてだ。練習したが、弦を引くのにかなり力が必要なのと、狙いが定まらないのに結構苦労した。

ゲームのキャラクターってすごいねっ!とか思いながらいよいよ本番……と、そんな折に、ふと不思議な覚が俺に訪れた。

襲ったという表現を使うにはあまりにもしずしずとその覚が現れたので、訪れたという表現がぴったりだと思う。どんな覚かというと、まるで視點が一人稱から三人稱に移り変わって自分を自分で見ているかのような覚だ。ゲームみたいだ。

すっとは機械のようにき弓が引く。研ぎ澄まされた覚……照準はまったくブレず、ただ的の中心に向けて矢を放った。

シュンという風切り音とともに矢は飛び、的の中心を抜いた。それと同時に俺の覚は一人稱視點に戻った。なんだったんだ?今の……。

これまた弓の先生もビックリして、それから俺を褒めてくれた。今日はなんだか褒めてもらってばかりだ。

ま、悪い気はしないけどな。

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