《一兵士では終わらない異世界ライフ》その正

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こんにちは皆さん。今俺はストーキング・・・・・・行為をしています。変態じゃないです。下心はないんです。そう……これは重要な任務なんだよ!

だが、傍から見れば怪しいのは俺だろう。しかし、安心してしい……実は気配を察知する索敵スキル以外にも自分の気配を消し去る隠スキルなるものも俺は使えるのだ!

スキルは、索敵スキルに次ぐ俺の能力であり、前世では空気にすらなれた俺の臆病なまでの卑屈な神から生まれたスキルだ。

ハイディングってカッコいいなって思って編み出したスキルだ。それで俺は気配を消して空気となり、後をつけている。

おい、完全にストーカーじゃねぇかそれ。

まあわ仕方ない。今回はなにせ俺よりも怪しい男がノーラちゃんをストーキングしてるんだからな。しかし、何者なんだ?

気配を殺してノーラちゃんの後を追っているところからして、怪しいのは間違いない。そう考えると奴の目的はなんだ?ノーラちゃんは確か貴族の出じゃなかった筈だし……。

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そう考えると拐の線は薄いか?じゃあ変態か?六歳児のの子にしてしまうような変態なんじゃなかろうか?それが一番あたりかもしれないな。

よし、ここは王子様のようにいっちょ変態からノーラちゃんを守ろう。←ガキの発想

暫くつけていると、やがてノーラちゃんが建の間……路地の方へっていく。路地となると、もちろん人気のない道だ。

俺の中で警報が鳴る。この警報がなったときの俺の嫌な予的中率は百パーセントだ。この前は宿題を忘れていて、何か忘れているなと思ったときに警報がなり、「あ、宿題忘れた」と思い出した。

いやーまじ危なかったよ。危うく怒られてしまうところだったよ。でも他の科目でも宿題忘れていたのでその日は二回ほど怒られた。余談だが野営の課題は忘れたことがない。ギシリス先生に不真面目な生徒の烙印を押される訳にはいかないからね!

ノーラちゃんと男が路地にったところで俺も慌てて路地にる。すると案の定ノーラちゃんの悲鳴にも似た聲が聞こえてきた。

「もうっ!いい加減にしてよ!」

聲が聞こえた方を見ると、ノーラちゃんが全黒タイツの男に腕を摑まれていた。俺はその瞬間、戦闘モードに切り替わった。

視點が変わり一人稱から三人稱の視點へ移り変わる不思議な覚が訪れる。よく分からないが、魔を使ったり、弓を持ったり、剣を握ったりすると訪れるのである。この覚が訪れると同時に俺はいた。

ゆらっとく俺に、最初に気付いたのは黒タイツの男だった。隠スキルは発狀態だったので簡単には晴れないはずだったが完璧ではないからな。

俺は魔を使うために、魔力保有領域ゲートから魔力を解放する。

使う魔は、學舎で習った攻撃の初級地屬【ロックランス】のルーンを紡ぎ、詠唱を始める。

「〈荒くれる大地よ・貫け〉【ロックランス】」

頭から足の方へと流れた魔力が地面を伝って黒タイツの男の手前で、地面を槍のように隆起させた。地面からびてくる兇悪なそれに、黒タイツの男はノーラちゃんを離すという行程がったために避けるのに一歩遅れた。

黒タイツの男は、寸前のところでをズラして避けようとしたが、巖石で出來た槍は黒タイツの男の腕を掠めた。

俺は空かさず、もう一発【ロックランス】を放つ。が、これは簡単に避けられた。

速いっ!!

男は軽いフットワークで、必要最低限なきのみで【ロックランス】を躱していく。狹い路地に立した【ロックランス】の群れが邪魔で、これ以上は【ロックランス】が使えないというところまで來てしまった。

ここまでで【ロックランス】は何十発も使っている。魔力が結構ヤバい……。対して、男の方は余裕そうである。俺は歯噛みした。

くっそぉ……弓でもあれば。

勿論、こんなところにそんなものはない。男が一歩を踏み出し、萬事休すかところ思われたその時だった。ノーラちゃんから大聲で「ストォォォォップっ!!」という聲を掛けられたのだ。

それで視點も戻ってきて、いつも通りとなった。黒タイツは特に何事もなかったように立っていただけだった。

と、ノーラちゃんは視線を向けると呆れた顔で俺と黒タイツを互に見てため息を吐いた。えーピンチを助けただけなのになぁー。

危なかったけども……。

「はぁ……とりあえず々言いたいことがあるんだけど……まず、なんで君はここにいるの?」

「この……いかにも怪しい全黒タイツの男が君の後をつけてあたから気になって……」

「あ、それで……って噓……まさかお父様のことが見えてたの……?」

恐る恐るという風に聞いてきたノーラちゃんに対して俺は、「うん」と頷いた。何かおかしなことを言っただろうか。ていうか……お父様?

「ねぇ、この黒タイツの男の人はノーラちゃんのお父さんなの?」

「うん。お父様」

そう呼ばれて……ノーラちゃんのお父さん、もとい全黒タイツの男は俺の目の前へきた。

「吾輩はノーラの父である。ソーマ・アークエイである」

「あ、えっとどうも……グレーシュ・エフォンスです」

俺は手を差し出してきたので、それをとって握手をわした。と、ソーマというノーラの父は俺の名前を聞いて眉を寄せた。

「お前はアルフォードの息子であるか?」

「え?あ、はい。アルフォードは僕の父ですが……」

「そうか……ふむ。吾輩の『明化インビジブル』を見破るその量とさきほどの手合い……アルフォードは良い跡取りができたであるな」

えっと……いまいちよく分からないな。跡取りって何の話だ?

「あの、父のお知り合いなんですか?」

「うむ。吾輩はお前の父と同じ軍に所屬していてな。階級は大師長だ」

ここで俺の率直な疑問としては大師長ってなに?ってじだ。と、ここでノーラちゃんがもう一度尋ねてきた。

「ねぇ、本當にお父様がみえてたの?」

「ん?うん」

「そ、そっか……やっぱり魔といい凄いなぁ」

「え?そう?」

「うん。お父様の【明化インビジブル】って指定した相手以外からは見えなくなる魔なの。効果は者の制技能によるんだけど……こう見えてお父様は大師長になるくらい凄い技能をもってるんだよ。それを見抜くなんて凄いよ」

正直実が湧かなかった。ただ何と無くだけどこの人がかなり偉い人で、ノーラちゃんはその娘さんなんだということがわかった。

とりあえず気になったことを聞いておこうか。

「えっと……それでなんで娘さんの後をつけていたんですか?」

「娘が可いからだ」

「ん?」

「娘が可いからだ」

「あ、一回でいいですよ?」

つまりあれかこいつ……ただの親バカだったのかよ。心配して損した……と、俺の考えていることとは別にノーラちゃんは俺のことをとても心したような目で見ていた。

「ねぇ、お父様の魔を見破った方法は後で聞くとして君……グレーシュって実戦経験があるの?」

「グレイでいいよ。特にないよ?」

何故そんなことを聞くのか疑問に思ったが、とりあえずは橫に置いておくことにする。それから暫く、二人と他もない話が始まった。

「本當お父様は過保護すぎなんだよね。さっきも図書館でグレイと話してたときに、ふと窓の外みたらお父様がいるんだもん。ウチ慌てて出て行っちゃったんじゃん」

あぁ、それで急に図書館から出て行ったのか。なるほどね。

「吾輩はただノーラが心配だったのだ」

そういうソーマとノーラちゃんの會話に俺は笑いながらも家に帰った。今回はなんだか新しい出會いがあった。初めて警報が外れたがまあいい方に転がるに越したことはない。

ちなみに俺が家に帰って機嫌を悪くしたソニア姉に土下座することは言うまでもない。

そういうことだったのね……。さすが俺だわ。

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