《一兵士では終わらない異世界ライフ》學舎の祭
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こうして幾日かが経過し、學舎の祭の日がやってきた。學舎には々な屋臺が並び、様々な催しがなされていた。
「ちょっとアレ見てよ!やばくない!?」
お前は渋谷のJKか、と心ツッコミをれたのはノーラだ。ノーラは初めての祭でかなり興している様子だ。その橫で、はしゃぐ友人を苦笑じりに微笑みながら歩いているエリリーがいた。
俺はそんな二人の後ろを數歩離れた位置で歩いている。
「なんか新鮮なじ」
というのは俺の隣を後ろで手を組んで歩いているソニア姉からだった。學舎の制服が映える綺麗な金髪が、微風でなびくのを、俺は橫目で眺めながら訊いた。
「なにが?」
ソニア姉は片手で靡く髪を抑えながら、なんと言ったらいいのか迷っているのか微妙な面持ちで答えた。
「んーグレイがいるってことが……かな。今までは友達と回ってたし。それに……あたし、九歳頃までグレイのこと嫌いだったから。そんなグレイと一緒にお祭りを回ってるなんて、新鮮だなーって思ったの」
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今では懐かしいですね。三年前のことですもんね。私としては、もう姉弟喧嘩なんてしたかないですわね……。俺は自嘲気味に笑い、それからソニア姉の前に踴り出て、佇まいを正した。
「じゃあ、せっかくのお祭りだし……楽しみませんか?」
「ん……そうだね」
俺が紳士っぽく手を差し出してみると、ソニア姉はまるでお嬢様のような仕草で、俺の手の上にそっとその小さな手を置いた。
あぁ……小さくてらかい……でも、興はしない。近親相は嫌いじゃないけど……多分、本當の姉弟なんてこんなもんなんだろうな。
俺とソニア姉はクスリと笑い合うと、どこの屋臺で買ったのか綿飴を、ノーラが三本ほど持って俺たちのところに戻って來た。後ろでは一本の綿飴を持って、それを食べながら歩いてくるエリリーがいる。
「はい、グレイとソニア先輩に」
ノーラはそう言って綿飴を二本差し出してきた。うむ、ありがたく頂こう。
ちなみに、この綿飴はこっちの世界じゃあ、カミュルスパイダーの糸という。つまりは蜘蛛の糸です。うげぇ……でも甘い。僕は甘黨だから、どんどんカモンだぜ?
「あ!」
四人で屋臺などを見ながら歩いていたところ……唐突に、とある屋臺を指差して、エリリーがんだ。
「どうしたんエリリ〜」
「ほら、見てよノーラ」
「ん?的屋さん?」
エリリーが指差す方向には的屋がある。前世ではコルクを飛ばす鉄砲だったが、こっちの的は、もちろん弓だ。大二十メートルくらい離れたところにある景品を抜けば景品ゲット……ふむ。
「ちょっと待ってて」
そう言うとノーラとエリリーが期待の眼差しで俺を見つめてきた。ふっ……やらんよ?
ソニア姉は首を傾げていたが、俺が的をやるというのに気付いて、「頑張って」と一聲応援してくれた。よぉしっ!
俺は的屋のおじさんに銅貨を一枚渡す。すると弓と先っぽがらかい矢を二本貰った。チャンスは二回ということだ。
まずは、第一目だ。俺は集中するために一旦目を閉じる。そして開けたときには視點が切り替わっていた。三人稱視點……戦闘モードと呼んでいる狀態だ。この狀態の俺は、まるでゲームコントローラーで自分のをかしているかのようにがく。未だに、どうしてこんなことが出來るのかは不明だ。
まあ、今はどうでもいいが……さて何を狙おうか。ふむ……ん?あの左隅のはソニア姉が好きそうなのアクセサリーだな。ソニア姉が好きなは黒だ。昔はピンクとか、の子らしいだったが……いつからか黒のを好むようになったのだ。髪留めも黒が多いし……。よし、そうと決まればだな。
俺は弓を引いて、特に溜めもせず、ヒュンッと矢を放った。しだけ山形に景品に向かって飛んでいく矢は黒のブレスレットにジャストヒットした。
「おっ、おめでとさん」
と、店主はいって俺に景品であるブレスレットを渡した。
「えーブレスレット?」
「うわーヌイグルミを期待してたのにー」
陣……主にノーラとエリリーの非難が俺に集中した。しけりゃあ自分でやれよな……。
「いや〜いい腕してるなぁ、坊主」
「た、偶々ですよ……」
苦笑いしながらも、店主のおっちゃんから黒のブレスレットをけ取った。
りはらかで、何が使われているのか気になったが、とりあえずソニア姉にプレゼントしてしまおう。俺は黒のブレスレットをソニア姉に手渡した。
「え……いいの?」
「うん。ソニア姉、黒好きでしょ?」
「でも……」
「もらって。僕は使わないし」
ソニア姉は遠慮がちだったが、最後には俺の好意をけ取ってくれた。
「ありがとうね」
「うん」
すると背後に邪悪なオーラがっ!って、ノーラとエリリーかよ……仕方ない。俺は最後に一本の矢でヌイグルミを抜いた。
店主には、「すげえ腕だなー。子供にしか見えねぇぞ?」と言われた。子供だよ……中はおっさんだけどな。実質、ガキには変わらない神年齢なんだけども……。
ヌイグルミをエリリーとノーラにあげると、嬉しそうに二人同時にけ取り……そして気付いたらヌイグルミの取り合いをしていた。
あぁ……ヌイグルミのがぁ……。
最終的にはソニア姉が、「喧嘩しちゃめっ」と叱ったので二人は不貞腐れながらも、ソニア姉には逆らえないので大人しく従った。子供だな……子供なのか。そうだった。
そして、また暫くあちこち回って歩いていると道の奧の方からなにやら黃い聲が聞こえ始めた。気になって俺たちも見てみると、道を優雅に歩くアリステリア様がいた。その橫にはイケメン従者のアイクがいた。ちなみにアイク・バルトドスが彼のフルネームだ。気配から察するに近くにはソーマさんもいるようだ。ノーラもソーマさんに気が付いているようで、何故かげっそりと顔を歪ませていた。今のところは俺に見えないが、【明化インビジブル】でノーラにだけ、見えるようにしているのかもしれない。
道を歩くアリステリア様を呆然と四人で見ていると、その視線に気付いてアリステリア様がチラリとこっちを見るなり立ち止まって、優雅にお辭儀した。
「こんにちは、みなさん」
そのしい仕草に思わず俺たちは見惚れた。周りの子生徒たちは、「きゃーっ」とんだり、男子生徒に関しては言葉も出ないようだ。
アリステリア様が顔を上げると、今度はアイクがお辭儀した。
「こんにちは」
これまたしい仕草。だが、俺にそっちの気はない。しかし、男子生徒たちですら、これまた言葉を失うほど彼の仕草は完璧だ。もしかすると、四つん這いの生きが湧いているのかもしれない。殺蟲剤を散布しようかしら……。
「こんにちは」
とりあえず、一番最初に回復した俺はアリステリア様とアイクに挨拶を返しておく。それから直ぐに、ソニア姉がぺこりとお辭儀した。ノーラとエリリーはまだかかりそうだな。
「こっちの二人はまだ復活しなさそうなので、お許しください」
一応、斷るとアリステリア様は微笑んでから、「構いませんわ」と許してくれた。
「みなさん。學舎の祭は楽しんでいただいていますか?今回はわたくし達、生徒會の催しもあるのでそちらの方もご參加していただけると嬉しいですわ」
へぇーどんなんだろう。
「えぇ、では是非。いつからで?」
「闘技大會の後ですわ」
「わかりました。場所はどこへいけば?」
「學舎の庭を予定していますわ」
「はい。では後ほどいきますね」
それから俺はアリステリア様との會話を暫く楽しんだ。
うん、學舎の祭って楽しいなぁ!
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