《一兵士では終わらない異世界ライフ》VS魔道機械

俺は一人、敵陣へと乗り込んでいき敵を斬り伏せていく。左から右へ……どこからともなく湧いてくる敵兵を何の躊躇いもなく、剣でその首を撥ね、弓で心臓をて、魔で押し潰した。

そうして、暫くして索敵範囲に巨大な何かを知した。この気配は以前にもじたことがある……と、俺が気配を探って構えているところに、ブーンというエンジン音を立てて何かが俺のもとに向かってきていた。

「……」

弓を構えていると、俺の視界の先に土埃を上げて平原を走る自の魔導機械マキナアルマが見えた。

には何人かの敵兵が載っている。走行車両のようなものだろうか……まあ、何にせよ殺すには変わらないがな。

俺は矢を引いて、水屬でレンズを……風屬で矢に回転を加えて火屬で鏃に発的な威力を付加させ、最後に雷屬で全ての力を底上げする……俺の固有弓技。

「【バリス】!」

ズガーンと地面を抉って突き進む矢は一直線に自へ飛んでいく。轟音と衝撃波が一帯を支配し、嵐の源が邪魔なもの全てを薙ぎ払っていく。自は眼前に迫る【バリス】の矢を避けることが出來ず、一閃が煌めいたかと思うと、次の瞬間には【バリス】が自を貫き、発していた。

「ふぅ」

俺は一息吐き、次にどうするかと辺りを見回すとクロロがこちらへ走ってきていた。

「もう!前に出すぎですよ」

「あぁ……悪いな」

俺が軽く手を挙げて言ってやると、「ぐ、グレイくん?」とクロロは首を傾げたが直ぐに頭を振って、言った。

「このまま前線を押し上げましょう」

クロロの言葉に頷き、俺たちが一番戦闘に立って前線をグングンと押し上げていく。

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を失い、士気の下がった敵の脆弱な前線は直ぐに崩れて、俺たちが押し始めていた。

「グレイくん!」

「任せろ」

俺とクロロは互いの背中を預けつつ、クロロは刀で敵を薙ぎ払い、俺が弓で敵を抜く。

なんだろう……このじ。

が熱く、魂が熱気帯びている。極限の狀態の中で俺は戦っている……おかしいな……戦う前まではあんなに震えていたのにな。

そんなことを思いつつ、隣で戦うクロロに目を向ける。きっと……彼のおなのだろう。

俺は視線を戻して、弓を引いた。

–––☆–––

前線を押していき、陣形の崩れた敵軍に追い打ちをかけるようにして侵攻する自軍……この調子でいけば、勝てる!

と、ここで前線まで上がってきたワードンマが険しい表で言った。

「魔導機械マキナアルマはどこじゃ!」

そう……俺が破壊した自とは別にもう一いると報告があった筈なのだ。それなのに、ここまで前線を押していて未だに現れない……。

「どこにいるのかしら……」

「たくっ……このまま出て來なきゃいいんだけどな」

アルメイサとナルクは口々に言って、向かいくる敵を倒していく。

「ん……?」

ふと、俺の耳に何か聞こえた気がして空を仰いだ。なんだ……?今、何か聞こえたような……俺が天に注目している時、それは突如として落ちてきた。

瞬間、俺の脳にアラームが鳴り響き、視界に見えたミサイル・・・・を迎撃するために、反的に弓を引いていた。

「上から來るぞ!」

俺がぶと同時に前線で戦っていた何名かが気が付いて、上を見上げた。

およそ數十発というミサイルの雨に、多くの味方が青ざめた顔をした。

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俺は矢を番えて【フェイクアロー】で出來る限り撃ち落としていく。

ミサイルと俺の放った矢が衝突し、空中で発する。その煙が宙で広がっていく。

「〈……討ち滅ぼせ〉【アイスレイピア】」

アルメイサ魔を唱え、ワードンマは大槌を振ってミサイルを破壊していくが……數が多すぎる!

「このままじゃダメだ!一旦下がれ!」

俺の怒號が轟き、いち早く反応した兵士たちが下がり始めるが遅すぎた……何発がらしたミサイルが兵士たちを襲ったのだ。

味方の悲鳴、そして敵の悲鳴……敵味方関係なしかよ!!

俺が心でび上げたところで、ミサイルに追従するようにして巨大なそれが姿を現した。

「っ!?」

咄嗟に俺はを投げて、その場から離したが……衝撃だけで俺のが吹き飛ばされた。

「ぐっ」

【ブースト】でをなんとか空中で勢を立て直し、落ちてきたものに目を向けた。クロロもなんとか避けたようで、それを凝視していた。

黒い骨格は沢を放ち、人の姿のように見えるそれは……ガンダ◯や鉄◯のようだ。これが例の魔導機械マキナアルマか……と俺は心で舌を巻いた。

空からダイナミックに現れた魔導機械マキナアルマの頭部には、疲れ切った顔の中年のおっさんがいた。

「あれは……」

聞かなくても……何と無くだけど……俺には誰なのか分かった。恐らく、ユンゲルだ……しだけユリアに似ている部分がある。

ユンゲル……辛かったよな。お前が大好きな家族を……大切な人たちをこんな風に傷つけられて……今、解放してやるからな。

俺が地面を蹴り出すと、「グレイくん」とクロロの俺を呼ぶ聲が聞こえた。

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「はぁあああ!!」

弓をしまい、両手を空する。そして、俺は魔力保有領域ゲートを開いて詠唱を始めた。

「〈……滅びろ〉【イビル】!」

空の両手に、超合金の悪魔の腕が生されていき、俺の手を武裝した。巨大な悪魔の手を【ブースト】の力で持ち上げ、ずっと魔導機械マキナアルマに向かって走る俺は、勢いそのまま右手を握りしめて拳を作り、巨大な魔導機械マキナアルマのボディを毆り飛ばした。

ズドンッと強烈な一撃を放ち、衝撃が魔導機械マキナアルマの質なボディを辿って地面へと渡った。

それは大きな揺れとなって現れて、大地がぶれた。

「ぐっ……うぉおお!」

俺は全力で振り抜き、魔導機械マキナアルマを力任せにぶっ飛ばした。

勢を崩して地面に伏した魔導機械マキナアルマの上に覆い被さるように乗っかり、悪魔の手で魔導機械マキナアルマを押さえつける。だが、さすがにこれで終わる相手ではないらしく、肩部から再び大量のミサイルを俺に向けて放ってきた。

「【イビル】解除!」

んで、腕にくっ付いていた【イビル】を外して離……俺が居なくなって目標を失ったミサイル群が全て魔導機械マキナアルマに降り注いでいった。

「やったか……」

ついつい、口を突いて出してしまったは言葉は、案の定フラグになってしまったらしく……魔導機械マキナアルマはに引っ付いていた【イビル】の亡骸を払うと、當然のように立ち上がってきた。

やっぱり……さっきの自やら林で戦ったのとは異質なじがしたんだよなあ……一筋縄じゃいかないか。

俺は目の前の魔導機械マキナアルマを見據え、ふと三人稱の視點の視界の端に移るミニマップ……その中心にいる俺の背後に再び、突然何かが現れた。

「くっ」

的にまずいと判斷し、前に跳躍して地面に手をついて反転して新たな敵を目視した。

「……誰だ」

俺がそう問いかけると、目の前に佇む妖艶なは薄い笑みを浮かべた。

「私……子供は男でも好きな筈なんだけれどねぇ……貴方からは三十過ぎの醜い男の気配をじるわぁ」

と、ピンクの髪したしき悪魔は言った。角生えてるし……耳長いし、尾あるからな。悪魔だろ。多分……俺が心でそう決めつけると目の前のはそれを否定するかのように首を橫に振った。

「うふふ……私は悪魔デーモンじゃなくて魔サキュバスよぉ」

心を読まれている……?

それに答えるようにして、は頷いた。

「うふふふふ……心の中でと呼ばれるのも鬱陶しいわねぇ。一応、名乗ってあげるわよ、不思議な坊や」

また……坊やか。

目の前に立つは、腰に手を當て、その大きなを強調して言った。

「私の名前はゼフィアン……宜しくね、坊や?」

「ぜっ……」

思わず目を見開き驚いたが、すぐに冷靜になる。ここは戦場……平常心だ。落ち著き、集中しろ。

目の前にゼフィアンがいるからなんだ?ただ、殺す・・ことには変わりない。

そう俺が再認識すると、ゼフィアンは肩を竦めてやれやれと両手を挙げて首を橫に振った。

「殺す……だなんて、騒ねぇ?」

それを皮切りにして、俺は剣を背中から引き抜いてゼフィアンに斬りかかった。

「っ!グレイくん!ダメです!!」

俺がゼフィアンの目の前で剣を振るう直前に、そうクロロがんだのと同時に俺の脳にアラームが鳴り響いた。

「ちっ……!」

咄嗟に飛び退いて橫の方へ逃れると、不思議な力で先ほど俺がいたところが押し潰され、地面が陥沒した。

なんだ……?

俺は鋭く目を向けるが、ゼフィアンはやはり薄く笑みを浮かべているだけだ。

俺が怪訝に思って見ていると、橫からクロロが刀を抜刀してゼフィアンに斬りかかった。突然の奇襲だった筈だが、ゼフィアンは手に氷の剣を作ると、それをけた。

ゼフィアンとクロロが鍔迫り合いになり、その狀態でクロロがんだ。

「ダメです……グレイくん。この人には近づかないでください」

底冷えするような殺気を放つクロロの聲を聞いた俺は黙って頷いた。ここはクロロに任せた方がいいのだろうと……俺の索敵範囲で魔導機械マキナアルマがき出した。

「くっ」

そういえば、ゼフィアンに気を取られすぎてた。俺は魔導機械マキナアルマが腕を振るって攻撃してきたのを躱そうと足をかす……が、どういうわけか足がかなった。

「なっ……」

どういうことだ……?

「うふふ……」

戦慄したながらも、俺は相変わらず薄い笑みをたたえるゼフィアンに視線を向ける。今もなお、クロロと鍔迫り合いを続けているが……ふと、ゼフィアンが氷の剣を握っていない方の手が握り締められているのを見て、俺は嫌な寒気に襲われた。

あいつか!

原因が分かったところで、魔導機械マキナアルマの腕は直ぐそこまで迫ってきていた。

風を割って、もうスピードで振るわれた質な腕……その威力は計り知れないだろう。

「グレイくんっ!」

クロロは俺を助けようとするが、ゼフィアンの邪魔がり、援護にることも出來ないようだ。

ここにいるのは俺だけ……もしかしたら、こんな危機的狀況だったなら、漫畫やアニメなんじゃ主人公が助けにってくれて、チートな力で全てを薙ぎ払ってくれるかもしれない。

だが、今ここには俺しかいない。

そうだ……漫畫やアニメじゃない……。

これは紛れも無い現実だ!

俺は眼前に巨大な腕が迫っているというのに酷く冷靜な思考で、この狀況を打破する方法に全ての時間を費やす。

これほどの威力と質量を持った攻撃は、いくら【ブースト】狀態の俺でもけたらただじ済まないだろう。何とか、その威力を抑えて最小限度のダメージに止められれば……。

しかし、魔を詠唱している時間はない。もう魔導機械マキナアルマの腕は直ぐそこまできているのだ。

この瞬間……剎那の時間で魔を発させろ!!

俺は無意識に右手を魔導機械マキナアルマの腕の方へ突き出して、魔力保有領域ゲートを解放し、魔力を流す。

流された魔力は、詠唱という過程を省かれたが、それでもいつものように地面を……巖盤ごとひっくり返して、俺の目の前に【ロックシールド】の壁が現れた。

無詠唱……ほとんど反的に行ったが、俺がずっとんでいたものが出來た。そしてそれは、今の俺にとって救いの手だった。

加速された意識と、極度の張狀態の中で【ロックシールド】をさらに重ねてもう一度、無詠唱で発し、二枚の障壁と【ブースト】の防力の三段構えで魔導機械マキナアルマの攻撃に迎え撃つ。

魔導機械マキナアルマの攻撃が、【ロックシールド】を一枚二枚と破壊し、俺のもとへ到達する頃には勢いが幾分が相殺出來ていることを確認し、俺は腕を十字に構えて防姿勢をとる。

ズドンッと重たいものが前面にぶつかり、衝撃でゼフィアンの拘束も解けて、俺のは宙を飛んだ。速度は実にマッハ……音が後ろから歩いてくる。

「ぐぅ……」

あまりのGにが悲鳴を上げ、【ブースト】の裝甲が軋む。それでも、ここで止まるわけにはいかない!

俺は【ブースト】の肩部あたりに意識を集中させて、そこから飛行機のジェット噴をイメージして火の元素を構築……大丈夫、今の俺なら出來る!

再び無詠唱で発された新たな魔・・・・・が、ジェット機のエンジン音のようなものを轟かせながら、俺が飛んでいる方向とは逆方向に推進力を徐々に足していく。

発的に炎が噴出し、俺のはやがて前へ前へと進み始めて、今度は魔導機械マキナアルマの方角へマッハ・・・で飛んだ。

音が戻ってきたかと思ったら、再び遅れて歩いてくる。ふと、眼下にはオーラル皇國軍とイガーラ王國軍がれて戦っている。そんな景を眺めていた俺は、自分が今……空を飛んでいるのだと何となく自覚したが、そんなも直ぐに薄れて、視界に移った魔導機械マキナアルマに向かって渾の一撃を叩き込むべく、再び無詠唱で魔を行使する。

「【イビル】!」

右腕から巨大な悪魔の腕がび、大きな手が握り締められて拳を作る。ジェット噴で飛びながら、【イビル】の重さを考えてバランスをとり、マッハの速度で【イビル】の一撃を魔導機械マキナアルマの部に叩き込 んだ。

ズドンッ……なんて生易しい衝撃音よりも大きく、そして強い衝撃が激震し、魔導機械マキナアルマはその巨を數百メートルほど後方へと吹き飛ばした。

俺は全ての衝撃をこのけてしまったために、右腕を臼し、空から地面に落ちた。もしも、【ブースト】狀態でなければはバラバラになっていただろうが……。

肩を抑えながらユラリと立ち上がり、気配を頼りにクロロとゼフィアンを探すとゼフィアンが四つん這いになって膝をつくクロロに手のひらを向けて立っていた。

そんな!クロロが負けたのか!?

俺が助けようと、痛む肩を無理矢理かして弓を引いたところで、何故かゼフィアンが困ったような笑みを浮かべていることに気がつき、怪訝に思って耳を澄ませると、ゼフィアンの呟きが聞こえた。

「……私、あまりの子は傷つけたくないのよねぇ」

どこかの主人公のセリフかよ。クロロはというと、何やらブツブツと呟いていた。詠唱か!と思ったが、心が読めるゼフィアン相手に不意打ちの魔が通用するわけが無い。それはクロロも分かっているはず……、

「あぁ……グレイくん。私が、私が守るって約束したのに……もう私はダメです。ダメ人間です」

クロローー!!

俺は歯噛みして、大聲でびあげた。

「クロロ!!」

だが、クロロには屆いていないらしく敵兵だとでも思っているのか、「レイ◯でもしますかー?」と半ばヤケクソ気味だ。

あの馬鹿がっ!

俺は矢を番え、ゼフィアンを狙い撃つが、やはり心を読めるゼフィアンには通用せずにヒラリと躱された。しかし、クロロとゼフィアンの間が空いたため、俺はそこに割ってってゼフィアンと対峙した。

「クロロ!」

俺はゼフィアンと対峙しながらも、橫目で呼ぶが反応がない。どんだけ落ち込んでんだよ……。

目の前で腕を組んで佇むゼフィアンは、溜息をふうっと吐くと仕方なさそうに手を前へ突き出した。

の子も子供も嫌いじゃないけれど……貴方達は生かしておくと私の障害になりそうだからぁ〜……ね?」

グッと、突き出された手を握り締めだからぁゼフィアンに合わせて、俺の周囲の空間がひしゃげ、歪んだ。

「やばい」

ヤバいヤバいヤバいっ!

クロロを抱えで俺は、もう一度ジェット噴出計り、俺たちがいた空間が押し潰れる寸前で何とか逃げたせた。

ザッとるように地面を移して、立ち止まり、腕の中で呆然とするクロロに言った。

「いい加減目を覚ませクロロ!俺は生きてるぞ!勝手に殺すな!!」

「あ、グレイくん」

「あ、じゃねぇよ!しゃんとしろ!」

「ひゃん」

と俺が思わずび上がると同時に腕に力を込めると、クロロが顔を真っ赤にして普段のクロロではまず聞けないような短い悲鳴が聞こえた。

「わ、わるい……」

途端に俺も気恥ずかしくなって、クロロを下ろしてやるとクロロも気恥ずかしくのか顔を赤く染めて背中を向けた。

「うふふ。初々しいわねぇ〜?若いって素晴らしいわぁ」

ゼフィアンはパチパチと拍手をしながら、皮じりに言ってくる。クロロは頭を振って、真面目な顔に戻すと言い返した。

「若いというほど、私は若くありません。私なんて年増で十分です」

「あら?私の方がそれなら年増よぉ?」

どんな言い爭いだよ……俺が傍らで呆れかえっていると、ゼフィアンの後方で魔導機械マキナアルマがき出しているのが見えた。

本當にタフだな。

俺は臼した肩を、痛みに耐えながらも無理矢理治した。

「さぁて……どうしようかしらねぇ?」

ゼフィアンと魔導機械マキナアルマが並び、俺とクロロも対峙して橫に並んだ。

周りでは、敵味方が攻防を繰り返し、ナルク、アルメイサ、ワードンマ、それにギシリス先生、ソーマ、アイク、ギルダブ先輩……みんなが戦っているのが分かる。

もしも、ここでこのデカイのとゼフィアンを通したらどれだけの被害が出るか分からない。

ここで止めてみせるさ。

「グレイくん」

クロロは隣に立つ俺に囁くように続けて言った。

「私がゼフィアンを食い止めますから、魔導機械マキナアルマをお願いします。この戦いは……あれを破壊すれば勝てますから」

そう言うクロロの視線は、魔導機械マキナアルマの頭部にいるユンゲルに向けられていた。

そう……だな。

「一人で大丈夫か?」

「もちろん。勝てもしませんけど、負けもしません。だから、食い止めるだけなら大丈夫ですよ」

簡単に言って退けてはいるが、ゼフィアンは本當に強い。どんな魔かは知らないが、無詠唱で使ってるのだ。どこからくるかも分からない見えない力に果たしてクロロだけで対応できるのか?

心配する俺にクロロは苦笑して言った。

「大丈夫ですよ……しだけ本気・・を出しますから」

クロロは言った瞬間、目を鋭くし、瞳をらせた。一瞬でクロロの纏う雰囲気が変わったことに俺は思わず気圧され、じるチリチリとした威圧にクロロの本気・・という言葉の意味を理解した。

なら……そっちは任せたぞ。

俺とクロロはそれぞれ戦うべき相手の前に立った。

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