《G ワールド オンライン ~ユニークすぎるユニークスキル~》第十一話 神話し
勇人とアテナは今、アテナイの町を並んで歩いていた。
勇人が大聲を出した後、多くの冒険者達がアテナへ詰めかけてきた所で、勇人はアテナに手を引かれて逃げてきたのだ。
そして何故か今は、一緒に観をしている。
「あの、アテナ様はどうしてここに?」
畏まった様子の勇人にアテナは笑みを浮かべて言った。
「そんなに畏まらなくても良いって、呼び捨てでも良いぞ?」
「それはちょっと……せめてアテナさんで許して下さい」
「まあいいだろう、それと私が私の町にいることがそんなに不思議か?」
「え、そうなんですか?」
「ああ、そうだ」
道理で町の名前と似ていると思ったと勇人は勝手に納得する。
それにしても目の間ににいるのが神様だという実が勇人は湧かなかった。
実際、NPCではあるが。
「では反対に、君は何故ここへ?」
アテナは興味深そうに勇人に目を向けた。
勇人はし悩んだ素振りを見せ、答える。
「えっと、観ですかね?」
そんな曖昧な返事をする勇人にアテナは笑い聲をあげた。
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「はっはっは、その様子だとオリンポスに行こうとしていたところで、神の許可が無いとれないと知り途方に暮れていた、どうだ?」
「どっかで見てました!?」
あまりにも正確な推理に驚きの聲を上げる勇人。
アテナは相変わらず笑みを浮かべたままだ。
「いや、ただの勘というやつだ」
「勘にしては正確ですね……」
「よく言うだろ? の勘は良く當たるって」
「まあ、言いますけど」
神とするような話題では無いと勇人は察しながらも會話を楽しんでいた。
アテナの方もずっと笑みを浮かべていたので勇人は一安心である。
「これはこれは、先程のお方ではないですか」
そこへ話しかけてくる人が現れた。
それはアテナイに來たばかりの勇人に々と説明してくれた老人である
「先程はどうもありがとうございます」
「いやいや、それにしても早速神に出會うとは運の良いお方だ」
チラッとアテナを見た老人は勇人にそう言った。
アテナを見てそれほど反応が無いことに勇人は驚いたのだが。
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「なんだ、君はヘルメスと知り合いだったのか」
そこへアテナが聲を発する。
その言葉を聞いて勇人は老人を見て固まった。
「え、ヘルメスってアテナさんと同じで……」
「全く、もうし老人演技を楽しみたかったんだけどなあ」
そう老人が口調を突然変えると、一瞬にして姿が変わる。
茶髪な青年に。
「それは悪いことをしたな」
「いいよ、それで彼は驚きのあまり直しているようだぞ?」
アテナとヘルメスが勇人の方へ振り向く。
そこには未だ現実がよく分かっていない勇人の姿があった。
「ああ、言ってなかったな、我々神は姿を自在に変えられるんだ」
「でもね、目のと髪の、別とかは変えられないんだけど」
そうアテナとヘルメスにけた説明に勇人は呆然とする。
「えっと、先程の老人はヘルメス様ということですか」
「そうだね、それに僕も様付けはいいかな」
「分かりました、ヘルメスさん」
ヘルメスは満足げに頷く。
「ところでヘルメス、なんでここへ?」
「僕もたまには息抜きが必要だと思ってね」
「ヘルメス、君はほとんど自由気ままだと私の中ではじているが?」
アテナは呆れ気味にヘルメスを見つめる。
その間の勇人はひたすら黙ってその會話を見つめているしかできなかった。
「細かい事は気にしない、僕はそこの勇人君に興味があってね」
ヘルメスは勇人の方を微笑みながら見つめた。
アテナは怪訝そうな表でヘルメスを見る。
勇人は困していた。
「彼を? 何故だ?」
「君だって彼に興味があるくせに」
ヘルメスはニヤリとアテナを見る。
対してアテナの方は鼻で笑い答える。
「まあね、だが君が思っているような事はないが?」
「あらら殘念、まあ君がを覚えるなんて期待してないけどね」
急になんの話を!? と勇人は困していた。
そんな彼を置いておいたまま話は進む。
「で、何故彼を?」
「特に理由はないさ、強いて言うなら何かじるってところかな」
「じる? そうか……君、何か変わったものを持っていないか?」
突然アテナは勇人話をふる。
突然そう言われても思いつくものは無い勇人だったが……
「突然そう言われても……あ」
勇人は何かを思い出したように持ちを探す。
勇人にはユニークスキルのおかげで々なアイテムが手にりやすくなっていることを思い出したのだ。
「これとかですか?」
勇人が取り出したのは、レナの時に取り出したドクロのベルトだ。
正直何に使うことものか分からないアイテムだったので取り出してみたのだった。
「ほほう、興味深いものを持っているねえ」
ヘルメスは勇人の持っていたベルトをすぐさま取り上げて眺める。
アテナはやれやれというように首を振る。
「すまないね、ヘルメスはっからの盜人……いや悪く言い過ぎたか、珍しい好きといった方がいいかな」
「そうだよ、だれが盜人だ、どう見たって好青年の僕がそんなことをするわけがないだろう?」
ヘルメスはを張って答える。
見ためは変えられるのでは? と勇人は心思っていた。
アテナはそんなヘルメスに呆れた表のまま言った。
「生まれて直ぐに盜むようなやつがか?」
「あはは、あれは昔の話しさ」
「それでいつまで君は、彼のを持っているのかな?」
アテナがずっと他人の持ちを持っているヘルメスにそう言った。
勇人としてみれば、特に大事なでは無いのであげても良いのだが。
「これはなかなかに珍しいだよ、返してしければ僕を倒してみなってね」
ヘルメスはササッと後に下がって、勇人に対していった。
勇人は困し、アテナは呆れ顔のままだ。
「何が盜人じゃないだ、今その行は紛れもなくそれだろうに」
アテナの様子を見るに、力になってくれそうにないとじた勇人はひとまず様子を見るべく話しをかける。
「えっと本気ですか?」
「もちろん、君の実力を見せて貰おうか、あ、一つ言っておくけどアテナは手助けしないと思うよ、だって彼も君の実力をみたいっぽいし」
ヘルメスの言うように、アテナは腕を組んだままこうとしない。
勇人は神相手にどうにかなるのかと、心ビクビクしていた。
「あの、自分なんかが神様に勝てるとは思わないのですが」
「それは大丈夫、人間の姿になった僕たちは、力も人間並になってるんだ」
それは果たして平等なのか分からない理由をヘルメスに述べられる。
人間並みとは言っても人間にも力の差は結構ある。
そして勇人はあることを忘れていた。
「じゃあ僕からいくよ、はっ」
「うわ、もう、どうにでもなれ」
この世界がゲームであることを。
ヘルメスの拳を避けた勇人は、ヘルメスに拳を突き出す。
その拳の速度はヘルメスの予想を大きく超えたものだった。
もちろん早いという意味で。
「ぐあっ、ははは、さすがは異星人、にしても慣れてるね」
ヘルメスは一発けたのにもかかわらず、顔一つ変えずに言った。
勇人の拳はゴブリン素手の勇者としての実績がある。
勇人自は認めたくない実績だが。
「以前、武無しの時期がありまして」
勇人は苦笑いをして答える。
「そうかそうか、そしてそれほどこのベルトは大事ななのか」
「え? あ、そうか」
勇人は今自分が戦っている理由に気がついた。
ベルトを取り返すためなのだと言うことに。
そして勇人は別にベルトはいらないといってもいい。
「あのそのベルト正直いらないので、戦いは終わりで良いですかね」
「え? 本気かい?」
「まあ、そうですけど」
勇人の言葉に驚きを隠せないヘルメス。
初めて顔を変えたともいえる瞬間である。
「うーん、それなら戦う理由がないねぇ」
「ですよね、じゃあ終わりましょう」
ヘルメスが悩み始めた瞬間を見計らって言葉を並び立てる勇人。
「まあ僕はそれほど君と戦いたいわけではないからなぁ、アテナが良いなら良いけど」
そう言ってヘルメスはアテナを見る。
今思えば、アテナの方が勇人の戦いを見たい方なのだった。
おそるおそるアテナを見る勇人。
そしてアテナが言った。
「まあそれなら仕方がないな、理由がない戦いなど、野蠻なアレスと変わらんからな」
アテナはしれっとそう言い放つ。
アレスといえば、軍神として有名な神である。
「相変わらずアレスとは気が合わないみたいだね」
ヘルメスは笑みを浮かべてそう言う。
勇人にしてみればもう戦わなくて良いということにホッとしていた。
「今日は悪かったね、ではこのベルトは貰っていくとして、僕とアテナどっちに君はつくのかな?」
「え?」
ヘルメスの突然の言葉に言葉を無くす勇人。
「突然そんなことを言っても分かるわけがないだろうヘルメス、そうだな、簡単に言えば神同士の戦爭……いや喧嘩が正しいか、まあ試合のようなものだ、それのルールというものがあってだな、神が直接戦うことは止なのだ、なので変わりに下界の生を戦わせ勝敗を決める。
なんとも、下界の生を駒にしているようでいけ好かないのだが、私もこう見えて負けず嫌いでな、勝負事には何でも勝ちたいんだ」
アテナは勇人にそう説明していく。
「僕は正直どうでも良いんだけど、負けると何か奪われそうでね」
ヘルメスも続いてそう言った。
「つまり、自分はアテナさんかヘルメスさんのどちらかにつくか決めないといけないってことですか?」
「強制というわけではないが、できれば參加した方が良いと思うぞ? 何しろ豪華景品があるそうだ」
「景品ですか……それはしいですね」
これもイベントの一つなのだろうと勇人は思った。
そして恐らく景品は、神話を元にした武である可能が高く、プレイヤーならから手が出る程しいの一つである。
「まあ直ぐに決めろとは言わないさ」
アテナがそう言い、ヘルメスもうんうんと頷いている。
すると、急にアテナが顔を変え空を見上げた。
「アテナぁ、さっき俺の悪口が聞こえたようだが?」
簡潔に言うと空から人が降ってきた。
それを見てアテナが一言。
「アレス……」
また厄介な波イベントがやって來たなと勇人は思ったのだった。
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