《G ワールド オンライン ~ユニークすぎるユニークスキル~》第十六話 ファラオウス王族
ひとまずユウトは自分の部屋へと案された。
その案人はジャックであり、移の間に魔法の事について々と説明してくれた。
「じゃ、ここがユウト君の部屋だからね」
案されたのは城の隣にある屋敷。
どう見たって王族が住みそうなところだ。
もちろん、王族は城に住んでいるだろうが。
「あの、本當にこんなところに住んで良いんですか?」
「今さら何を言っているんだい、それとも何かな、もっと良い場所がいいのかい?」
ユウトの言葉にジャックは意地悪な笑みを浮かべて答える。
ジャックにとってはこれは確定事項のようで、ユウトはどう反論しても無駄なのだと判斷し諦めた。
「あ、それと、もう一度頭を貸してもらえるかな」
頭を貸すという言葉自聞き慣れないものだが、ユウトはジャックがすることを理解していたので何の抵抗もなしに立ったまま。
そこへジャックがユウトの頭を手でれた。
「もしまた記憶に細工でもされたら困るからね、僕オリジナルの魔法をかけてあげよう」
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「オリジナル魔法?」
聞き慣れない単語にユウトは首をかしげる。
といってもユウトには魔法の知識はほぼ無いのだが。
「魔法というのは、決まった型がないんだ、発想力とそれを可能にする構力さえあれば、結構自由に魔法は作れるんだ」
「そうなんですか、それで何の魔法を?」
「それは、ユウト君がある特定のキーワードを言うたびに保存した記憶が夢に出てくるって言う魔法だよ」
何というか、それは呪いに思えるような魔法だとユウトは思った。
自分が嫌いな相手に悪夢を見せることだって可能なのだ。
「その顔は疑ってるね、大丈夫、ちゃんと保存する記憶は自分で選べるようにするから、そうだな、君が鑑定眼を使ったときにというのはどうかな?」
鑑定眼を使うたびに保存した記憶を更新していくという提案をけたユウトは、ひとまず考える。
鑑定眼はほどよく使っていくつもりであり、その頻度なら申し分ないかもしれない。
「分かりました、それにします」
「はーい、後は、キーワードだね」
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「それも自分で決められるんですか?」
「もちろん、あ、でもあまり言わない単語が良いよ、挨拶系の単語だったら毎日、これまでの人生が夢にでてきちゃって大変だし」
「分かりました、じゃあ――コネクトでお願いします」
「コネクト? 分かったそうしておくよ」
初心忘るべからずというのでユウトはそう設定してもらった。
ゲームじゃなくなってしまった世界では決して言うことではないため、不意に言ってしまう事はないだろう。
しかし、記憶を無くしてしまったときにこの単語が出るかは不安なので、ユウトは腕時計の畫面を開いてメモ帳にメモしておく。
「さっきも見たけど、その裝置はすごいね」
腕時計から出るディスプレイを見て心したようにジャックが言った。
ゲーム時代では他人からは見えることはなかったのだが、どうやら他人にも見えているらしい。
「そうですね、これがあるから自分たちは見ず知らずの土地でも生きていけているのかもしれません」
「そうか、いくら強いとはいっても異星人も人だもんね」
「はい、ではまた」
「はーい、夕食はまた城に來てね、王族の方々による招待をけてるから」
「えぇ、またですか」
「ははは、そう言わないで、ちゃんと來てね」
「分かりました」
ユウトとジャックはそう會話をわして別れた。
王様が思ったイメージよりもかなり親しみが持てる人なのは理解していたが、分の違いというものは慣れないため、ユウトは何か遠慮してしまうのだ。
ユウトの真面目な格が災いしてしまっていた。
サラなら、すぐにでも親しくなりそうだなとユウトは考えながら、ベットに倒れ込んで目を閉じた。
ファラオウス王國の王、ファオは軽やかな足取りで自室へ向かった。
その前に他の王族へと聲をかけに部屋に寄る。
「ミハス、今日の夕食は客人をえてする予定だ」
「あなた、また勝手に決めて」
ミハスと呼ばれたはため息を吐きながら答える。
ミハスはファオの妻であり、この國の王妃である。
「いいじゃないか、何てったって、異星人様だぞ」
「異星人って、何かの間違いじゃないんですか? 異星人は5年前に突然消えてそれから一度も姿を見せてないんですよ?」
「いいからいいから、多分本だよ」
「また、適當なんだから、でもあなたがそう言うなら本かもしれませんね、では、夕食は楽しみにしておきますよ」
ファオは次に息子の部屋へと向かう。
「エイン、今大丈夫か?」
「何ですか? 父上」
エインと呼ばれた青年、ファラオウス王國の王子である。
「今日の夕食は異星人を招いての夕食會を開く」
「異星人ですか!? 戻ってきて下さったのですか?」
エインは興気味に聞き返す。
エインは7年前に異星人に助けられて以來、異星人に憧れを抱いているのだ。
もちろんファオもそのことを知っている。
「ああ、そうらしいぞ、では、夕食を楽しみにしているといい」
「はい! 楽しみにしておきます」
興したエインと別れ、ファオは次に娘のところへと向かう。
「はぁ、あいつは素直に応じてくれるかどうか……」
ファオは深呼吸して娘の扉をノックする。
「はい? 父様ですか」
「そうだ、クレアし良いか?」
「ええ、しだけなら」
アイリス、この國の王は扉を開けてファオを中にれた。
「で、なんのようです?」
「今日の夕食なんだが、客人を招いて歓迎會をしようと思う」
ファオの言葉に、骨に嫌な顔をするクレア。
クレアは、ファオの格とは正反対で催しをあまり好まない格だった。
「では、私は一人で夕食を取りますね」
「そこを何とか」
「いやです、そもそもその客人というのはどなたなんです? また隣國の王族とかではないですよね、私はあのような偉そうにしている方が嫌いなのはご存じですよね?」
クレアは嫌そうな顔をしながらファオに言葉を並べた。
「そこは大丈夫だ、客人というのは異星人だ、それに禮儀もしっかりわきまえている」
「異星人ですか……? それはにわかには信じられません、異星人が活発に活していた7年前でさえこの國に訪れるようなことはなかったんですよ?」
「どうやら、異星人達は何者かによってこの星に落とされたらしいんだ」
「落とされた? 降りてきたではなく?」
「ああ、本人から聞いたことだ、それ故世界各地に異星人が現れていると思われるらしい」
「そうですか……」
クレアはファオの言葉を聞いて、考える素振りを見せる。
そして、決心したかのように口を開いた。
「分かりました、異星人には一度お會いしてみたいと思っていたので、兄様は昔會ったことがあるみたいですけど」
「そうかそうか、それはよかった、では夕食時にまた會おう」
そうして、ファオは仕事を終えて自室へと戻り、別の仕事を始めたのだった。
「うーん、なんだぁー」
ベットの上でうめき聲を上げているのは異星人のユウトである。
彼は、自分のステータスを見ていていた。
「なんて読むんだこの漢字」
名前 ユウト
種族 地球人
才能 取捨選択 練度1『レアアイテムが出やすくなる』
練度2解放條件『――贄――――』
技能 鑑定眼
「どっかで見たことがあるんだよなー、ううん、分からん」
ユウトは辭書があれば良いのにと現代人らしい悩みを抱いた。
當然異世界にそんなものはない。
なので次の疑問に移る。
「鑑定と鑑定眼って何か違うのか?」
次の疑問は鑑定についてだ。
今までも眼で見たものから鑑定していたのであまり変わりはないように見えるが。
試しに何かを鑑定しようと、々なところに鑑定をかけてみる。
鑑定自は意志で発可能なため、いつでも出來る。
なので、そのまま鑑定したままユウトは部屋をウロウロし始める。
「失禮します、異星人様の部屋はこちらでしょうか」
そこへ若い男の聲がユウトの扉から聞こえた。
「はい、そうです」
ユウトは急いで扉を開ける。
そこには、王様の面影が若干見える好青年が立っていた。
名前 エイン
種族 エンガイスト人
地位 ファラオウス王國第一王子
「あ、こんにちは、自分はエインといいます」
「あ、どうも、自分はユウトです」
鑑定眼を開眼していたようで、目の前の青年を勝手に鑑定してしまったユウト。
そこでようやく、鑑定眼と鑑定の違いが判明した。
鑑定は意志次第でその場その場の鑑定が可能だが、鑑定眼は開眼しているときは常時鑑定してしまうのだ。
そして、それによって判明した目の前の人が王子という事実に、ユウトは驚きと焦りで戸っていた。
「あの、不思議な眼のをなさっているんですね」
エインがユウトの顔を見て言った。
「そうですか? 黒眼というのはこの國でも珍しいなんでしょうか」
「黒眼ですか?」
エインは不思議な顔をしてユウトを見る。
対してユウトもその反応に不思議な顔をする。
二人とも話しが食い違っていたのだ。
「えっと……自分がみるにユウト様の瞳は黃金なのですが」
そこでエインが恐る恐る聲を発する。
ユウトは何のことか分からないため困しっぱなしである。
そこで、ひとまず腕時計にれ、自分の顔を撮影して見ることにした。
「なんだこれ!? 黃金になってる」
ユウトは驚きの聲を発する。
何故ならユウトの黒であるはずの瞳が黃金に変わっていたからだ。
「えっと、どうしたんでしょうか?」
エインが困ったように聲を発した。
「あ、すいません、それに王族の方が自分の様な人に敬語を使わなくても良いですよ」
「あ、すいません、異星人は私の命の恩人なんです、その時からでしょうか、私の中では異星人が一番上になってしまっていて」
「そうだったんですか、でも自分には普通に話して下さい」
「分かりました、では、今はただの挨拶に來たと言うことで、また夕食時會いましょう」
「はい、楽しみにしております」
エインはそれだけ言って去っていった。
ユウトは自分の瞳が何故黃金になってしまったのか夕食までには直そうと決心するのだった。
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