《G ワールド オンライン ~ユニークすぎるユニークスキル~》第十七話 夕食會 前編
ユウトはあれから結局黃金になってしまった目を元に戻すことは出來なかった。
數時間、鏡の前で自分の顔を見つめているその絵は相當変人に見えたことだろう。
「気を取り直していかないとな」
ユウトは深呼吸して城へと向かっていた。
城にるのは二度目だが、當分慣れることはないだろう。
り口付近の衛兵にお辭儀をして、ユウトは城の中へとり言われていた通り廊下をすすむ。
そして案の上迷子である。
「これは非常にまずい、王族の方を待たせないために早く出たのは良いけど、迷子になったら元も子もねえ」
ユウトは迷路の様に思えてきた城の廊下を彷徨い歩く。
しかし、いっこうに目的の場所に著きそうになかった。
「一どこから間違ったんだ?」
焦りによってユウトの歩みは段々と早まっていく。
そういうときには鑑定が全く役に立たないのは本當に殘念だ。
「ああ、どうしよう」
キョロキョロと辺りを見渡しながら早歩きをして移するユウト。
そんなに注意散漫なら人とぶつかるのも時間の問題であり、曲がり角を曲がった瞬間、案の定ユウトは誰かとぶつかってしまった。
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「いてっ、す、すいません、よそ見をしてしまっていて」
ぶつかった人を確認する前にユウトは頭を下げて謝罪する。
城の中にいるの人は高確率で分が上だと判斷したためだ。
「全く、気をつけなさいよね」
ぶつかった相手はのようだった。
しかし、ユウトは未だ顔を下げたままである。
「ちょっと、いつまで頭を下げてるのよ、顔を見せなさい」
「は、はい、すいません」
そのからユウトへ聲が飛び、ユウトは謝りながら顔を上げた。
すると、ユウトの目の前に再びあの畫面が現れる。
名前 クレア
種族 エンガイスト人
地位 ファラオウス王國第一王
再び無意識に鑑定をしてしまうユウト。
そして明らかになる相手方の地位。
ユウトは顔を青ざめながら必死に謝る。
「すいませんでした、自分はユウトといいます、いかなる罰もけましょう」
「な、なによそれ、もしかして変態?」
勝手に変な誤解をされるユウト。
クレアはを引きながらユウトを見る。
「そういえば、見ない顔ね、どこの人なのかしら?」
「はい、自分は異星人でございます」
「え、あ、あなたがあの、異星人なの!?」
「まあそうです」
クレアは想像と全く違った異星人であるユウトを見て揺した。
もうし、堂々として自信に満ちあふれているような人だと思っていたからだ。
対してユウトの方は冴えない、腰が低いなど全然の的はずれだった。
「そうなの、異星人ってもうし偉そうな人たちだと思ってたわ」
「そうでしたか、もちろんそんな人もいるとは思いますが」
「なら、あなたは違うって事ね、まあいいでしょう、ぶつかったことは許してあげる」
「あ、ありがとうございます」
目の前の王様に気を遣いながら言葉を発するユウト。
王子様の時よりもユウトは揺しっぱなしなのは、彼が誰が見ても王という容姿をしているからだろう。
綺麗な金髪のストレートヘアーでパッチリした瞳に白な。
豪華な裝と來た。
磨きに磨かれたお嬢様といった印象をユウトはけていた。
「ところでどうしてこんなところにいるの? 夕食はここではないわよ?」
「お恥ずかしながら、迷子になってしまいまして」
ユウトは恥ずかしげに頭を掻いて答える。
クレアはまたしても異星人のイメージが崩れ去る。
そして、思ったよりも近にじ思わず笑みを浮かべていた。
「ふふ、あなたはとことん私の異星人モデルを崩してくれるわね、ついてきなさい、私が案してあげる、それにしても私に會わなかったらどうなっていたんでしょうね」
「このご恩は一生忘れません」
笑みを浮かべたクレアの破壊力は世の中の男を鷲づかみにするだろう。
ユウトも惹かれかけたというのはだ。
だが、ユウトの目はえている。
サラにミサキにレナ、そしてアテナといった達と行をともにしていたのだ。
そんな簡単に落ちるユウトではない。
「それにしても、兄さんがあなたを見たらどう思うのかしらね」
微笑みながらクレアは呟く。
お兄様というのはエインのことだろうが、會ったと告げるのは違う気がしたのでユウトは黙ってついていく。
「ユウトといったわね、あなた変わった目をしているのね、黒髪に金の目なんて聞いたことがないもの」
「それは、自分でもよく分かっていないんですよ」
ユウトの発言に興味をひかれるクレア。
「ん? どういう事かしら」
「えっと、自分の目は黒だと記憶してまして、ついさっき金に変わっていることに気がついたんです」
クレアはユウトの言葉に微笑みながら返す。
「何ですそれ、その話しが本當ならばユウトは黒眼なのですね、一度で良いから見てみたいですわね」
「黒眼というのは珍しいんですか?」
「ええ、もちろん金の瞳も珍しいですよ、ですがここの地域には黒眼なんていませんから、黒髪黒眼というのは遙か東の國々のお方に多いと聞いたことがありますが」
「なるほど」
クレアとの會話を楽しんで?いるうちにその場所に著いたようでクレアは足を止めた。
「ここですわ、もうほとんど來ているようですわね、良かったわね、私と會えて」
「本當に助かりました」
笑みを浮かべるクレアと一緒にユウトはその部屋へとった。
「おや、さっそく仲が良くなったのか、ユウト君も隅には置けないなぁ」
るなり王様のファオが茶化してくる。
「まあ、父様よりは仲良くなりましたわ」
クレアは鼻をフンと鳴らして反撃に出ていた。
ユウトにしてみれば、この會話にる気は全くないのでさっさと席に向かう。
「ユウト君、ここにどうかな?」
そこで手を振ってユウトを呼ぶのは、王子のエインだ。
そのいを斷るわけにもいかないのと、この中では一番親しみが持てるので、ユウトは指定されたエインの隣の席へと座った。
「クレアと仲良くなったって? 嫉妬しちゃうよユウト君」
エインはユウトが席に著くなりさっそく話しかけてきた。
「そう言われましても……」
「ははは、冗談だよ、それにユウト君は敬語なんていらないよ」
「ええっと……」
どうして良いか分からず誰かに助けを求めるべく辺りを見渡すユウト。
そこで目があったのはクレアだった。
「いいんじゃない? 兄さんがそう言っているなら、むしろ逆らった方が問題になりますわ」
クレアは意地悪げな笑みをそう言った。
ユウトの言い訳を作ってくれたようだ。
もちろんその助け船に乗らないわけはない。
「あ、いっておきますけど、私はちゃんと敬いなさいよね」
しっかりとクレアは釘をさしてきた。
「了解です」
ユウトはそれにしっかり返事をする。
そのやりとりに王様ファオがニヤニヤしながら聲を発した。
「なんていいったかな、それを、えーと、ツンデレ?」
「父様、その口をいますよ?」
クレアはニコニコと冷めた笑みを浮かべて言い放つ。
ファオもその笑みに恐怖したのか固まった。
「いや、本當に悪かった、すまない」
「ははは、クレア、許してやれよ」
エインも仲裁にってクレアは未だニコニコと笑みをり付けていた。
「もちろん、冗談に決まってるじゃないですか、でも、次言ったら……」
クレアはそうだけ言って席に著いた。
その間もずっとり行きを見守っていた王妃ミハスのとなりに。
そうして波の幕開けとなった夕食會はまだまだ続く。
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