《G ワールド オンライン ~ユニークすぎるユニークスキル~》第十八話 夕食會 後編

夕食會は王ファオの聲によって始まった。

「では、これから食事を始めよう」

「いただきます」

「いただきます?」

ユウトが手を合わせてそう言うと、隣にいたエインが不思議そうにユウトを見つめ尋ねた。

「これは自分の國の文化なんです、食材や作ってくれた人に謝して食べるという意味合いがあるそうです」

「そうか、素晴らしい心掛けだな、では僕もいただきます」

エインはユウトの真似をして手を合わせて聲を発する。

すると、ファオも興味深そうに尋ねてきたので同じように説明すると、ファオも真似をしてやっていた。

クレアとミハスは互いに顔を見合わせて、こちらも手を合わせて行っていた。

そんな彼らに思わず笑みを浮かべてしまうユウトなのだった。

「ところでユウト君、君の眼は黃金だったかな?」

向かい側に座っていたファオからそう聲がかかる。

実際、黒眼のユウトを見たことがあるのはこの場ではファオしかいない。

その言葉を聞いて他の三人もユウトの顔を見つめていた。

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「そうなんですよ、いつの間にか黃金になってしまっていて」

ユウトは困っているアピールをする。

実際のところ、相當困っていた。

なにしろ、絶賛鑑定中なのだ。

何を見るにしても鑑定してしまう。

「何かきっかけはなかったのかのう?」

「きっかけですか? えっと鑑定を使おうとして……あ」

過去を思い出す過程でユウトは一つの可能を見つけた。

この眼は鑑定眼というそのものなのではないかと。

「もしかして鑑定眼とかを使う場合って目のが変わるんですかね?」

「わしもよく知らないが、その可能は大いにあるな」

ファオにそう言われユウトは鑑定を解除するべく々試してみる。

しかし、ゲームとは違い取り消す方法がよく分からなかった。

「全然出來ません」

肩を落としユウトはファオに告げる。

ファオは考える素振りをし言葉を発した。

「なら、ジャックを読んで聞いてみるとするか」

「ええ、あのお方は苦手です」

ファオの言葉に反対したのはクレアだ。

「それに、黃金のままでもよろしいではないですか」

「しかしだな、ユウト君も苦労しているようだし」

「では、ジャック様に頼る前に私達で何とかすればいいではないですか」

「と娘はいっているが、どうかねユウト君」

「はい、かまいません」

クレアの意見を斷ると後々大変なことになりそうなのでユウトは苦笑いで答えた。

「では、まず意志で鑑定を止めてみて」

「はい」

クレアの指示が飛び、ユウトは言われたとおりに鑑定を消す意識をしてみる。

「どうですか?」

「いえ、変わっていませんわね、では次です、眼をお閉じになって下さい」

再びクレアの指示によってユウトは目を閉じる。

「では先程と同じように消えるように意識して」

しばらく眼を閉じ消えるように意識する。

そして目を開けて尋ねてみる。

「どうですか?」

「ううん、変わってないわね」

お手上げのようでクレアは疲れたように呟いた。

ここまでして直らないとは説明書でもしいものだ。

そうユウトが思うと腕時計が震えた。

「もしかして……」

ユウトは嫌な予を抱きながら腕時計にれディスプレイを起させる。

それを見て王様以外の三人が驚きの表を見せた。

しかし今はさっさと直すために意識を集中しているため対応していられない。

そしていつの間にか増えていた単語の説明覧を見つけた。

『能力眼』

不思議な力を宿した眼。

目のが能力によって変化する。

眼を開いたまま意識することで発することが出來る。

目を閉じ意識をし、手のひらで眼を覆う事で解除可能。

その結果あっさりと解除方が分かってしまった。

それにしてもいつの間にこんな便利なものが出來たのだろうか。

神から貰った記憶にはこれはっていなかったので恐らく運営が最後に何かをしたのだろう、とユウトは推測する。

「……どうですか?」

さっそく実踐し、尋ねる。

「あら、本當に黒眼だったのね」

返事はクレアから心した聲が聞こえた。

今まで信じていなかったのだろうか。

「信じてなかったんですか?」

「半々ってとこかしら」

とぼけた様子でクレアは述べる。

「って、さっきの半明の板はなんなの?」

クレアはそれよりも気になることがあったようだ。

それは十中八九ディスプレイのことをいっているだろう。

「さっきの畫面ですか? あれは異星人の技の塊とでもいっておきます」

詳しいことはユウトには分からないためほどほどにぼかして告げる。

それから、クレア、ファオ、エイン、ミハスはユウトの世界について詳しく聞いてきて、しばらくその話題で持ちきりになった。

ユウトは世界のことを大雑把にのべ、魔法がないこと、科學が発達していることなどを話した。

その時ずっと彼らの目は輝いていた。

そんな目で見られると話すのも嬉しいといもので、めんどくさいと思っていたユウトだがノリノリで話していたのだった。

「一度で良いから言ってみたいわ」

「その時は僕も連れていってくれ」

「ワシも――」

「あなたは、王様ですから國を離れるわけにはいかないでしょう? 私が代わりにいきます」

ファオとミハスのやりとりを聞いて笑みを浮かべる。

仲が良い家族だなとユウトは思った。

それにミハスとクレアは格が似ていると思ったユウトなのだった。

「まあ出來たらいいですね」

「ええ、楽しみだわ」

「ユウト君絶対だよ?」

「ワシも――」

「あなたはダメ」

ファオだけがシュンとなって他のみんなは笑みを浮かべて眼を輝かせていた。

本當のところこの世界は作られたものであって世界を行き來出來るかは不可能に近いだろう。

だが、ユウトは楽しみに目を輝かせている彼らを見て、不可能とはいえなかった。

「あの、これからのことなんですけど、自分は何をすれば?

ユウトはこれからのことについて尋ねる。

異星人というのは戦闘能力が高いという認識で、それを彼らも知った上で招き歓迎したのだろう。

それならばユウトはモンスターの討伐やら戦爭の駒にやら使われると思っていた。

「んー、しばらくは自由にしてくれて構わないぞ?」

「え? 戦いは?」

「ユウト君は戦闘狂だったのかい?」

「いえいえ、そんなことは」

「なら、本人の意志を尊重しないと、幸いにも戦爭は今のところ起こる様子はないからね、でももしもの時は力を頼るかもしれない、その時はよろしくね」

「はい、その時が來れば」

ファオは軽い調子でそういって食事に戻った。

相変わらず想像とはかけ離れた王様だとユウトは思った。

そしてこんな王が統治している國は幸せ者だと同時にユウトは思ったのだった。

そして他の國はどうなのかとユウトは心配になる。

他の異星人も恐らく何処かの地に降り立っているはずでありその國にこき使われる可能があるのだ。

そしてその國と戦爭になった場合は同郷同時戦わなくてはならないかもしれない。

それ以前にユウトに人殺しが出來るかは本人にも知らないことだ。

「ユウトはしいい人過ぎるんだよ、もうし自分のために行してみればどうかな?」

エインからそう聲がかかる。

ユウトとしてみればそんなつもりはないのだが、エインは真面目に言っているようだった。

「そうですか?」

「そうだよ、普通、自分の故郷でもない國に力を貸してくれって言われて直ぐに頷く人はいないよ?」

「そうですかね」

「そうだって、もし戦爭が起こったら君は逃げてくれても言い」

「それはできませよ」

「ほら、君は恩を返さないと気が済まない人だろ? そんな人はいい人っていうんだ」

「……はい」

言い負かされたユウトは小さく頷く。

いい人だなんて今まで考えてもいなかったので、しはわがままでも言った方が良いのかとユウトは考えた。

その考え自がないということなのだが。

「では、今夜はお開きにするか。ユウト君、食後も何かやることはあるかい?」

「あ、はい、ごちそうさまって言いますね」

「そうか、分かった」

ユウトの言ったようにファオ、エイン、クレア、ミハスは手を合わせて同時に聲を発する。

「「「「「ごちそうさま」」」」」

改めていい人はあなた達ではないかと思うユウトだった。

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