《G ワールド オンライン ~ユニークすぎるユニークスキル~》第二十一話 初戦闘
外に出てみると、だだっ広い草原が広がっていた。
そして舗裝された道が地平線へと続いている。
この道を辿れば他の都市へと繋がっているようだ。
「にしても、こんなに広い土地があるのに何で町を広げないんだ?」
そのユウトの疑問はすぐに解消解消することになる。
「うわ、モンスターが湧いてきた!」
ユウトは草原の彼方からワラワラを現れるモンスターを見て察する。
モンスターに襲われる可能があるため町を広げられないのだと。
「だからモンスター討伐の依頼が多かったのか」
事実、冒険者の依頼の中には數多くのモンスター討伐の依頼があり、依頼容も様々である。
ということは、モンスターがいる場所に何か用があると言うことになり、その土地を活用しようとしていると思われる。
例外としては都市にモンスターが現れた時だろう。
その場合は急任務としてされ、急度が高ければ高いほど、報酬や參加人數が増えていく。
強制招集でないのは、本來はこういう仕事は國直屬の騎士団の仕事だからだそうだ。
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「さてと、任務地はどこだ?」
前科があるユウトはしっかりと地図を見てく。
ちなみにモンスターは撲殺したので問題なしだ。
「あ、すいません」
草原にたった一つだけ建っていつ不思議な小屋を発見したユウトは、その付近にいた老人に聲をかける。
「なんじゃ?」
「えっと、道を教えてしいんですが」
といってユウトは目的地が書かれた地図を差し出す。
いくら方向音癡だと言っても地図くらいは読めるはずのユウトだが、あまりにも地図が大雑把すぎた。
というより、草原は何もないので地図が役に立つわけもなく、白紙に點が書かれた地図を差し出された時はユウトも唖然だった。
「なんじゃこの地図は……」
老人はあまりの地図の雑さに呆れた聲を発する。
それはユウトもじていたことなので申し訳なさそうに頭を下げていた。
「すいません、依頼主がこの地図を書いたみたいで」
「依頼? ということは坊主は冒険者か」
老人はユウトを意外そうに見た。
自分ではそんなにく見えているつもりはないユウトは不満そうな顔をする。
「いや、子ども扱いしてすまなかった、で、場所だが恐らくここじゃな」
「はい?」
「恐らくじゃが、ワシの息子が出したんじゃろうな、ここ最近ゴブリンがよく襲ってくるからのう」
老人はそうユウトに告げる。
「そうですか、では、自分が狩ってきます」
「大丈夫か?」
「ええ、ところで息子さんは?」
「あいつは、王都で仕事中じゃ」
「そうなんですか」
出來れば依頼主である息子とあって確認したかったのだが仕事ならば仕方がない。
「ところで、どうしてこんなところに?」
ユウトの疑問はもっともで、何故危険な外に小屋を建てているのか。
誰もが、疑問に思うことだ。
「ワシはモンスターの研究を生き甲斐にしていてな、出來るだけ近くでモンスターを見ていたじゃよ」
「なるほど、そう言うことですか」
道理で服裝も貧しそうに見えないはずだ。
王都の家が買えないからここに住んでいるというわけではないらしい。
それにしても相當な好きだなとユウトは思った。
「おや、さっそく來たぞ、ブラックゴブリンじゃ」
「では、さっそく」
ブラックゴブリンといえば、ゲーム時代の最初の討伐した個である。
そして今回も、現実になってから最初のモンスター討伐になりそうである。
「これも運命なのかな」
ユウトはそう呟いてゴブリンへ向かう。
以前とは違い素手で挑もうとは思っていない。
ユウトの手にはお馴染みの白金の剣が握られており、その切れ味を主張するかのように輝いていた。
そしてそれをゴブリンに振りかぶる。
「……え?」
しかし、その斬撃はゴブリンのへと到達することはなかった。
「白刃取り!?」
そうユウトが言うように、ゴブリンは白金の剣を持っていた棒でけ止められないと見るやそれを捨て、白刃取りに打って出たのだ。
なんとも無謀に思える思い切った作戦だがゴブリンはそれをし遂げていた。
ものすごい判斷力と視力だ。
「ガガガギ」
ゴブリンは訳の分からない言葉を発して腕に力をれている。
どうやら折ろうとしているらしいが、その対象は白金、不可能だった。
「敵ながらあっぱれっていうやつかな?」
ユウトは剣から手を離して、グローブに包まれた拳をゴブリンの鳩尾にれる。
「グガガガアアア」
苦しそうなうめき聲を上げ、ゴブリンは後へ倒れる。
痛さのあまり気絶してしまったようだ。
「なんか、ゲームとはやっぱり違うな」
ユウトがそう呟く。
以前のゲーム世界では痛みで気絶なんて事は起こらなかったし、力が盡きたら消滅していた。
それにゴブリンの判斷能力の高さも全く違っている。
そしてユウトは気絶しているゴブリンに剣を突き刺してトドメをさすが、そこもゲームとは違っており、ゴブリンの死は死として殘ったままだった。
「え、なら俺の才能の存在価値は?」
ユウトは呆然として呟く。
ドロップアイテムがないということはユウトの才能はほとんど意味をなさないのだ。
そこへ老人が聲をかける。
「見かけによらずすごいのう、君は、それにしてもブラックゴブリンにしてはなかなか知能が高かったようじゃな、興味深い」
老人はゴブリンの死に近づいて々と探り始めた。
ユウトはまだショックのあまりフリーズ中だ。
「ん? なんじゃこれは」
老人が聲を上げる。
そしてその聲でユウトはハッと我に返った。
「どうしたんです?」
「ゴブリンの口の中にこれがっていたんじゃ」
「口の中ですか?」
骨に嫌そうな顔をするユウト。
モンスターじゃなくても口の中にあるものをろうとは思わないだろう。
その様子を見て老人が渋々水筒の様なを出す。
「仕方がないのう、ほれこれでどうじゃ」
老人は水筒のようなものにっていたで手に持っていたものを洗って、再びユウトに差し出した。
差し出されたものは、小さな種のようなものだった。
それだけでは何なのか分からないのでユウトは鑑定眼を発する。
『先見眼の種』
食べることで先見眼を得ることが出來る種。
「先見眼?」
鑑定すると、再び分からない単語が出たため、今度は単語の説明覧から検索し調べるユウト。
『先見眼』
先を見通す力を持つ能力眼。
発時、目のは緑になる。
と、簡潔に記されていた。
「とりあえず、俺の才能はまだ機能してるってことか」
ユウトはひとまず安心しホッと息を吐く。
そしてあのゴブリンの視力のすごさの理由も判明した。
「先見眼といったな? ひょっとしてあのゴブリンがそれを持っていたのか?」
「恐らくそうです、ところで先ほどの種は貰ってもよろしいでしょうか?」
「もちろんじゃよ、討伐したモンスターから出るアイテムは討伐者本人の者じゃよ」
「ありがとうございます」
さっそく種をけ取って口にれようとするユウト。
さっきまでゴブリンの口にっていたものだと知ると気が引けたが、思い切って飲み込む。
「うぇ、なんか嫌な気分」
完全に思いこみなのだが、ユウトは嫌な顔をして言葉を発する。
しかし、これで先見眼を手にれることが出來たのでユウトにしてみれば儲けものだ。
さっそくステータスを確認しようと腕時計にれようとユウトはするが老人の目の前で開けば、異星人とばれてしまう可能がないわけでもないので、今は我慢をするユウトだった。
「もうしで息子のやつが帰ってくると思うから、ひとまず小屋の中でゆっくりしておくか?」
「はい、ありがとうございます」
ユウトは老人の言葉に従い小屋へと向かった。
小屋の中は意外にしっかりしておりベットからタンスまで家は一通り揃っていた。
そしてガチャッと小屋の扉が開く音が聞こえた。
依頼人の登場である。
「あれ? ユウト君じゃないか」
依頼人はって來るなりユウトにそう聲をかけたのだった。
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