《超迷宮奇譚伝 『このアイテムは裝備できません!』》接近戦から投擲戦へ 移行する戦い

僕はく。

オントに対して、時計回りにく。

できるだけ、隙を作らない様に――――

攻撃のモーションを小さく、手數は多く、素早い攻撃を心がける。

オントの強烈な一撃が、僕のすぐ真橫を通り過ぎていく。

ゾックと背中に寒気が走る。

オントの技は殺すための技だ。事実、ダンジョンで何匹もの魔を殺してきたのだろう。

その技が僕に向かって振るわれている。

模擬戦とは言え―――― 訓練用の鎖とは言え――――

オントは、殺気を僕に放っている。

これが本の技……か。

けれども――――僕は負けれない!

オントの攻撃は勢いを増していく。

格下であるはずの僕をとらえきれない苛立ちが見て取れる。

どんなに攻撃力が高くても當たらなければ無意味。このままいけば……

勝てる!!……はず。

しかし――――オントは呟いた。

「……そういう事か。サクラ……やっぱり、お前はわかってない」

オントの聲には、明らかな怒気が含まれていた。

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「気がついてれば、簡単な事だな。お前、左構えサウスポースタイルか」

僕は無言で肯定した。

左構えサウスポースタイル

普段の僕は右利きだ。

の基本で言うなら、左手に鎖を巻きつけ防に使い、右手で鎖を振りまして攻撃する。

しかし、僕はその逆――――右手に鎖を巻き、左手で鎖を回していた。

當然ながらオントは、基本通りに左手に鎖を巻き、右手で攻撃していた。

そんなオントに対して左構えの僕が、右へ時計回りにく。

そして、僕の攻撃モーションを、球技で言うならば橫投げサイドスロー。

真橫にばし切った左手から放つ鎖は、オントの死角――――彼に取って、ほとんど背中から飛んできていたのだ。

これが僕の作戦。

遙かに劣っているはずの僕がオントと互角に戦えていた絡繰りだった。

そんな僕の作戦を……「くだない」とオントは切って捨てた。

「馬鹿馬鹿しい。……嗚呼、本當に馬鹿馬鹿しいぜ」

そのまま、彼は僕に背を向けた。

彼の右手は鎖を回す事すら、止めて歩き始める。

「試合放棄ギブアップ?試合放棄ギブアップ?」

  立會人レェフリーのサンボル先生が、オントと並走をしながら、戦いの意志を確認する。

しかし、彼は首を橫に振る。模擬戦は、まだ立している。

「何、突っ立てる! サクラ!行け!行け!」

クラスメイトの誰かが聲を上げる。

後ろを向いているオントに攻撃を仕掛けろと言っているのだ。

続いて何人かが、「攻めろ!攻めろ!」と聲を出してた。

「えっ? えっ?」

どうすればいい?確かに、まだ模擬戦の最中だ。

背後を向いているオントに攻撃しても構わない……はず。

「えぇい! どうにでも……なれ!」

僕はクラスメイトの聲に後押しされ、オントに向け鎖を飛ばした。

続いて、甲高い金屬の接音。

「……え?」

僕の攻撃をオントは、背中を向けたまま、一瞥する事もなく、弾き飛ばしていた。

僅かにを捻って、半の狀態で――――

いや、そんな事よりも……

それは、オントと僕の力量差を示すよう行為だった。

『もう、お前には見るべきものがない』

そう言われているかのようにじた。

そして――――

オントは振り返り、こう言った。

「さぁ、ここからは地獄だぞ?」

再び、鎖を振り回し、回転率を上げていく。

今まで以上の威圧。叩き付けられた殺気。

一瞬、怯んだ僕にオントの鎖が投げつけられる。

投擲戦

戦いは、接近戦から投擲戦へ姿を変貌させていた。

十分に広がった間合いで、鎖を投げ合いながら戦う事になる

僕は走る。こうなっては左構えサウスポーも関係ない。

広い校庭の全てが戦いのステージに変わる。

炸裂音。

オントは的確に僕の足元を狙ってきている。

避けずらい箇所だ。

それをさけるためには、ただ走ればいいだけではなく、避けるためのストップ&ゴーの繰り返し。

「はぁ――― はぁ――――」

気づけば呼吸がれていた。スタミナが疲労させていく。

僕も隙をついては、鎖を投げつける。

しかし、その威力は、まるで別だ。當たっても有効打にならないだろう。

対して、オントの攻撃は、まるで大型の攻撃魔法。

した地面が削れ、破壊の跡を殘す。

(ダメだ。どう考えても投擲戦では勝ち目がない。それなら―———)

間合いを詰め、再び接近戦へ移行。それだけを考える。

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