《超迷宮奇譚伝 『このアイテムは裝備できません!』》質問は詰問へ変わり、そして尋問へ

「お前、本當は、あのダンジョンで何があった?」

キク先生は、僕の顔を覗き込むように自分の顔を近づけてきた。

キク先生の整った顔が、れるかれないかのギリギリの距離にある。

である僕でも心音が高まっている。

「うぅ……うぅ…」

何とか誤魔化そうとするも、うまく言葉にならない。

(……何か、何かをされているのか? 僕は?魔法? いや、もっとシンプルな技的な?)

一瞬考えるも、すぐに頭から振り払う。単純な技にしては強力で強制的で、もって……こう…神的だ。 

(僕は、それを仕掛けられている?)

そう考えると……気がついてしまう。

キク先生の顔は整っている。 それも不自然なくらいに……

まるで作りのような――――― 不意にキク先生の顔が離れていった。

そして、「うむ……やはりか」と1人で納得されている。

僕は自分が何をされているのか?それすらわからない。

すると――――

「見ろ」とキク先生は持っていた羊皮紙を僕に渡した。

僕はそれをけ取り、目を通す。

容は、ただの診斷書カルテのようにしか見えないが……専門的過ぎて、僕は3分の1も理解できない。これを僕に見せて、どうしたいのか? そんな疑問も浮かぶ。

しかし――――― 僕の視線は、ある一點に止まった。

診斷書。その一部にはこう書かれていたのだ。

『? ? ?』

クエスチョンマークが3つ。

「……えっと? キク先生? この部分は、どういう意味なのですか?」

僕の質問に対して、キク先生の答えは「そのままだ。不明という意味以外のなにものでもない」……だった。

「トーア・サクラくん。君の証言では、ダンジョンで崖から落下直後の記憶がなく、意識が朦朧としている中、歩き回り、捜索隊に発見された。間違いないな」

「……はい」と答えた。

「この診斷書カルテのクエスチョンマークは、原因不明という意味だ。そして、クエスチョンマークが書かれている箇所は、狀態異常の診斷についてだ」

「つまり、それは?」

「君は、原因不明の狀態異常が続いている」

キク先生の言葉は、僕に取って衝撃的な容だった。

それは原因不明の病を患っている狀態に近い。

「そんな…… 僕にどんな変化が起きているのですか?」

「わからん」

「え?」

「だから、わからんと言っている」

キク先生は語尾を強めた。そして、僕の両肩を強く握り、激しく揺さぶってきた。

「要するに君は、ダンジョンで行方不明になって帰還してみると前例のない狀態異常が継続している。君のは、我々のようにダンジョンで仲間を守り抜く治癒者ヒーラーにとって、克服せねばならない未知そのものなのだよ」

「そんな事を言われても!」と今度は僕が語尾を強める番だった。

 「だから、思い出せ。ダンジョンで何があったか……いや、本當は何を隠しているのか?」

!? キク先生は、僕の噓に気づいている?

他者に隠さないといけない理由が、僕にあると気づいている。

再び、キク先生は、僕に顔を近づける。その目からは、獲を逃がさまいと強い意志が伝わってくる。

そして、キク先生は耳元で囁くような心地よい聲を出す。

「だから……話しなさい」

不思議な覚だった。 まるでが二重にブレていくような覚。

僕の意識がから抜け出してしまい。 抜け殻になった僕の口が自然といていく。

「あっ……あっ……あの時、ダンジョンは……歪み……小さな、小さな、アレがいた」

「あれ?あれと何かね?サクラくん。ゆっくりと正確に話したまえ」

このまま、全てをキク先生にゆだねてしまえば楽になれる。

きっとそれは――――楽しい事になる。

「あれは―――――」

「おっと、キク先生。そこで止めときましょうね」

急な第三者の聲。それによって、僕の言葉は遮られた。

そして、その聲の主は――――

僕の擔任たる、サンボル先生だった

サンボル先生は、いつも通りの緩い聲で、こう続けた。

「キク先生、生徒相手に魔眼の使用は、流石にまずいでしょ」

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