《超迷宮奇譚伝 『このアイテムは裝備できません!』》夜を明けて、毒のような日常
「どうしたのですか?」
「え?」と僕は不意を突かれて驚いた。目の前にアリスがいた。
一、いつの間に? いや、そうだ。ここはアリスの部屋だったな。
疲労が原因だろうか? 記憶が飛んでいる。
「何やら、考え事をしているみたいで……その、言い難いのですが……心ここにあらずといったじです。やはり、お疲れならば、お休みになられた方がよろしいのではないでしょうか?」
僕は、し迷って————
「ただの睡眠不足だよ」
そう答えた 噓は言っていない。
そう言いながら、どうして自分がこの部屋にいるのか思い出そうとしてみた。
———昨晩———
僕は導かれるようにクリムと出會い、戦い、生き延びた。
死線を潛り抜けた事による極度の興狀態が原因か?
僕は一睡もできずに朝を迎えた。
いや、正確には朝を迎えていたない。僕は興狀態のまま、まだ朝日が昇る前にダンジョンに向かったのだ。そこで執著を払うかのように戦った。戦った。戦った。そして、戦い。また戦い。やっぱり戦い。
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効率的な戦い方なんて頭から抜け落ちている。
その時の僕は、戦う事でしか部に芽生えたを振り払えなかったからだ。
そして、ダンジョンから地上へ戻った時には太が真上の位置まで昇っていた。
最上級生である僕には通常授業をけることは義務ではない。
ないけれども、まるでサボりのようにダンジョンを潛った事が、まるで悪い事をしたかのように心を蝕んでいく。本來、授業よりもダンジョン探索を優先する方が模範的で理想的な生徒像のはずだとわかっているのだけれども……
結局、どんなに誤魔化した言葉を並べても、自分自が知っているのだ。
一時のに呑まれて、八つ當たりを行ったのだ。ダンジョンという、ある意味では聖域的な場所であるにも関わらず……
「しかし、どうしたものかな?」
場所はダンジョン口前。周囲には誰もいない。
さらにを誤魔化して発散するため、やや大きめの獨り言をつぶやく。
「今更、授業に出るのは気分が乗らない。帰って寢るかな!」
タッタッ……と疲労しているはずのを無理やりかして駆け足で走る。他人が見たら元気そうにだ。
そこで、アリスと會ったのだ。
「どうしてここに?」
「いえ、なんとなくサクラさまに會える気がして……」
アリスは顔を赤く染めて答える。
僕は、単純に『あぁ、僕が授業に出ていない事をサヲリさん経由で聞いたんだな』と推測した。
し、がドライになっていると自覚する。
「私も午後から、授業がないので、お休みになられる前の僅かな時間でも構いませんので、ご一緒できませんか?」
「……うん」
どうやら、僕の獨り言を聞いていたみたいだ。
今度は僕が赤面する番だった。
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
そうだった。思い出した。
そうして、僕は彼の部屋にいるのだった。
もちろん、チラチラと窓の外から殺意を持って自己主張をおこなうアサシンもいる。
そこまでプレッシャーをかけなくても手なんて出さないのに……
「それで、何をお考えに?」
「ん~ 戦略かな? 自分の周辺周囲、一定の距離に攻撃する魔法の対策」
「やっぱり! 私と一緒の時に別の事を思ってましたのね」
頬を膨らませ、怒っているポーズをアリスはとってみせた。
あざとさをじてしまうが、それをらしさが上回っているみたいだ。
……あくまで一般論だ。僕は可いとは、それほど思わない。
「それだと、やっぱり私ではお役に立てそうにありませんね。こんな時こそ、サヲリがいればよかったのですが……」
アリスの言葉に反応したらしく、窓の外から放たれ続けていた殺気が消滅した。
「1、2、3……」とカウントを數える僕に「どうしたのですか?」とアリスはと尋ねてきたが……
カウント7秒の時點で扉が開いた。
7秒で窓の外から、飛び降り、玄関を迂回して、この部屋にたどり著いたのか。
「隨分と速いですね」
扉を開けたのはやはりと言うべきか、サヲリさんだった。
「ヤッホー!アリスちゃんにサクラくん。なんだか、サヲリさんの事を話していたかな?サヲリさんの話をしているとサヲリさんが現れる狀態で參上だよ! ん? なんだい? なんだい? サクラくん、速いとか言っちゃって……
それじゃまるで、サヲリさんが來る事が分っていたみたいじゃないか」
サヲリさんから言葉と共に尋常ではない殺気を叩き付けられた。
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