《超迷宮奇譚伝 『このアイテムは裝備できません!』》プロローグ 暗闇の牢獄

目が覚める。周囲は暗闇……

(どこ?ここは?)

の匂い?……いや、錆びた鉄の臭いだ。

かせば、ジャラジャラと金屬のこすれる音。

手には手錠。 足には足枷。 僕は拘束されている。

(そうか。僕は捕まって)

自分に何が起きたのか、それを思い出した。

そのまま、地面の僅かな揺れにを任せ。

ただ時間が経過していくのを待ち続ける。

やがて――――

「出ろ!」と怒鳴るような聲がした。

暗闇だった空間にり込む。 今まで闇で見えなかった扉が開いていく。

外の景は圧巻だった。

左右の二列に分かれた騎士たち。全員が剣を抜き、その先を僕へ向けていた。

100人はいるだろうか?

「出ろ!」と再び、怒鳴り聲。

僕は外に出た。

振り返れば黒い箱。それを巨大な馬がひいていた。

僕がいた場所は馬車であり、く牢屋だった。

前に向き直る。

二列に並んだ騎士たち。どうやら、その間を通れを言うことなのだろう。

僕は歩きだす。

もしかしたら、サヲリさんの姉であるミドリさんもどこかにいるかもしれない。

しかし、深々と被った鎧兜で顔は隠れて、個人の判別は難しい。

仮にミドリさんがいるとわかったところで……

そして、到著。

僕の目前には白く、巨大な壁がある。 見上げても、その全貌を窺い知る事はできない巨大さ。

そこは城だ。

『シュット城』

この國の絶対的支配者が君臨する場所。 そして、國の中心部。

初めて來た……

そのり口には人が立っていた。

見た事がある人だ。 有名人……と言っても間違いじゃない。

長い白い髪と髭。細長い目が特徴的。

そして、白い服。 の左右には天秤のエンブレムが描かれている。

法務大臣 ジッガ・ヤン

そんな大が待ち構えていた。

・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・

広い空間に椅子が2つ。

「さぁ、座りたまえ」

僕とジッガ・ヤンは向かい合って座る。

2人だけだ。周囲に人はいない。

どこかに護衛の人間がいるはずだが、どうやって隠れているか? 検討もつかなかった。

「それでは伺おう。あの日――― 君のに何が起きたのか?」

僕は覚悟を決め、あの日の出來事を話し始めた。

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