《超迷宮奇譚伝 『このアイテムは裝備できません!』》イスカル王の橫暴

ざわ…… ざわ……

ざわ…… ざわ……

どうやら、周囲もイスカル王の君臨に気づいたみたいだ。

ざわめきが多くなる一方で、イスカル王を中心に人が後ろへ下がり始める。

まるで、そこが聖域かのように――――

しかし、イスカル王自は、それに気づかないのか?

意に返さず、人ごみの中を進み始める。

そして、歩みを止めたのは僕らの前だ。

「ほう、にしては強そうだ。そして何よりしい」

? キララを見初めたのだろうか?

イスカル王は、爽やかな笑みと白い歯を見せながら

「もしも、よければ夜の相手を頼みたいものだな」

――――と言った。

え? 下ネタ? いや、本気か?

當事者のキララさんは……揺。

の心に強烈なインパクトを殘すことにイスカル王は功したみたいだ。

「おぉ、貴方が我にどうのような困難をんでも、全てを打ち砕き貴方の前に――――」

イスカル王は抱きつくように両手を広げて、キララの前に――――

そのまま、キララを通り過ぎて、背後にいたドラゴンの前に立った。

「――――!!」と聲にならないびを披した僕は、ドラゴンを見て、キララの顔を見る

「―――-!!」とキララも聲にならない雄たけびをあげてドラゴンとイスカル王を見ていた。

ぶっちゃけ、キララにしてみたら赤っ恥もいいところだろう。

そして、求婚されたドラゴンはと言うと――――

「オッホッホッホッ……私がしいですって」

なんのキャラだ! ……いや、普段とあまり変わりないか?

「見る目の正しさは認めましょう」

「―――-ほう、では早速、閨に……」

「ですが、私は人妻。仮にも一國の主さまが不貞を働くのは民も許さないのではありませんか?」

「なんと! すでに人妻であられたか!」

イスカル王はなわなわとを震わせて――――

「それは都合がいい!」とんだ。

「はっ?」と僕。 「へっ?」とキララ。

「ん?」と小首を傾げるだけのドラゴン。

「おぉ、これは快なり。不貞といった背徳はセックスにおいて、最高のスパイスではないか!」

これには僕はもちろん、流石のドラゴンですらドン引きだった。

「ハッハッハッ……よいではないか! よいではないか!」とイスカル王はドラゴンに迫っていく。

これは、助けないと。僕は腰を落として、前に――――

「君は気配は強すぎるな」

「え?」

僕はイスカル王から目を離してはいなかった。

しかし、今、イスカル王は僕の目前にいた。

「さては、貴殿が彼の番つがい相手か。これは恥をかかせたな」

「――――――!?」

僕は反応できない。

戦闘考察が選択肢の全てを否定し始める。

僕の目前に立つ。それだけで僕の思考は敗北を認めている。

戦わずして屈せようとした。その時――――

「イスカル王よ。私を手にれるならば困難を打ち砕くと言いましたよね?」

「おぉ、もちろんだとも。どのような困難をんでも――――」

「では條件があります」

ドラゴンはニヤリと兇悪な笑みを浮かべていた。

そしてこう続けた。

「ここは闘技場コロッセウムならば、戦い――――そして、勝者の前に私は跪ひざまづく事を誓いましょう」

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