《超迷宮奇譚伝 『このアイテムは裝備できません!』》3人目の有資格者

現シュット國王の決闘代理人 ゴドー

彼と僕は因縁があった。

僕がまだ、シュット學園の生徒だった頃―――僕は彼を戦う寸前だった。

個人的な因縁ではない。

彼の雇主だった現國王(當時はシュット學園の生徒だった)が婚約者を奪われると勘違いしたのだ。

まぁ、僕は、その婚約者から命を奪われかけたわけだが……

結局、その戦いは実現することなく、僕の代理人として立候補したオム・オントがゴドーと戦う事になった。

勝敗は―――

あれ? どうなったんだろ?

戦いの最中にモンスターの……それも主ボスクラスが現れて戦いはうやむやになった。

兎に角、現狀はヤバい狀態。

僕は、前シュット國王暗殺事件の容疑者だったりする。

そして、ゴドーの雇主は前國王の息子であり、現國王である。

……非常にヤバい狀態なのだ。

「イスカル王、ここでは貴方が法律だ。しかし、私にも私が従う法があるのです」

ゴドーはイスカル王に向けていった。

「うむ、それは面白い解釈だ。法律は國ではなく個人が決め、個人が選んで従うもの……お前はそう言っているのだが?」

「……失禮。他ならぬ貴方に法律を語った私の落ち度でした。正確には我儘わがままです」

「我儘とは?」

「私は私を縛るものは法でなく、私が殉するに値すると認めた君主のみ」

「だから、それが法律は個人が……ややこしい。力で決めろ。力で」

イスカル王がそう言った。だからだろうか?

その言葉に反応していた人間がいた。

それは僕のきを封じているゴドーの腕を――――

蹴り飛ばした。

「え?」と僕。

「むっ」とゴドー。

「ほう……」とイスカル王。

「ん?」とドラゴン。

「あれ?」とクリム。

「それっ、つまり……王さまが力で決めていいって認めてくれたって事で良いんだよね?」

ゴドーの腕を蹴とばした張本人は―――

キララはそう言った。

は震えている。

今の今まで僕たちが彼の存在を失念していたのは、この騒から彼は一歩下がって見ていたからだ。

自分がれるレベルの話ではない。もしかしたらそう思ったのかもしれない。

それと同時にチャンスと思ったのだろう。

だから、彼はこう言った。

「ねぇ、サクラ。3対3マッチの話だけど、3人目に立候補できるかな?」

僕が反的に頷くと……

「ははは、貴様に一撃をけさせるだ。貴様が戦ってみるがいい」

イスカル王が笑っていた。

それに対してゴドーは、隙をつかれた事を恥じだと思っているらしい。

凄い顔でキララを睨みつけている。

は震えていても、ゴドーの睨みから一歩も下がらなかった。

「お前、名前は?」

「キララ……アッシュ・ザ・キララだ。……いえキララです」

「キララとやら、お前は有資格者だ。私が信念を曲げてもいい」

そう言ってゴドーは彼から背を向けた。

「……えっと? あれ?」とキララは困していると―――

「キララとやら、あれはお主との対戦を承諾したと言っているのだ」

イスカル王が説明する。そして―———

「これで、障害はなくなったな。3対3マッチの戦いは明日にするぞ!」

そう宣言したのだった。

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