《超迷宮奇譚伝 『このアイテムは裝備できません!』》キララVSゴドー

キララとゴドー。

二人は、闘技場の中心で向かい合い、一言、二言、言葉をえていた。

僕の位置からは聞き取れない。

やがて、審判役が2人を引き離し、互いが距離を取り―――

戦いが始まった。

ゴドーは腰を落とし構える。どっしりとした構えだ。

一方でキララの構え。

両足を前後に広げた構えだ。上下に跳ねるようにかしリズムを刻んでいる。

やがて、上下のきに前後のステップが加わって、徐々にリズムが加速していく。

「そろそろ、攻めるな」

観客席から呟きが聞こえてくる。

最前列に陣取る客層は目がえているみたいだ。

事実、キララが前に飛んだ。

2メートルの距離は瞬時に0へ―———

疾い

一瞬の差。そして、接

まるでキララのがゴドーのを、すり抜けたかのようだった。

キララは、そのまま転倒。自ら、打撃の勢いを殺せずに―――

前回りをしながら、壁に衝突して、ようやく止まった。

武に覚えのない人間なら、そう錯覚するだろう。しかし―――

観客の聲が聞こえてきた。

「————おそらく投げだな」

「投げ? あの一瞬で?」

「あぁ、ゴドーの顔を見てみろ」

「……? あっ! サングラスが割れてる」

「キララの拳が顔面を捕えた証拠だ。おそらく、インパクトの瞬間に首をひねり、打撃をけ流しからキララの前に飛ぶきを利用して、背後へ投げ飛ばした」

「つまり、打撃に対して、投げによるカウンターを取ったという事かっ!」

……詳しすぎるな観客。

「さて、お客さんは、そう言ってますが……サクラさんは、あの一瞬の攻防をどこまで見えましたか?」

「むっ!」

ドラゴンが挑戦的に僕に訪ねてきた。

「大まかには、あのお客さんの言う通りだよ。ゴドーはキララの打撃をけ流し、を橫へらしてサイドステップ、そのまま蹴手繰りローキックでの足払いだ」

「なんだ。見えてるじゃないですか」とドラゴンは不満顔だった。

もしかしたら解説したかったのかもしれない。

「加えるにゴドーはキララの打撃を甘くみた」

「ほう!」とドラゴンは興味深そうな聲を上げた。

もしかしたら、人間の構造……ダメージには通していないからわからないのかもしれない。

「ゴドーは威力を測り間違えた。だから、今はかない」

「回復に時間を有しているという事ですか?」

「あぁ……くぞ」

「どちらがですか?」とドラゴンは聞いてこない。

キララとゴドー。申し合わせたように両者がいたからだ。

キララは壁を背に立ち上がる。 ゴドーはキララのいる背後へ振り出し、駆けだしていった。

(キララのきが鈍い。このままだと壁を背に戦う事に……)

キララは橫に回り壁際からの出に挑む。 だが————

ドーンと大きな音が響く。

キララの進行方向へゴドーが腕を突き出し、出を防いだ。

嫌な壁ドンだ。そのまま、ゴドーはキララのを摑む。

「投げ? いや、寢技に引き込むつもりか?」

だが、ゴドーのきが止まった。

キララの肘がゴドーの眉間から眉までの皮を切り裂き、鮮が舞った。

今度は、キララがゴドーに抱き付くと、打撃を加え————

狙いを寢技グランドへ切り替えた。

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