《超迷宮奇譚伝 『このアイテムは裝備できません!』》祠の真実

帰ってきた僕らに村長は「おぉ、サクラさま、どうでしたか?祠の奧底に眠る呪われた鎧の……」と長い話を遮って簡潔に狀況を説明した。

「新造ダンジョンですって!」

村長は大聲で驚いたかと思うと、天井を見上げ「う~ん、う~ん」と何度も唸る。

おそらく、ダンジョンが生み出す利益と、そのリスクを計算して天秤にかけているのだろう。

「あの……ダンジョンは周辺への利益は大きいですが、國営化され保存されるので、影響下の大きいこの村だったら、數年間立ちりが止される可能も……」

「サクラさま一行には、是非にダンジョン化の原因。その排除を依頼させていただきたいのですが、宜しいでしょうか?」

すぐに村長は決斷して、その場で報酬の金額を提示した。

結構な値段だ。 即決で決めた額としては多すぎる。

それにあの祠が観地として、この村の資金源になっているのは見てわかる通りだ。

それを排除するの躊躇いがないのは変な話だ。

「ダンジョン化の原因って言っても明らかじゃないですか?」

僕は探りをれてみる。 すると―――

「へぇ?何の事ですか?」

――――恍とぼけているようには見えない。

「あの鎧。近づく人間をにしてしまう例の鎧が原因なのは明らかでは?」

「……え? いやいや、違いますよ。 そんな鎧あるわけないじゃないですか」

「? ? ?」

「あの祠の奧には地底湖があるだけですよ」

「じゃ、客寄せの話は……デタラメだったのか?」

「いやいや、ソイツは人聞きが悪い。 誰が広めたのかわかりませんが、うちの祠にそんな噂が広がって観客がわんさか、わんさかと大繁盛でして。我々も乗るしかない!この大波にって、大々的な観地にしてわけでして……」

「じゃ、僕らを祠の奧に送り出したのは?」

「當然、町興しのイベントの1つにすぎませんよ。どうせ、サクラさまが最深部に行っても、そこは地底湖。誰も噂の鎧が存在してるか、してないのか、証明する方法はないでしょ」

「……」と僕は呆れると同時に、不安が広がった。

何者かが、ただの祠に噂話を広げた。それも、この規模で観客が訪れるほど、大々的に……

しかも、その祠ではダンジョン化が進んでいる。

嫌な予がする。

誰かが、何かの目的で行っている行為なのは間違いない。

しかし、その目的も手段も不明だ。

「一、誰が何の目的で……」

村長は、流石にしゃべり過ぎたと思ったのか

「もちろん、ここで話した容はで。口止め料も報酬に含まれております。もしも、外部へらしたら、この金額以上の違約金を頂く事になります」とサインを書かされた。

・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・

「取りあえず、その地底湖まで行ってみるか」

するとキララが「大丈夫か?ダンジョンなんて専門家じゃないと探索してはいけない決まりがあるのではなかったか?」と言ってきた。

「いや、僕の職業は探索者なんだが……」

「え?そうだったのか! 初耳だ!」

「……」

うん、最近はそれらしい事してないもんね。

し凹んだ。

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