《超迷宮奇譚伝 『このアイテムは裝備できません!』》ゴブリンボクサー
これまでの狹い通路とは違い開かれた空間。
5匹のゴブリンが同時に襲い掛かってきた。
僕は、バックステップを繰り返し距離を取って、そのままバック走で走り出す。
俊敏で優るゴブリンからは逃げられない。 當然、追いつかれる。
だが、それが目的だ。
「ぎぇやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
斷末魔。
追いついてきたゴブリンに一太刀浴びせた。
「……まず1匹」
その景に慄おののいたのか、ゴブリンたちはきを止めた。
それも一瞬。 詰めた間合いをそのままに飛びかかってくる。
しかし、僕の剣は、すでに2匹のゴブリンを捉えている。
鮮が舞い散り、今度は斷末魔の猶予も許さない。
「これで3匹」
最後に足の遅い2匹が追いついてきた。
を見たのが原因か、酷く興狀態で縦に並んで————
カウンター一閃
僕の刺突は、1匹目のを貫き、後ろから追走していた2匹に屆いた。
「これで5匹……」
いくら弱いゴブリンが相手でも開かれた場所での戦闘は有利と言い難い。
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それも5匹が同時に相手。小柄なと俊敏さに翻弄され、囲まれれば、攻撃を繰り出す事すら難しい。
僕が背後へ逃走した理由は、敵勢力の分斷。
ゴブリンの俊敏さにも個差がある。
逃げる僕に対して、追いかけるゴブリン。
僕に追いついた足の速いゴブリンと1対1で戦う戦法だったが……及第點は取れただろう。
問題は……
「6匹目だな」
膨張し続けている祠ダンジョンは下にも広がり、地下……つまり2層目が存在していた。
地上から離れた地下は、生活が困難になる悪環境のはずが、なぜかダンジョンでは1層目よりも魔モンスターは強化されている。
この祠も、その例にれず2層目はゴブリンにも強化種がいた。
それが、この6匹目だ。
6匹目は、とにかくデカい。
僕の頭よりも一回り大きいサイズのゴブリンだ。
手足も長く、シルエットは人間のように見える。
しかし、本來のゴブリンよりも2~3倍のサイズが原因か、その特徴である俊敏はない。
鈍足でドタドタと姿を現す。 斬り殺された同胞の亡骸を見て怒りを込み上げているのだろう。
その口からが大型の貓科のように「ぐるる」と唸り聲を出しいる。
僕は剣を構え直す。
信じがたい事だが大型ゴブリンも拳を構えた。
「このゴブリンは新種ですね! ゴブリンボクサーと名づけましょう!」
サボっていたドラゴンが興狀態で騒いでいる。
し前のやる気はどこにいった?
しかし、ドラゴンの言う通りなのは間違いない。
ゴブリンの構えは拳闘の構えだ。
半の構え。右腕を上げて。左腕をダラリと下げている。
よく見れば、時折、足でステップを踏んでいる。
「あの構えこそ、舊時代の拳闘で言うところのデトロイトスタイル。超攻撃型と言われる反面、ガードを下げる構えゆえ、高難易度の構えです。気を付けてくださいサクラさん」
「いや、お前も戦……ぐっ!」
顔面に痛みが走る。
毆られた? 拳速が速い! 毆られて初めてわかるほど……
「ぐっ!?」
もう1撃、被弾する。
たまらず、後ろにバックステップで距離を取ろうとするが……
(ちっ……足は遅い癖に、こういう時の追い足は速いのかよ!)
後ろに飛ぶ僕のスピードについてくる。
「だったら!」
僕は下から斜め上に剣を跳ね上げてカウンターを狙う。
しかし、ゴブリンボクサーは足を止めて、剣戟をやり過ごす。
「コイツ! 眼も良い。キッチリ、止まりやがる!」
ゴブリンボクサーの表は笑っているかのようだった。
まるで馬鹿にするかのような笑い。
「この!」
強引に攻めようと一歩踏み出す。しかし―———
「あっ、ダメですよ。サクラさん!」
ドラゴンの聲が聞こえたのも一瞬。
ジャブが3発、顔面が叩かれた。思わず、後ろに下がる。
だが、次に腹部が削り取られたかの衝撃。 ボディブローが胃ストマックに突き刺さる。
僕のが僕の意志を無視して、勝手に膝が曲がり始める。
ゴブリンボクサーの顔を見る。 ニヤリを笑みを浮かべて————
振り落し式チョッピングライトが放たれた。
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