《超迷宮奇譚伝 『このアイテムは裝備できません!』》試合と勝利

そのまま、サンボル先生は腰から剣を抜く。

その剣は魔剣 ロウ・クリム。

優れた探索者の伝子から人工的に生まれ、魔剣を合された

だが、今は――――

そこから彼の意思がじられない。

(コントロールしている? 彼の自我までも?)

驚愕すると同時に僕には怒りが湧いてきた。

は魔剣……それ同時に人間だ。

の意思を封じて、武として使用する行為が許せなかった。

タンッ―――

地面を蹴る音だけを殘し、僕は恩師であるサンボル先生に襲い掛かる。

背中から短剣を抜き――――

「―――――っ!?」

僕は一度、振るいかけた剣を止める。

サンボル先生は、僕の剣戟を自の魔剣であるロウ・クリムでけようとしたのだ。

「この!」

この剣を振るう勢いを強引に止めたため態勢が崩れる。

それを隙と見たのか、魔剣を振るう。

――――だが、速いのは僕の打撃だ。

バランスを崩しながら地面についた手に重をかけて超低空の回し蹴りを放つ。

これは流石に予想外だったのか、サンボル先生は「むっ!」とジャンプして避ける。

著地するサンボル先生に対して、立ち上がる僕。

互いに至近距離。剣を振るう間合いではない。

それどころか、突きや蹴りよりも近しい間合い。

「ならば――――」

骨と骨がぶつかり合う音が響いた。

の頭突き。

だが、格差。 正確に長の差が如実に出た。

サンボル先生は僕よりも頭1つ分背が高い。 それに加えて態勢の問題。

頭を上に跳ね上げていく僕。 上から下へ頭を振り下ろしたサンボル先生。

ダメージの差が大きく出た。

思わずしゃがみ込む。すると目前に膝が迫っていた。

膝蹴り

両手をクロスさせてガードするもしゃがみ込んだ態勢では威力を殺せず、後ろ回りで2回転。

完全に無防備な狀態になる。

目前、サンボル先生の剣戟が既に迫ってきていた。

思わず短剣を盾に――――

「いやっ! こうだ」

合わせる剣に込める力は極小に。相手の剣先だけを逸らして重移

前に出てくる相手のきだけを利用して――――

サンボル先生を投げた。

地面に投げ出された先生の首筋にそっと剣を添えた。

し甘くなったかと思いましたが……その分、長していましたか……參りました」

初めてだった。

僕は初めてサンボル先生から勝利を手にしたのだった。

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