《超迷宮奇譚伝 『このアイテムは裝備できません!』》猛牛のオズと最強の探索者
「我は十二聖師が1人、猛牛のオズ」
僕らの前に現れたのは教會幹部の1人に間違いないようだ。
頭部には兜。
きっと、倒したミノタウロスで作ったのだろう。
兜には薄らと革を張っているが、それはミノタウロスの頭の骨で作られているのはすぐにわかった。
その兜を深々とかぶっているため、彼は目元まで顔が隠されている。
しかし、すっきりとした鼻立ち。 整ったに、細いアゴ。
素顔がイケメンの部類かもしれない。
だが、しかし————
問題はそれ以外の部分にある。
上半はに真紅のマントを羽織っている。
下半は、真っ赤な海パン。それなのに、靴はブーツだ。
今までに出會ってきた奇人変人の中でもコーディネートはトップクラスの存在。
見間違う事なく変態がそこに立っていた。
けれども……
「はぁ……」と自然にため息が出てしまった。
「な、なんだ、貴様は! さっきからとイチャイチャ見せつけてくると思ったら、人を見るなり、ため息とは失禮にもほどがあるだろ」
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「……なんだ。ずっと、見てたのか」
「侵者に警戒するのは當然だろ。人を出歯亀扱いするとは、何事だ!」
「いや、覗いていたのら、もうしタイミングを……ね?」
僕らの話を聞いていたにも関わらず、世界の真理が聞けるかもしれないタイミングで、よく邪魔できた。この人。
「うるさい! 話まで聞き耳を立ててなかったわ……いや、そもそも、どうして我が侵者の會話に気を使わねばならぬ」
……あっ、正論だ。
見た目通りに頭まで変態じゃないぞ。この人。
「このっ!シュット國の異教徒め」
オズは一気に距離を詰めてくる。
速い。そして武は斧の二刀流。
どんなに軽い素材を作っても、その形狀は剣のように軽やかと優雅さは手にらない。
……斧とは、そういう武だったはずだ。
しかし、オズの斧には軽やかさと優雅さが存在していた。
「————ッッ!?」
躱すと同時に前蹴りを放ち、距離を取る。
仕切り直し。
「あれが聖? いや、でも……」
「ほう、聖狙いの賊だったか」
「いや、違うけど?」
どうやらオズは、人の話を聞かないタイプらしい。
「察しの通り、これは聖ではない。世界中の信者から奉納される武の1つだ」
「探索者にも信者がいるのか」
オズの武が特殊なのはダンジョン産の武だからなのだろう。
「その通りだ。死と隣り合わせの人間ほど神に敬意を抱くのだろう。命がけで手にれた武を使ってくれと頼まれる事が多々あるのだが……これはお気にりの武ってやつだ」
「……」
たぶん、かなりの階層で手にれた特別の武。
斧の破壊力をそのままに、短剣のような使い方ができる……厄介な武だ。
僕は武破壊に狙いを定める。
しかし―———
「大変そうです。代わりましょうか?」
背後から話しかけられた。
その聲は―———
インザンキとアンドリューのコンビだった。
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
新手の登場に
「なんだ? 賊の仲間か。簡単に侵を許すとは聖域もずいぶんと安っぽくなったもんだ」
と、オズは肩をすくめてみせる。
オズは2人を知らないみたいだが……
2人は現役探索者最強と言われるコンビ。
赤の剣士 インザンギ
金髪の魔導士 アンドリュー
間違いなくビックネームだ。
「2対1だが、卑怯なんて言わないでしょうね?」とインザンギが言う。
「無論。賊に文句を言うほど平和ボケなどしていないぞ」
「では」とインザンギは背負っていた長剣を抜き―———
ぜたような勢いで前に飛び出した。
「速い!?」と僕は稱賛の聲を上げた。
いや、速いだけではない。 左右にステップを刻みながら―———
「炎の矢 ファイア」
短詠唱が聞こえた。誰の?
決まっている。前衛として飛び出したのがインザンギなら後衛に殘るアンドリューの詠唱だ。
アンドリューが放った魔法、炎の矢はインザンギの背中を狙ったかのように飛んでいく。
誤? いや、違う。
直撃をけたと見間違うほどのギリギリのタイミングでインザンギが橫へ飛ぶ。
オズからして見たら、インザンギのが隠した魔法攻撃に遅れて気づく事になる。
「この!」と斧を振るい、炎の矢をかき消した。
だが、さらにインザンギは接近する。
そして、背中に目がついているのかのようにアンドリューの魔法攻撃をギリギリで避ける。
苛立ちを隠せなくなったオズは「小細工を!」とび、自らも前に出る。
狙いは蛇行しながらも接近してくるインザンギ本人。
だが、インザンギも長剣を振るった。
オズが繰り出す二本の斧。 インザンギの長剣。
互いの攻撃が接して甲高い金屬音が響いた。
そして、次の瞬間には―———
武破壊
砕けた武はインザンギの長剣だった。
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