《超迷宮奇譚伝 『このアイテムは裝備できません!』》蘇る魚

その突きは異端。

ある名人は、こう言った。

槍に技は不要

突きとけだけを極めれば良い。

ギョウジの技もソレと同類だ。 いや、それ以上だ。

口に咥えた槍を突きだけに使う。 最小限の力で、最低限の作で攻撃を繰り出してくる。

そこにはけの概念すら存在していない。

超攻撃的という言葉では言い表せない。ただ、攻撃だけがある。

そして―———

慣れない。

技を極めた剣士は、反神経で戦わない。

経験によって蓄積された戦いの記憶が、自の反神経を凌駕するのだ。

逆に言えば、未知の作に前にした瞬間、人は極端にきが鈍くなる。

その點では、ギョウジの技は完璧だ。 誰も見た事のない槍を口から繰り出してくる。

だが、しかし―———

4対1

僕だけなら兎も角、アンドリューとインザンギ。

そして、ドラゴンを相手にするには無理がある。

「今ッ!」

インザンギの長剣がギョウジの腹部を貫いた。

「がっはっ・・・・・・」と赤い反吐のようながギョウジの口から吐き出される。

蔵へ致命的なダメージ。 吐と共にギョウジの槍が落ちる。

そのまま、彼は崩れ落ちた。

1秒・・・・・・ 2秒・・・・・・ 3秒・・・・・・

きはない。 代表してアンドリューがギョウジの首元に手を添えた。

「脈はありませんね」

僕らは、殘心の構えを解き、溜めていた息を外へ吐き出した。

「例によって『聖』は持っていませんね。やはり預けられていると考えるのが妥當ですかね?」

アンドリューの言葉に「うん」と僕は同意した。

12使徒の、4人を倒した。

だけれども、僕らと同時に突した仲間たちは見當たらない。

もしかしたら、僕らを除いた全員が12使徒を無視して教皇に向かっているかもしれない。

それはそれで構わない。 どんなに教皇が強くても、あのメンバーを相手に勝てるとは思えない。

だとしたら、僕らは僕らで遊撃部隊で教皇への援軍の存在を撃破していく選択肢もある。

教皇ボスへいきなり挑戦するか? それとも、12使徒を倒して進むか?

僕はし考えた。 だから、反応が遅れた。

殺気の知。

背後からの攻撃。

誰が? いや……そんな事よりも!

ギリギリで攻撃を回避する。冷や汗が大量に溢れだす。

もうしだけ、僅かに反応が遅れたら死んでいた。

それと同時に思いだす。

がヒリヒリとする危機。 これが実戦であり、これがダンジョン。

なにが飛び出すかわからないビックリ箱のような空間だからこそ、僕らはダンジョンに魅かれるのだ。

しかし、誰が? 誰が僕の意識をダンジョンに連れ戻してくれたのか?

振り向けば、そこに男が立っていた。

男の名前はギョ・ギョウジ。 死んだはずの男だった。

脈はない。 醫學的に完全に死んだ男がどうして攻撃を繰り出すことができるのだろうか?

それは愚問だろう。 もっと、早く気づくべきだった。

そう……ここには人魚がいた。

食べた者を不老不死の存在に変えると言われるアノ人魚がいたのだ。

ならば……當然・・・・・・このダンジョンの主も、また・・・・・・

不老不死で當然なのだろう。

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