初回、一撃必殺

『龍の足枷』

巨大鉄球を猛牛のオズに向けて発する。

「うおっ！」と想定外の攻撃だったらしく、驚きの聲。

回避は……できるタイミングではない。

僕は、この一撃を持って「勝った！」と勝利を確信した。だが————

「おのれ！　卑怯者めが！　我が名は……我が名は……十二聖師　猛牛のオズだぞ」

信じられない。

ボスと言われた大型魔でもけ止め切れなかったはずの一撃を―———

人類最強の一撃を言われる一撃を―———

全のからというを吹き出しながらも―———

『龍の足枷』をけ止め切った。

「あんた、人間か？　本當に？」

「久しいな。今だに我を人扱いしてくる者に久しぶりに會ったわ」

「面白いな。僕を―———俺を本気にさせてくれる」

俺は、背中から短剣を抜くと同時に間合いを詰める。

オズは遅れて自の得を手にする。

「やはり、片手斧の二刀流。それは、もう見せて貰ったよ」

襲い掛かってくる旋風が俺の橫に飛んでいく。

けが通じぬ剛腕の二刀流。　弱點と言えば得の長さリーチだが・・・・・・俺の短剣も似たようなものだ。

挑むなら接近戦での捌き。

著するかのような間合い。もはや、短い武ですら長すぎて役に立たない。

まるで素手での組手。　品種改良したミノタウロスと戦い、自を鍛えてきたオズなのだろうが・・・・・・対人技はどのくらいだ？

こっちは在學中に現役の騎士に鍛えられた対人技だ。

「ぬっ！　豬口才な真似を！」

オズの大振りな一撃を軽くいなす。

剛腕から繰り出された打撃であれ、洗禮されたものにはほど遠い。

バランスを崩したオズに肘打ちを一撃。

一瞬、後退して間合いが広がる。その間合いを利用して膝蹴りテンカオ。

膝がオズの腹筋を貫く。　腰が落ちたオズの頭部に俺は自の額を叩き付けた。

だが、オズもやられたままではない。

どこでもいいから當たればいい。

そんな無茶苦茶な打撃が俺の頭部を揺らした。

俺の意志に反して膝が落ちていく。

勝機と思ったのだろう。きを止めた俺に再びオズの一撃が繰り出された。

だが————

空ぶるオズの腕を摑む。僅かにバランスを崩したオズのは、腕を捻ると面白いくらいに簡単にが浮いた。そのまま地面に叩き付ける。　勢いよく地面に叩きつけられたオズのが跳ねるバウンド。

狙いはオズの腹部。

両手の指と指を絡めて、巨大な一つの拳を作り————

叩き付けた。

「ごっふっ！」

オズの口からは空気と共に何かがれるような音がして―――

彼はかなくなった。

「さて」と俺————僕は周囲に目をやる。

どうやら、僕が一番速く倒したらしい。

他のメンバーは誰が誰と戦っているのか？　そう観察すると————