《スキルゲ》転校生無雙

「滝川晴人です。髪が赤いのは伝的な病気で不良やないんで、よろしゅうおたのもうします。あと関西弁は、転校が多くて関西に住んでた時に無理して覚えたエセ関西弁です。」

まだ赤髪のショックが抜けきってないようだが、徐々にクラスメイト達は落ち著いてきたのだろう。らかい笑い聲も起こっている。

自己紹介を終えた晴人は、教室の後ろ側に用意された席に進んでいく。

一瞬、目が合ったが思わず、視線を外してしまった。

どう見ても夢の男と同一人にしか見えない。あれは夢じゃなかったのか?

偶然に街で見かけて、無意識に夢の中に出てきたのではないか?

きっと、そうに違いない。いくらなんでも、あれが夢じゃなく現実って事はないとは思う。

僕はため息をつき、朝のホームルームの話に集中することにした。

しかし、後ろからじる晴人の視線は気のせいではないようだ。

(本當に夢だよな?) 僕は心の中でつぶやいた。

ホームルームが終わり、1時限が終わり、休憩時間。わずかな時間でありながら、晴人は転校生の通過儀禮である質問攻めにあっていた。

Advertisement

「はると君って前は大阪に住んでいたの?」

「ちゃうちゃう、大阪は前の前のそのまた前や。前は福岡のほうやな」

「へぇ」ってため息に似た想が複數上がる。予想以上に各地を転々としてるようだ。

「親はどんな仕事をしてるの?」

「それが詳しゅう教えてくれへんねん。俺の予想じゃ地図でも作る人ちゃうかな」

晴人は笑いながら「実は夜逃げで逃げ回ってるってオチかもしれんけどな」と付け加え、笑いをう。

転校慣れとでも言うのだろうか? もう、クラスに馴染み始めている。

それを僕は眺めてたら、不穏な空気をじた。

教室の一角で晴人を睨んでる一団。いわゆる不良グループという連中だ。

リーダー格の加藤が不快を隠さず、舌打ちの音が聞こえてくる。

と言っても誤魔化せる程度の茶髪に、耳にピアス用のが空いてる。不良グループの全員がテンプレのように同じ格好だ。 格好を統一化することで強い仲間意識を作っているのかもしれない。

自分達より目立つ赤髪が気にらないってところか? 放課後あたりに呼び出して、騒を起こすつもりかもしれない。

そして、放課後。実にあっさりと僕の予想は當たってしまった。

「ケンジ君、ゆうちゃん」

放課後にクラスメイトのの子(花沢さん)に帰宅しようとする僕たちに話かけてきた。

「加藤君達が滝川君を屋上に連れて行ったらしいの」

あまりにも想定な出來事に僕は天を仰いだ。

「OK、OK 荒事はケンジンに任せて、花沢さんは先生探してきてよ」

そう、爽やかな言葉を殘し、ゆうは駆け出していた。

いつの間に僕が荒事擔當になったのだろうか。 僕の細腕で何もできることもないが、とりあえずゆうの後に続いて走り出していた。

階段を駆け上がり、屋上に出る扉に著く。息切れをした僕とは対照的に息一つれないゆう。

無盡蔵のスタミナとはこういう事をいうのだろう。

「じゃ、行くぞ」と扉に手をかけているゆうの表は、なぜか意気揚々としている。

こういうイベントが楽しくてたまらないんだろうな。そんな僕の予想を待たず扉が開いていく。

屋上では、不良グループ4人に囲まれ、真ん中で加藤にぐらを摑まれている滝川晴人がいた。

しかし、様子がおかしい。 恫喝してるはずの加藤の表に焦りが見え、対して晴人の顔は鼻歌でも歌ってそうなくらい楽しげだった。

「関節技って曲がらない方向に曲げるから痛いって言うけど、意外と曲がる方向に曲げても痛かったりするやろ?」

よく見ると、ぐらを摑んでいる加藤の手を晴人は両手で持っている。あれで手首の関節を極めてるのか?

加藤も仲間の手前で弱気な態度は見せられなかったのだろう。

「離さんか!クソ野郎が!」

加藤は大聲を上げ、そのまま毆りかかろうとした。しかし、加藤の拳は晴人に屆くことはなかった。

加藤は、まるで自分から飛んだかのように綺麗に宙に舞うことになった。晴人が手首の極めを強めた事によってバランスを崩し、そのまま捻られた痛みから逃げるようにが一回転したようだ。

「どうや?俺は転校が多かったから、林寺拳法の総本山の香川県にもおったんやで」

投げられた加藤は手首を捕まれたまま、仰向けの狀態から必死に立ち上がろうとしてるが足をバタつかせたり、ブリッチのような勢になってもがいている。

腕を両手で摑んでるだけにしか見えないの、どうしてあんな事が可能なのだろうか?

リーダー格の加藤が醜態と言ってもいい狀態になり、他の不良達はどうしたらいいのか困しているみたいだ。

そんな沈黙を破るように怒聲が響いた。

「お前ら何をやってるか!」

どうやら、教師を呼びに行った花沢さんは、校最強と名高い育教師を召喚してしまったようだ。

「いやいや、喧嘩とかちゃうねん」と晴人は両手を振って弁解を始めた。

「俺が格闘技やってるって話からエキサイティングしてもうてなぁ?じゃれ合いですやん。 5対1で喧嘩とか漫畫の世界ちゃうねん。実際、そんなんなったら俺、逃走してますわ。せやろ?せやろ?」

屋上で不良グループにからまれてる側の生徒が必死に弁解してる狀況に育教師も混してるようだ。

幸いにも加藤が倒れて腕を摑まれてる狀態しか確認してないらしく、ここで喧嘩があったという証拠はなにもない。 お咎めなしとはいかないにも口頭の注意で済みそうだ。

「わかった。詳しい事は職員室で聞かせてもらう」育教師の言葉で屋上から不良グループは一列になって屋上から出て行く。

僕とゆうは、職員室に行くつもりはない。そのまま、いなくなっても問題ないだろう。

しかし、屋上から出て行く時、滝川晴人は僕にだけ聞こえる聲でささやいた。

「ちっと、校門で待っといてんか?」

      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください