《スキルゲ》VSスライム(レベル1)

手にした鎌はズッシリと重く、嫌でも現実を実させる。

スライムと呼ばれた怪は威嚇をするかのように複數の手を出し、ムチのようにしならせる。

あの手に當たれば、どんな激痛をけるか容易に想像できてしまう。

無理だ。僕はゲームの勇者や戦士じゃない。ただのひ弱な高校生だ。

このまま、背を向けて逃げ出してしまいたい。

そう、意志を伝えようと晴人の方を向く。

「一度、こいつ等に出會ってしまったら逃げてもムダや。俺が助け続けるわけにいかん。一生、こいつ等ちゅうのは何時、何処でも、何をしても襲ってくるわ」

「そんな・・・」それは、僕にとって死刑申告と同じだった。

「助かりたいなら、こいつ等を倒すスキルを磨くしか方法はない。お前は、こいつ等の餌として死ぬか?それとも、こいつ等を狩る側の人間になるか?」

気がつくと僕は雄びを上げていた。

一歩、二歩とスライムに向かって行く。徐々に歩みの速度が上がり、僕は走っていた。

生きたい。その本能が恐怖を押さえ込み、を走らせる。

それに対し、スライムは威嚇をやめ手を飛ばしてくる。

4本の手がバラバラの方向から、バラバラのタイミングで襲ってきた。

「構うなや。突っ走れッ」

晴人の聲を信じ、走る速度を緩めない。目を閉じて、全力で走り抜ける。

手が接する直前、鎌から黒い炎が飛び出した。

黒い炎は手の攻撃を弾いた。そして、まるで導弾のように縦橫無盡に空を飛び、他の手も迎撃していく。

「行けや!そのまま鎌をぶち當てるんや!」

聲に従い、ただの本能のまま、スライムに向かって鎌をフルスイングした。

まるで鉄柱をバットで毆ったかのような反が手に帰ってくる。

両手に痺れが走り、鎌を持つ握力すらなくなりそうだった。

それでも離さない。

鎌を引き、2撃目のモーションにる。

そのまま放った2撃目は1撃目と異なり、何も手応えをじさせなかった。

空振り! 一瞬で全から汗があふれる。

しかし、僕はスライムに目を向けて、ようやく気がついた。

もう、スライムは消えていたのだ。

「勝った?助かった・・のか・・・?」

「せやな、勝ったんや。助かるかどうかはこれからやで?」

その晴人の言葉で全力し、その場に座り込んでしまった。

頭の中が真っ白になって何も考えられない。

ただ、しづつ恐怖から解放された実が湧いてきたのだった。

「これからどうすればいい?」

「これからのことは、ゆっくりと説明していくわ。まぁ、今はが満足にかんやろ?」

そう言って晴人は僕に手を差しべていた。

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