《スキルゲ》初めてのレベルアップ

初めて一人でスライムを倒してから2日後。

時間をかけながらもスライムを狩るのに余裕を覚えるようになっていた。

今日も今日とて、スライムと対峙する。

右左右左。 右左右左。

もはや、このきはルーチンワークを言っても過言じゃない。

最後の攻撃を避けると同時に攻撃を・・・

その瞬間、背後から衝撃をけ吹き飛ばされた。

 いつの間にか、別のスライムが距離を詰めて攻撃してきたのだ。

「いつまでタイマン気分でやってるんや。相手は1匹だけやないぞ。死角を作らないように位置取りを意識してけや」

晴人の怒聲が響く。

チッ なんという鬼軍曹様だ。 鬼軍曹なんてダイエット業界でも時代遅れだぜ。

晴人教の指導は、この僕がやさぐれるレベルのスパルタぶりだった。

そんなことを考えてながら、スライム相手に連戦を続けていると突然、ファンファーレのような音が鳴り響いた。

『パッパカパーン!パンパンパーン!』

「なんだ?これ?」

僕は周囲を見渡すが、音を出すようなは存在していなかった。

「ばぁか。その音はレベルアップをお知らせする音や」

「レベルアップ? って僕の?」

首を頷かせる晴人を見ても実が沸かなかった。

ウインドウを開き確認する。例によって象形文字だらけの畫面だが、數字だけは普通に表示さてる事に今更ながら気がついた。

「一番上の右側。數字が2になってるはずや」

晴人の言うとおり、ウインドウを作すると確かに表示が変わってた。

そのまま、スキルの一覧へ移する。すると、いままで灰だったスキルのアイコンが白く輝いていた。それを見て徐々に実が湧いてきた。

「やばいよ。やばいよ。マジヤバイよ! 何あげる?基本は武スキル?遠距離型も捨てがたい!」

「いや、落ち著けや」と晴人のチョップがった。

「最初に説明したけど、スキルはレベルや獲得スキルによって強力なスキルに変化することもある。スキルポイントはいきなり使うんやなくて余裕を殘しとくべきやで。それに一生付き合っていくスキルや安易に決めたらあかんわな」

そうだった。僕は晴人の説明を思い出す。

スキルは戦闘以外にも自由に使える。それは、一生戦い続ける僕らにとっては唯一の利點かもしれない。ゲームの世界で簡単に獲得できる魔法でも、実世界なら立派な超能力のようなものだ。

スキル1つの差で、その後の人生が大きく変わることもあるとか、ないとか。

しすぎて安易な行をしそうになった自分をしだけ反省する。

よく考えてみれば、晴人のモンスターを探知するスキルのおかげでスライム以外と戦わずレベル上げができる。 しばらくはスキルは不要なのかもしれない。

最初は1匹を倒すのに1時間かかった。でも、今日は1時間かからず10匹近く倒している。

もしかしたら、今日中にレベル3になるかもしれないぞ。

僕は、明るい未來を描いていた。

それが、まさか・・・

あんなことになるだなんて・・・

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