《スキルゲ》スライムのボス化現象 3

晴人は死んだ。

高速で突っ込んで行く晴人に対して、狙っていたかのように5本目の手をぶつけてきた巨大スライム。無論、避けれるはずもなく、完全に正面衝突の形になってしまった。

完全にどうしようもなく、晴人は完璧に死んでしまったのだ。

そんな、僕が想像した最悪の狀況を覆し、晴人は普通に生存していた。

正面衝突の瞬間に何が起こったのかわからないが、5本目の手を大鎌の柄でけ止めている。

時代劇の鍔迫り合いのようで、見てるコッチ側が手に汗握る戦いだ。

しかし、そんな傍観者気分は晴人のびで吹き飛ぶことになった。

「賢志、前言撤回や。なんでもいいから支援ぽいスキルを獲得しろ」

その意味をすぐに理解してしまった。今、晴人が鍔迫り合いしてる手は、他の4本の手を掻い潛った敵に使用される対接近戦の武ということだろう。

だとすると、対遠距離の用の武が4つ。それがフリーな狀態になっている。

そして、スライムにしてみると遠距離にいる敵は僕一人。頼りの晴人さまは、力が均衡してきが取れない。

なるほど‥‥‥。なるほど‥‥‥。

早く、支援系のスキルを覚える。

早く、晴人を支援して、均衡狀態から自由にさせる。

そうしないと、あの巨大手は僕を狙ってくるってことか‥‥‥。

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?」

僕は、久々に絶の雄びを上げならウインドウを作する。

「支援ぽいやつ。支援ぽいやつ。確かに、確かにあったはずだ」

必死にウインドウから支援系ぽいスキルを探す。

「あった!」

に包まれてるじに書かれてるアイコンを見つけ、そのアイコンをクリックする。

これでスキルが使用可能になったのだろう。アイコンにスキルのレベルを示すように數字の1が浮き上がっていた。

確か、晴人の説明ではスキルの使用方法は、単純にイメージすること。

僕はアイコンで書かれてるように自分のるようなイメージを浮かべる。

そうして、僕は初めて自分のスキルを発することに功した。

しかし、そのスキル効果は想像とは違うものだった。

周囲の風景がき出すような覚。まるで空間が捻れてるような。

いや、実際は逆だ。

なぜか、僕は巨大スライムに向かって高速で飛んでいった。

し前の晴人のように、華麗で雄々しく向かって行く。

あえて、違う點を探すとしたら、本人の意思とは無関係という事だろう。

僕は再び、び聲をあげる。そして、そのまま巨大スライムに突っ込んで行った。

冗談みたいな轟音が鳴り響く。そして、音の後にはがミキサーでシェイクされるよな衝撃が襲ってきた。

ついに僕の脳が狀況に追いつくことができなくなり、オーバーヒートでも起こしたのかもしれない。

僕は、大の字で地面に倒れ込んいた。そして‥‥‥

「あんなアホみたいなスピードでモンスターに當たりする奴なんで初めてみたわ。俺以外でな!」

僕の橫には晴人が立っていた。

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